埼玉県川口市で住宅を設計中で、法令手続きのために川口駅周辺の庁舎を訪れました。その際に川口駅前の広場に立ち寄りました。なつかしい、小さなオブジェに会うために。
もう10年近く前になりますが、僕が独立して設計事務所を構え、さあ、仕事をはじめよう、でも何をしよう・・・というような状況のとき、ひょんなことからデザインコンペに応募することになりました。川口駅前の広場に、時計塔モニュメントをつくるので、そのデザイン案を募集するとのこと。まずはこのコンペを楽しんでやってみよう!ということで応募した案を採用していただき、現実につくられることになりました。自分の力ではじめて得た仕事。とても嬉しかったのを覚えています。
結果的にはいろいろな理由から、当初思い描いたカタチからはだいぶ離れて実現しましたが、鋳物を活かしたデザインはそのまま実現することができました。それからしばらくの間、なかなか訪れることがなかったのですが、ようやく「再会」することができました。
雨風にうたれ、塗装もはがれ気味ですが、その分、年季がはいった感じになっていました。かつての自分に出会うような、妙な感覚がありました。
さて、そんな思い出の街で進めている住宅は、大きな屋根のある家。ほとんどが平屋で一部が2階建てになっています。大きな屋根というよりも、深い軒のある家、と呼びたくなるような。そんな懐の深い雰囲気が出ればいいと思います。
敷地にあった大きなケヤキを使って、家のなかのあらゆる家具をオリジナルに作ります。そのメインは大きなダイニングテーブル。それらが格調高く感じられるような空間を、素材とプロポーションを吟味してつくりあげたいと思います。
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