現存する5つの文明のうち、中国文明と日本文明が終わりました。
3. ヒンドゥー文明
・インド亜大陸には、少なくとも紀元前1500年頃から、一つ、またはそれ以上の文明が存在したと、広く認められている。
・それらは一般に、「インド文明」もしくは「ヒンドゥー文明」と言われ、最近の文明を指す場合は、ヒンドゥーと言う言葉が使われている。
・紀元前2000年以降、ヒンドゥー教はいろいろな形で亜大陸の文化の中心だった。ヒンドゥー教は近代以降も、ずっとその役割を担い続けてきたが、インド自体には、強固なイスラム社会や小さな文化的少数グループなどが、いくつも根を下ろしている。
・「中華文明」と同じように、「ヒンドゥー」という言葉も、文明の名称をその中核国家の名称と切り離すことができ、その文明に属する文化が、国を超えて広がっている場合には、適切な表現になる。
「中華文明」が、朝鮮やベトナムを含んでいるように、「ヒンドゥー文明」も、タイ、ミャンマー、カンボジア、チベット、スリランカ、ジャワを、含むという学者もいます。
ヒンドゥー教について、私が知っているのは、カースト制度と輪廻転生の教えと、多神教であるということだけです。インドには、かって沢山の王国があり、国民は、「ヒンドゥー」を信じる王様に支配されたり、「イスラム教」を信じる王様に統治されたりしていました。
またインドは、「仏教」の発祥の国でもあります。ここまで宗教が絡み合いますと、私はお手上げです。世界の国々は多様な姿をしていると、驚くしかありません。しかし他国から見れば多神教の日本が複雑で、理解できないとなるのかもしれません。お互い様と割り切って、先へ進みます。
4. イスラム文明
・主要な学者は皆、固有の「イスラム文明」の存在を認めている。西暦7世紀に、アラビア半島に端を発して、急速に北アフリカ、イベリア半島、さらには東の中央アジア、インド亜大陸、東南アジアへと、広がっていった。
・その結果、「イスラム文明」の中には、アラビア、トルコ、ペルシャ、マレーなど、数多くの異なる文化、すなわち「下位文明」が存在する。
イスラム教について私が知っているのは、偶像崇拝を禁止し、来世でなく現世の幸福を説く宗教だということ。あるいは女性に厳しく、私の感覚からするとほとんど人格を認めていない、不思議な教えだと言うことです。
女性は夫に逆らうことが認められず、浮気をすると処刑されます。一方夫は、複数の妻を持っても良いとされる、一夫多妻制です。女性に教育や学問は不要で、学校へ行くのも禁止、無断外出も禁止という、女性がんじがらめの宗教です。
日本にもイスラム寺院があり、イスラム教徒になっている人もいますから、私には不可解な教えとしか、言いようがありません。
5. 西欧文明
・「西欧文明」は普通西暦700年、ないし800年に現れたとされる。
・一般に学者たちは、そこに、「ヨーロッパ」、「北アメリカ」、「ラテンアメリカ」の、三つの主要な、構成要素があると見ている。
氏の説明によれば、現存する世界で一番古い文明は、「中華文明」と「ヒンドゥー文明」ということになります。その次が、「日本文明」、「イスラム文明」、「西欧文明」という順番です。
一番新しい文明である西欧文明に、あと四つの文明は、征服され、弾圧され、支配されてきたということになります。ハンチントン氏の意見は、勢いを失いつつある西欧が、今度は四つの文明の挑戦を受ける時が来たというものでないかと、そんな気がします。
特に中国とイスラム諸国が、敵意を剥き出しにし立ちはだかりつつあると、そんな意見なのでしょうか。先を読まないと断定できませんが、これから先の世界は、1対4で文明が衝突することになるから、対策を考えようと提案しているのでしょうか。
もしそうだとしたら、このような視点で語られる本に出会ったのは初めてです。日本をダメにしている、「反日・左翼」と「グローバリスト」の話は、暫くお預けとなります。
どんな本も、最後は必ず現在の私たちにつながります。どのようにつないでいくのかは、読書する人間次第です。賢い人間は賢く理解し、凡庸な者は凡庸な解釈をします。馬鹿な人間は、愚かな解釈をし、現在にに無縁な読書となります。
自分がどのタイプの人間であるのか、最後に分かります。( 恐ろしいことです。 )