深く沈み込むような、場所。

2016-02-20 18:01:38 | 陶芸家の家


紆余曲折を経ながら、長い時間をかけてつくりあげてきた「陶芸家の家」。いろいろなことを考えてつくった家ですが、そのなかでずっと頭の中にあったのは、陶芸家という仕事について。
原料となる土に体全体で向き合い、釉薬や焼成についての理論に向き合いながら作品をつくるというのは、本来的にはとても孤独な時間なのだろうと思います。
でもそれは、寂しいものではなく、制作上の微細な変化に耳を傾け、時に一喜一憂し、変化に富んだ日々なのではないかと思うのです。



1階の工房と、2階の住居を往復する日々。暮らすことと仕事をすることが同一であることを受け止める、ぐっと深く沈み込むような場所をつくりたいと思いながら設計に取り組んできました。
わくわくするようなエンターテイメントを家のなかにつくるのではなく、身近なものごとの微細な変化や情緒をじんわりと感じられるような場所をつくりたい。
テレビを観ながらリラックスできるような優和な雰囲気と、本棚の書籍の背表紙を眺めながら、陶芸について考える思索的な雰囲気が共存した空間をつくりたい。
長い時間をかけて、それらのイメージをゆっくりとあたためることができる仕事となりました。

その要となったのは、光、そして質感。



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陶芸家の家

2015-11-18 22:48:00 | 陶芸家の家

ひさしぶりのブログです。現在進行中の現場から。

陶芸家のアトリエ兼住宅の工事が進行しています。
生活の大半をこの家の中で過ごすからこそ、落ち着く居場所が必要です。
丸いかたちの天井。ゆったりとしたリビングの空間に、包まれたような安心感をもらたらしてくれます。
大工さんの工事も家具造作に入り、いよいよ大詰めです。
ラワン材でつくった大きな本棚には、陶芸の本や図録がびっしりと並ぶ予定。
背表紙を見ながら考えることが多いのは、僕自身にもよくわかります。


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