Wein, Weib und Gesang

ワイン、女 そして歌、此れを愛しまない輩は、一生涯馬鹿者であり続ける。マルティン・ルター(1483-1546)

初印象は香ばしい旨味

2009-02-06 | 試飲百景
2008年度産のワインを初試飲にフォンブール醸造所へ出かける。その前に、受け取った案内の大変分かり難さを苦情しなければいけない。

一つは、文章の中での言葉の使い方である。アップフューラーはなるほどワイン愛好家にはお馴染みの言葉であるが、こうした高級ワイン醸造所の固定客層にとってはエアツョイガー・アップフュールングつまり自家栽培の葡萄でのワインしか意識にないのであって、これを態々買いつけ葡萄で醸造して瓶詰めしたと言われなければ、同じ事を意味するアップフューラーには元々興味がないのである。

これに関しては、ドイツワイン法の正式な表示に従ったと言うが実際はどうなのだろうか。それに対応して、ワインリストにはもはやヴァイングートつまりワイン醸造所の表示は消えて、ヴァインハウスと言う我々にさえ耳慣れない言葉が登場している。

これが意味することは、なにも自家製のワインだけでなくどんなワインでも瓶詰めして売りますよという事になるのだろう。勿論、買い付け葡萄を醸造して瓶詰めしても良いのだ。

そのような苦情に対する言い分けを聞いてから、既に売りに出ているワインを試飲する。先ず最初にリッターヴァインであり、去年までは6,50ユーロで売っていたものが、今後は業者に優先に売るとして7ユーロに値上げしている。

それでも新しいリースリングが試したくて、喉からつい手が出てしまうのである。辛口から試すが、酸の質は昨年度よりもやや丸い感じであるが似ていないことはない。そしてなによりも感じるのはスパイシーな味の面白さで、2007年産にはなかった特徴である。未だ開いていないリースリングなのでまずは家でゆっくり試してからである。

その次の半辛口の方は、酵母臭さは仕方ないが、非常にバランスが取れていてなかなか口当たりが素晴らしい。比較的単純な味の傾向なのだがやはり香ばしさが美点となっている。

双方ともダイデスハイムからニーダーキルヘンにかけての地所の葡萄という事でレッテンとかの地所の味わいに似ている。しかしなかなかミネラル風味もあって、ゲオルク・モスバッハーの4ユーロのリッターリースリングとはやはり質が異なる。

その次にヴァイスブルグンダーを試すが、若いだけに酸が良く効いていて欲しいと思うが、0.75L瓶で8ユーロは高過ぎる。グラウブルグンダーも同じような傾向でなかなか噛める味わいは秀逸なのだが、これも同じ様に高額である。

兎に角、今の時期谷にある2007年産リースリングで一本6ユーロ出しても7ユーロ出してもあまり食指が動かないが、先ずは初物の新種はやはりとても嬉しい。高いとこぼしながらも、先ずは三リットルを購入して、来週以降のQbAリースリングの試飲に備えるべきだろう。

2008年度リースリングの初印象は、スパイシーな旨味と一先ずしておこう。断然食欲が湧いて来る。
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