現在、新・ロスコルームの企画を実施している川村記念美術館が企画・監修した本。
(展示については、09-04-05 ,07 「マーク・ロスコ 瞑想する絵画」川村美術館 ロスコ・ルームで K.593に痺れる(1)(2)参照)
今回の展示内容から論文、ロスコ・チャペル(ヒューストン)の紹介などなど大充実の内容が 200ページ以上。
ここでは印象に残った部分を、絞っていくつかメモメモ!
ロスコ・チャペルのためのロスコの言葉
「限りないものと限りないもの、私はその両方を描きたかった」
ロスコ自身が自分の絵の材料として挙げているのが、何よりもまず「死」
それから「官能性」「緊張」「アイロニー」「機知と遊び心」「はかなさや偶然性」
そして最後に「希望」
わずかな光によってこそ、
絵は彼自身の前に、
そして私のような鑑賞者の前に、
その姿を現すのだということを、
そしてしばらく立っていると、まるで暗室で写真は現像されていくように絵が浮かび上がってくる。
それがロスコの望むところだったのです(ドリー・アシュトンとの対話)
他の画家の作品と並べられてはその気配さえかき消されてしまいますが、それだけ何点かまとまれば、同じ空間のなかで響き合い、あたかも音楽を奏でるかのような空気を震わせながら、一枚の絵では生み出し得ない「場」をつくり上げます(解説)
そう、それを実現したのが今回の展示なのだ!
(明るさだけは前述しているように気にはなるが)
最後にもうひとつ。
それはモーツァリアンなネタ。
展覧会の音声解説での息子のコメントによると、ロスコが1番好きだったのは、意外にもK.620 魔笛だったという。
ロスコがパパゲーノの歌を口ずさみながら絵を描いていたと思うだけで楽しい。
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