最近、ずっと聴いているCDがあります。
Eva Cassidy「Live At Blues Alley」。33歳という若さで癌で夭逝した女性ミュージシャンです。施主のOさんが「趣味の押しつけ」と笑いながら渡してくれた1枚。僕がリッキー・リー・ジョーンズが好きだと言ってたら、ちょっと退廃的なジャケットなんかも好みなんじゃない?と。いやあ、すっかり見抜かれてます(笑)。
カバー曲を中心としたライブアルバムで、原曲がジャジーにアレンジされているのもカッコイイし、ちょっとハスキーな声と歌いまわしが、直に心に触れてくる。そんなミュージシャンに久々に出会ったという感じ。
ライブアルバム特有の、即興的で自由な雰囲気を楽しみながら、現在設計中の住宅の模型を作ったりしています。ライブとは逆に、設計の仕事は、入念にじっくりと検討して、3歩進んで2歩下がる、といった遅々とした進行具合です。もちろん建築家のなかにも、即興的に描いたスケッチがとても魅力的、だとか、工事現場で、その瞬間のひらめきでデザインを変更したり、といった人もいるのだろうと思います。僕の場合はというと、うんうん唸りながら図面検討をし、現場ではデザイン変更することはあまりありません。即興的につくっていく才は無い・・・と自覚しています。だから、即興で曲をどんどんつくったと言われるモーツァルトというより、20年かけて1曲つくったブラームスのような曲の質を、自身の設計に求めたいと思います。もちろん、住宅設計に20年もかけるなんてあり得ませんが(笑)
夭逝歌手の、即興性のある才能と個性に憧れを感じながら、作り上げたこの模型。さて、じわりと味がでてくるものになっているだろうか。そんなことに思いを馳せたりもしています。
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