台湾気鋭の人材、オードリー・タンが語るデジタル。
オードリー・タンは転勤他で、幼稚園×3、小学校×6もの転校と、幼少の頃から稀有な経験を持つそう。
東京五輪での来日も中止せざる得なくなる中、台湾在住の著者が彼の考えをインタビューし一冊の本に。
読み始めると日本人の目鱗も落ちそうな、「目新しいフレーズ」が沢山あったので以下メモ。
・民主主義はこうじゃなきゃいけない、という「定型」の概念がありません
・私は、政府の国民に対する管理を可能な限り穏やかにしたいだけです
・デジタル情報があれば、あなたの意見を聞いた人は即座に自分の意見をあなたに伝えられる。
まだ選挙権のない若い人たちでも、アイデアを出すのは自由なのです
・デジタル行政は、決して私たちの方向性を変えるわけではありません。
政府も国民も同じ方向を向いていることを忘れてはなりません
・社会イノベーションとは、「みんなの問題は、みんなで助け合い解決する」ということです。
政府が現在どんな政策を進めているかに関係なく、ある人が良いアイデアを考えたら、
それを実行するだけでいいのです。誰かにお伺いを立てる必要もありません
・「公民参加」とは、政治が議題を設定し国民に広く意見やアイデアを提供してもらうことです。
反対に「社会イノベーション」とは民間でテーマを設定し政府が協力して完成させるものです。
政府は主体ではなく方向性をコントロールしてはならないのです
・前例や慣習に囚われ、限られた人たちで進めていたら、デジタル革命は間違いなく不可能でしょう
・手元にある情報を応用して、「標準的な答え」のない問題を抽象的なスキルで解決する能力を身につければ、必ず将来の価値になる
・前例や慣習に囚われ、限られた人たちで進めていたら、デジタル革命は間違いなく不可能でしょう
・いまの社会に生きる人たちというのは、缶詰のなかにいるようなものです。
(中略)
個人個人がみんな違うんですから、いわば誰もが“少数意見”なのです。
むしろ自分が少数意見の側だったら「自分は他の人が思いつかないような見方ができている」と思ってください。
それこそがその人の特色なのですから
という具合で、非常に刺激的な読書!
現在のコロナ禍対応をみても、疑問の念が高まらざる得ない今日この頃。
日本の閉塞状況を加速するような政策が連発されているように感じてならない...
そんな時に上記のような、「個人」と「政治」のあるべき距離をフラットに語る内容は貴重ではないか。
さらに先日のカルダーじゃないが、「アート」にまで言及していて驚いた!
・アートとは、既存の価値観に全く固執することなく、imspirationによって想像したものを可視化し他の人に見せることです
(中略)
仮に、サイエンスとテクノロジーしか学んでいなければ、学んだ内容は誰でもが同じになってしまいます。
つまり、標準的な答えを暗記しているだけであって、直線的な思考だけで問題解決しようとすることは、ほとんど不可能でしょう。
だから「アート思考」が重要なのです
「アートの意義」をこれだけスパッと語れるとは、これまた驚き!
結論:日本の閉塞状況を加速するようなコロナ禍政策の中、「個人」と「政治」の正しい距離をフラットに語る内容は大変に貴重。