テレビ:NHK 未来への提言 ジェフリー・サックス 現在の世界環境下、貧困と闘う( 2009年04月27日当ブログアップ)で関心が高まり、この本を読むことにした。
彼が書いた500ページぎっしりの内容。
ということもあって、この夏の休みのタイミングに。
彼が唱える「臨床経済学」。
人間の体が、複雑なシステムで成り立っていてその複雑さゆえに、個別の診断の積み重ねで総合的に判断しなければならないことをまず例えて次に。
これと同様に、世界の「貧困の罠」を断つには、そういう「視点」が必要であると説く。
その根拠となるのが、彼自身の実体験。
147ページからその部分がスタートする。
が、ここをちょっと立ち読みしただけで、この「実体験」の迫力、凄みが伝わる。
まずは、
1.ボリビアのハイパーインフレーションへの対応(1980年代)を手伝うことになることから彼のキャリアは始まる。
次に、
2.「連帯」の民主化革命にかかわり、ポーランドがEUに復帰する手伝いを。
そして続いては、
3.同様に社会主義国だった「ソ連」が民主化し「ロシア」になる過程へ参加。
(ここである大きな闘いが待っていた)
4.さらには中国、インド....
と、20世紀後半の、世界の社会の最大の変化、を正しく導くべく立ち会い奮闘してきた人物なのだ。
これだけ次々と多くの「世界の難題」に取り組んできた人物が存在することに素直に驚かざるえない。
まさに「運命に突き動かされる」が如く、という表現が的確だろう。
そして、その各章で語られる経験に基づく理論展開に唸らされる。
本の後半では、現在取り組んでいる国連ミレニアム開発目標(2015年半減)達成に向けての闘い。
結果、非常に読み応えがあった(ふう...)
のでこの際とばかり、
次は続いて最近出版されたばかりの「地球全体を幸福にする経済学―過密化する世界とグローバル・ゴール」に手を出そうかなと思う!
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