Wein, Weib und Gesang

ワイン、女 そして歌、此れを愛しまない輩は、一生涯馬鹿者であり続ける。マルティン・ルター(1483-1546)

大胆で勇敢そのもの

2012-10-02 | アウトドーア・環境
南プファルツの奇岩地帯で登った。今までその地域で登った中でもその内容からして最も印象に残るものである。最初のピッチの三十五メートルほどのクラックからチムニーそしてクラックの突っ張り技術での張り出しの乗り越えは今まで経験したクライミングの中でも最も大胆で勇敢そのものであった。

この秋のプロジェクトになってから体調を整えてと考えていたぐらいだから遣り甲斐十分であったが、残念ながら先週は雨勝ちで登れず、月曜日は週末の疲れが残ったままであった。

兎に角先行パーティーのそれを見ていると結構恐ろしいのである。そしてそのピッチには一箇所しかハーケンが無いのがこれまた凄い。その分凹角の内部にフレンズをどんどんと投入できるので客観的な危険度は比較的低い。それでも恐ろしいのが人の心理である。

日曜日の夜に風呂に入って神経が完全に解されたままにその場にいた感じでどうも目が覚めていない状態が続いた。もう一人の若い先行者に中間支点の設置を任してそれをそのまま使うことで、三人パーティーで二人がロープをリードする体制を取った。正直全て自分で設置しなけれないけなかったなら当日の体調では難しかっただろう。

技術的には下部の一箇所とハーケンへの一箇所ぐらいが難点で、ハーケンからのクラックでの張り出し超えの一箇所の思い切りぐらいで、当然登れてしかるべきなのだが、それを超えてから急に恐ろしさを感じたのであった。

暑くも無いのに手に発汗を感じるのはある意味久しぶりで、先週末から週明けまでまるで入学試験の朝のような緊張感を味わい続けたのである。完全な先行も勧められた第三ピッチ目であるが、それでもまだ目が覚めない神経状態でどうも緊張に束縛されてしまっていた。

久しぶりに懐かしいというか、未経験者のような無垢な心理状態を体験したが、繰り返し体験したいルートである。帰りにビールを引っ掛けて車を運転するときもまだまだ夢見心地で何をやったか十分に把握が出来ていないような緊張へのブロックが効きっぱなしになっていたようである。このような神経は朝の冷たい水一杯ぐらいでは解れることは無いであろう。



参照:
とても健康的な秋の一日 2012-10-01 | アウトドーア・環境
我武者羅に登る一ヶ月 2012-09-22 | 生活
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