Wein, Weib und Gesang

ワイン、女 そして歌、此れを愛しまない輩は、一生涯馬鹿者であり続ける。マルティン・ルター(1483-1546)

ものの言いよう、言い訳

2007-08-30 | 生活
アンゲラ・メルケルの北京での中華人民共和国の温首相との会話が面白い。前任者のシュレーダーの単文ポピュリズムとは異なり、複文を使っての表現力が優れている。

温首相が、原稿読みとは違う単刀直入な会話のスタイルを褒め称えたのに対して、後退でなく前進の中でのより一層の関係改善と変化の方向を「強化する関係の中に向けたい」として、旅行の主旨を「皆にゲームのルールが守られてこそ、絶えず共に成長して行く世界を進展させていくことが出来るのだ」と端的に中国問題を表明する。

そして、「お互いを尊重して、知的創造物の保護は見逃す訳には行かない」と釘を刺す。それに対して温は、政府は関心を持ってこの問題を扱っているとして、「これに付いてドイツ政府と強調して行くつもりがあり、ハッカー攻撃を実質的に止める手立てを決定した」と嘯く。

更に、「あなた方には特別の待遇をしたいと思っているのですよ」と、同行の経済界の面々を見据える。

G8の会頭として温暖化問題にメルケルがふれると、「青い空と緑の山、清らかな水は国民の願いであった」と温はしながら、「中国の工業に国際的上限を敷く事」を改めて拒否、中国の自己規制を自己弁護して「シナにはシナの責務がある」と問題を相対化する。

2010年までの年二パーセントの排出削減目標に、メルケルは、「どの国も同じチャンスを得るべきで、そのための共同のルールが地下資源の保有に対してもあるべきだ」と切り替えした。

なかなか、面白いデュアローグである。直前のベルリン首相官邸への赤軍のトロージャン攻撃の大々的発表など、政治的な背後は厳しいものが見て取れる。その一方、中国品やオリンピックのボイコットなどへの世論の慎重な反応は、このトップ会談の政治的対話に凝縮されている。

先週、床屋を訪れたときも大将と「中国人が乳製品を消費するようになった」ので乳製品の価格が上がると言う話題を、日本の捨てられる牛乳の話を交えて四方山話をした。それにしても、様々な言い訳があるものだ。しかし、床屋の親仁でさえそんなことを容易に信じていない。
コメント
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