心身ともに堪えた。この様な気持ちは何年ぶりだろうか?まさに女に三下り半された男の気持ちだ。アスミク・グリゴーリアンのキャンセル情報を探っていくうちにほぼ情報が出てきた。残念ながら地元TVでのインタヴューはリトアニア語で理解が出来ない。書き抜き文字の自動翻訳からそれを追ってみることも出来てはいない。
ある程度気が付いていて、ファンの人達らしきもそのSNSを静かに見守っていた感じはあったのだが、やはり発信が急に減った。ミラノでの「スペードの女王」初日が終わってからだ。それが最後にゲルギーエフは下ろされるのだが、聴衆の反応は幾つかのブーイングがあったのみで喝采に包まれていたらしい。
しかし主役の本人が語る様に、このコロナ期間もパニック症候群に悩まされていて、メタブロックという薬を使ってアドレナミンを制御していたという。元々ドキュメンタリー映画でも撮られているが、舞台恐怖心がある人でどうも初日となると上手くやれるかどうかで苦しむらしい。フランクフルトでの映像でも顔が真っ青になっていた。
Oper - Das knallharte Geschäft
自身の才能への自信も当然の事乍ら人一倍強く持っていてもそれはまた違う。そのようなときに決して疎遠ではない指揮者ゲルギーエフが下されて、更に各方面で叩かれているのをみては、何ならかの燃え尽き症のような症状になるのは素人でも想像できる。それ程にこの二年間、先ずはワクチン接種もなく、コロナにも感染しながら誰よりも活躍していた歌手の一人だった。
そして、人間にとって何よりも大切なのはセンシビリティーであって、それが人類の力だと語っている。つまりセンシブリティーで人を想い庇うことが出来ると語っていて、まさしく今回一連の騒動での感じ方を語っている。だから、センシブリティーがこの世界では薄れてきていると言う。
個人的にはここまで耳を傾けて、とてもよく分かると同時に、自分の胸の手を当てざるを得ない。なるほどバーデンバーデンからのゲルギーエフ一座の追放は瓢箪から駒の願ってもいなかった成果であったが、まさかアスミク・グリゴーリアンを復活祭から失うとは思わなかった。襖の隙間から鶴の機織りを見てしまった取り返しのつかぬような思いである。本当はゲルギーエフなんかどっちでもよかったんだよーと叫びたい。
同じようにベルリナーフィルハーモニカーと共に踏み込んだ発言までをしてしまったペトレンコ、どちらの方が悔やんでいるかは分からない。出たら出たでとことん音楽を詰めてもらいたいと思っていたのは私達である。バーデンバーデンの方では若々しい雰囲気の悪くないロシア女性が代わりを務める。グリゴーリアンでどうしても本格的ロシアオペラをという気持ちはあるが、春や夏までには世界情勢も落ち着いて復活して貰えばそれでよい。
バーデンバーデン祝祭劇場で始まった練習打ち合わせ風景:
Vorhang auf! Probenstart für „Pique Dame“ im Festspielhaus Baden-Baden
復活祭はアナ・ネトレブコとアスミク・グレゴリーアンの二人の大きな話題性のある顔を失い、残るはソニア・ヨンチェヴァだけとなった。オペラでの成功はこうなれば演出が時局に合わせて上手く嵌まるかどうか、そこに掛かっている。一方、こうした音楽劇場としての上演の大変さを考えるとバーデンバーデンの祝祭劇場がどこまで出来るのかとも思う。
参照:
Asmik Grigorian nuolat kovoja su panikos atakomis scenoje: išbandžiau viską, išskyrus hipnozę, Andrius Rožickas, LRT PLIUS laida „Stambiu planu“, 2022.03.05
ほぼ決まった今夏の予定 2022-03-09 | 女
悪魔に対峙する人々 2022-02-17 | 文化一般
ある程度気が付いていて、ファンの人達らしきもそのSNSを静かに見守っていた感じはあったのだが、やはり発信が急に減った。ミラノでの「スペードの女王」初日が終わってからだ。それが最後にゲルギーエフは下ろされるのだが、聴衆の反応は幾つかのブーイングがあったのみで喝采に包まれていたらしい。
しかし主役の本人が語る様に、このコロナ期間もパニック症候群に悩まされていて、メタブロックという薬を使ってアドレナミンを制御していたという。元々ドキュメンタリー映画でも撮られているが、舞台恐怖心がある人でどうも初日となると上手くやれるかどうかで苦しむらしい。フランクフルトでの映像でも顔が真っ青になっていた。
Oper - Das knallharte Geschäft
自身の才能への自信も当然の事乍ら人一倍強く持っていてもそれはまた違う。そのようなときに決して疎遠ではない指揮者ゲルギーエフが下されて、更に各方面で叩かれているのをみては、何ならかの燃え尽き症のような症状になるのは素人でも想像できる。それ程にこの二年間、先ずはワクチン接種もなく、コロナにも感染しながら誰よりも活躍していた歌手の一人だった。
そして、人間にとって何よりも大切なのはセンシビリティーであって、それが人類の力だと語っている。つまりセンシブリティーで人を想い庇うことが出来ると語っていて、まさしく今回一連の騒動での感じ方を語っている。だから、センシブリティーがこの世界では薄れてきていると言う。
個人的にはここまで耳を傾けて、とてもよく分かると同時に、自分の胸の手を当てざるを得ない。なるほどバーデンバーデンからのゲルギーエフ一座の追放は瓢箪から駒の願ってもいなかった成果であったが、まさかアスミク・グリゴーリアンを復活祭から失うとは思わなかった。襖の隙間から鶴の機織りを見てしまった取り返しのつかぬような思いである。本当はゲルギーエフなんかどっちでもよかったんだよーと叫びたい。
同じようにベルリナーフィルハーモニカーと共に踏み込んだ発言までをしてしまったペトレンコ、どちらの方が悔やんでいるかは分からない。出たら出たでとことん音楽を詰めてもらいたいと思っていたのは私達である。バーデンバーデンの方では若々しい雰囲気の悪くないロシア女性が代わりを務める。グリゴーリアンでどうしても本格的ロシアオペラをという気持ちはあるが、春や夏までには世界情勢も落ち着いて復活して貰えばそれでよい。
バーデンバーデン祝祭劇場で始まった練習打ち合わせ風景:
Vorhang auf! Probenstart für „Pique Dame“ im Festspielhaus Baden-Baden
復活祭はアナ・ネトレブコとアスミク・グレゴリーアンの二人の大きな話題性のある顔を失い、残るはソニア・ヨンチェヴァだけとなった。オペラでの成功はこうなれば演出が時局に合わせて上手く嵌まるかどうか、そこに掛かっている。一方、こうした音楽劇場としての上演の大変さを考えるとバーデンバーデンの祝祭劇場がどこまで出来るのかとも思う。
参照:
Asmik Grigorian nuolat kovoja su panikos atakomis scenoje: išbandžiau viską, išskyrus hipnozę, Andrius Rožickas, LRT PLIUS laida „Stambiu planu“, 2022.03.05
ほぼ決まった今夏の予定 2022-03-09 | 女
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