ほそながい部屋

2008-01-28 20:10:54 | 進行中プロジェクト

先週は久々にカゼをひき、ゆっくりとした一週間を過ごしました。おかげでブログもサボり気味・・・。

080128

写真は現在建設中の「印西爽居」。2階にある子供部屋です。実はこの部屋、幅が畳の長手分しかありません。逆に奥行きは6メートル。細長い部屋です。実はこの寸法、かの巨匠ル・コルビュジエがフランス・マルセイユに設計した集合住宅「ユニテ・ダビタシオン」の個室にとてもよく似ています。

使い勝手と居心地の良さを検討ところ、結果的に「あれ、そういえばこのサイズは・・・」ということになったわけです。天井の高さや窓の位置などはまったく異なりますが、この印西爽居の天井は、屋根の勾配なりの「舟底天井」で、高いところで3メートルあります。家具の位置や、生活の所作を吟味して、窓の位置や大きさを決めました。美しい部屋になることと期待しています。現場に行くたびに楽しみにしている場所です。

一軒の住宅を、じっくりと手をかけて設計し、つくる。僕の好きな建築家Peter Zumthorによると、「 Gewisse Dinge brauchen ihre Zeit (ものごとは、それを成すのにそれなりの時間を要する)」のだそうです。あまり若いうちからエラそうにそんなことを言っていると怒られてしまいそうですが、それでも、やはりその通りなのだろうと思います。

時間がかかると言えば、「芸術には忍耐が必要だ」として35年来の構想が昨年実現しました。ドイツ・ケルンにできた美術館「kolumba」。第二次大戦で破壊された教会の廃墟やローマ時代の遺跡などを覆い、融合し、再生させた、時をかける建物。設計はPeter Zumthor。工事中の記録写真を見るだけでも、とにかく時間をかけ、考え抜かれ、忍耐づよくつくられた様子がよくわかります。・・・観たい。・・・遠い。

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