毎年NY に行きタイムズスクエアを通るたびに感じていたこと。
「なぜこんなに中国系の露出が増えているのか?」
メインの看板タワー(W43)の反対側(W45)に、同じような巨大タワーがいつの間にか完成(汗)
大スクリーンでえんえんと放送され続ける中国の広報映像にどうしても思ってしまった。
「勢いがあるにしても、この増え方はなんか異常だな」
その疑問にズバリ答えているのがこの本。
中国は2009年から「大外宣計画」を開始。
7000億円以上を費やし、中国共産党の政策の正当化と中国のイメージ向上を図ろうと画策!
そしてそれはアメリカだけでなく、全世界が対象になっている。
(アメリカ、香港、台湾、日本、オーストラリア、南米諸国、アフリカ諸国 etc…)
本は先ずはアメリカ → 香港 → 台湾とまわり、最後にアメリカに戻る構造。
先のタイムズスクエア、
<大スクリーンでえんえんと放送され続ける中国の広報映像
その放送されていた内容は、
「中国国家イメージ・ビデオ 人物編」180秒
「中国国家イメージ・ビデオ アングル編」
1時間に ×15回、1日に300回も放送されていた!
非常に詳しい(笑)
驚きの事実が次々と登場するので、列挙していきたい。
・「大外宣」の中核は、国家外文局。
累計43種の言語で13億近い書籍を出版。
・雑誌も発行 =「人民中国」
驚くべきことに、日本はこの出版事業のエース!
かつ独立して採算が取れている、世界でも極めて珍しいケース!
・新華社通信も当然「大外宣」の中核。
180もの支社・支局を駆使し、親北京的な情報を発信し続ける。
さらに金の威力で、メディア買収、貧困国家記者を「短期的餌付け」し、外国人を傭兵化。
・香港メディアも同様に買収・広告出稿の圧力他でじわじわと枷と鞭をはめられ自主規制化(汗)
メジャー系のメディアは一気に大衆の信頼を失う…
・当然、1国1制度を主張する台湾も同様。
印刷の根幹を本土が巧みに買収し、コントロールしようとする動きはかろうじて阻止された。
一方テレビ局は北京の資本を送込まれ、自主規制化し始め「歪曲報道」が目立つようになる…
どのメディア・国にも共通するのは、彼らが主張する以下の一文に体現される。
「中国民間資本は国家企業と違い、比較的スムーズに自由資本の体で海外のメディアに侵入できる」
そして終盤、当ブログも重要視し、米中関係の節目だと考えた内容が登場。
本では、以下の一節を取り上げている。
「北京はまさに、一種の全政府的手段を使い、政治、経済、軍事ツールを使って宣伝を
行っており、米国でその影響と利益を推進しているところだ。
中国も以前と比べてさらにさらに活発にそのパワーを用いて、米国の国内政策と政治に
影響を与え干渉しようとしている。
今日、中央政府は米国企業、映画プロダクション、大学、シンクタンク、学者、地方、州
連邦政府の官僚に対して、褒賞と脅迫を行なっている」
この本では上記ラスト2行の「褒賞と脅迫」を最終章で掘り下げつつ終了する。
一方この本の校了後、3つの大きな変化が発生した。
1. コロナ禍が世界を覆い中国が弁明を繰り返し、そのたびに 世界 が中国に失望。
2. 機敏な行動で国民を救った「台湾」に対するあらゆる方法での圧力外交。
3. 民主化を求める「香港」への圧力により弾圧。
この3つが本で記述されている、中国問題の本質を炙り出しつつある。
結論:コロナ禍・台湾への圧力外交・香港市民弾圧、の現在以前、中国が世界に仕掛てきたイメージ工作。