日々 是 変化ナリ ~ DAYS OF STRUGGLE ~
このプラットフォーム上で思いついた企画を実行、仮説・検証を行う場。基本ロジック=整理・ソートすることで面白さが増大・拡大
 



先日、グランズウェルの共著者の新著「エンパワード」をお勧めとして取り上げた。
が、やはりグランズウェルの共著者であるシャーリーン・リーの新著であるこの本は,、さらにお勧めの本だった!
日本タイトルは「フェイスブック時代のオープン企業戦略」
だが、原著のタイトルが「OPEN LEADERSHIP」とあるように、あくまでもリーダーシップがこの本の中心。
ワタクシ流に言い換えると、「検索」から「ソーシャル・グラフ」(SNS)に移行した時代のリーダーシップ、ということだろうか。


「エンパワード」では、HERO(High Empowered and Resouceful Operative)大きな力を与えられ、臨機応変に行動できる社員の重要性を主張していた。
が、この本では彼らをバックアップするオープン・リーダーに焦点を当てる。

前にも書いたが、自分のテーマとして「コンプライアンス」vs「ソーシャルメディア」というのがある。
自論だが、もしソーシャルメディアに関しての活動の自由度を「性悪説」で締め付けすぎる、つまりオーバーコンプライアンスしてしまうと、その企業の成長にとって逆に「害」となるのでは、ということ。
組織力を超えたパワーを理解し、将来的に発揮できるための絶好の機会なのだから。
つまり企業としては、「性善説」で臨まなければイケナイ、と。


まさにここのツボを撞かれた気分。
いくつか、刺さった部分をご紹介したい。
p.28
「コントロールを手放すと、新しい関係ができる。(中略)そうすれば結果的にいくらかコントロールを取り戻すことができるからだ」

p.34
エクゼクティブの言い分は、こうだ。
「責任者は私だ。だから私は統率し、指揮し、命令しなければならない。
 もしそれをするなと言われたら、どうやって私は組織を運営し、目標を達成すればいいのか」
だがこのような問いを発するのは、そもそも間違っている。
「目標を達成するために必要な新しい関係を築くには、どうすれば良いのか」を問わなければならない。

p.174
誰かが何かをする助けになるのが良いルール、あとで十分修正可能な失敗を予防するだけなら悪いルール
(ネットフリックスのSNS向けガイドライン)

p.208
こうした背景から、リーダーシップは決定的な分岐にさしかかっていると言える。
ところが私が取材したエグゼグティブの多くには、まだその自覚がなく、危機的な局面や
重大な変革を手動する場面では強力なリーダーシップが不可欠だと主張していた。
情報も意思決定も手の内でコントロールする従来型の指揮統制スタイルから離れられないらしい。

だがそのスタイルをこれからも続けるつもりなら、僥倖に期待するほかないだろう。
オープンにする選択枝を考慮し評価したうえで戦略として排除するのなら、私としても何の文句もない。

私が懸念するのは、たくさんの価値をもたらしてくれるはずの顧客や社員と
建設的な新しい関係を結ぶチャンスがすごそこにあるのに、頭からそれを否定する姿勢である。
オーディエンスの声を聞いて学ぶチャンスは以前に比べて大幅に増え、しかもはるかに容易になっている。
そのことに気付いて欲しい。

p.266
あなたの会社では、リスクのとれる人、イノベーションに挑む人をどれほど大切にしているだろうか。
イノベーションが将来の成功に欠かせないような事業を営んでいるのであれば、リーダーは失敗に対して寛容か、
失敗を恐れず挑めるような信頼関係を育んできたか、厳しく自分を見つめることが必要だ。
企業文化には、リーダーの姿勢が如実に反映される。


面白かったのは、こうして「ソーシャル・グラフ」(SNS)時代を踏まえたリーダーシップ、を前提にしうつ、実は今21世紀の時代に必要なリーダーシップの本質に迫っているように感ぜられたこと。
また「ソーシャル・グラフ」(SNS)時代を踏まえた、オープンな対話の費用対効果、オープン効果を加味した顧客生涯価値の試算なども行っていて、興味が尽きない。
リーダーシップを考えようという人に、必読の1冊か。

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