シルク・ド・ソレイユから離脱した数名で創めたのが、シルク・エロワーズ。
今回はこのシルクエロワーズの「NOMADE」という演目をトロントで見てきました。
サーカス専用大型テントで展開するシルク・ド・ソレイユに対し、劇場での既存のステージを使用するシルク・エロワーズが明らかに不利でないかと考えていました。
ところが!既存劇場で行うメリットがあることに、見て初めて理解しました。
繰りひろげられる、数々のアクロバット演技。
このすごさが引き立つ効果もあったのです。
ステージのスケールを定規として、演技での高度、内容のすごさが伝わりやすいのです。
シルクのステージでは、テントが大きいゆえに、空中ブランコのようなダイナミックなものを除き、1人での演技はどうしても小さく見えがちです。
この一人一人が良く見えたのが、今回のエロワーズのステージでした。
こう見せる工夫もされていて、通常貼られる安全ネットの類はいっさいなく、トランポリンさえも出てきません(トランポリンとは違うそういう役をする道具は出てきましたが)
一方、ソレイユはどうでしょうか。
さまざまな機会に大型テントが必須であると主張して止みません。
また常演する企画については、施設を次々と大型化」することで、スケールアップを図ってきました。
その加速は「オー O 」の専用プール劇場あたりから加速してきたように思います。
その「オー O 」は「水」のスペクタクル、一方去年立ち上がった「KA」は「火」のスペクタクルだと言われています。
そしてつい最近立ち上がった最新の「レ・ルーブ」は、この2つの要素をかけ合せたショーとなっているそうです。
「水」の「オー O 」、「火」の「KA」。
スケール・アップすることで、巨大コングロマリッドを維持していく姿は、まさに企業化し止らなくなったシルク・ド・ソレイユの姿を象徴しているのではないでしょうか。
ずいぶん話しがそれましたが、いろんなことを考えさせられてしまった、シルクエロワーズの公演でした。
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