「マッチ工場の少女」「浮き雲」「過去のない男」「街のあかり」で定評のあるアキ・カウリスマキ監督。
その彼が、フランスの港町 ル・アーヴル Le Havre に生きる庶民を描いた人情ドラマ。
いつも通り、登場人物、場面、などの密度が濃く、一つのシーンだけで取ってみても、それは見事に「カウリスマキ」
「アーティスト」じゃないが、なんで犬が写ってるだけで感動しちゃうんだ?!というくらい(笑)
(あとで知ったが、監督の愛犬だそう。納得!)
話はそれなりに、不幸→ハッピーエンドに向かって話が進むのだが終盤、これまでにない展開が複数にわたって起こる。
それらをすんなり受け入れられない自分が。
鑑賞後数日たっても未だにそうなんだから、そうとうのインパクト(笑)
あまり世間ではそういうことになっていないらしく、その違和感をどうしたものか状態に陥っていた。
と思っていたら、昨日の日経新聞の評がその部分にふれていて多少救われた。
その映画評では、以下のように説明している。
<一見善意の力の勝利のようにも感じられる。しかし映画の筋だてとしてはかなりの無理がある。
<明らかに破綻をきたしているのだが、これはカウリスマキ監督による十分に意図された確信犯的な破調と捉えたい。
なるほど、そういう読み方もあるんだな、と。
ただ結論でいうと自分的には、もう少し編集を変えることで、その「違和感」は取り除けたんじゃないかと判断している。
確信犯的、というのまでの意図はなかったのではないかと。
「人情もの」は、かように微妙なさじ加減が必要なジャンルなのだ。
なのでこの作品については忘れることにして、すっぱりアタマを切り替え、すでに今から次作に期待(笑)
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