ねこ庭の独り言

ちいさな猫庭で、風にそよぐ雑草の繰り言

活動している街と人々

2024-02-29 18:10:44 | 徒然の記

 印鑑証明書をもらいに、市役所の出張所まで行ってきました。風はありませんが寒々とした曇り空なので、マフラーと手袋を忘れずに厚着をし、ステッキを片手に出かけました。往きは1 時間に一本しかないバスに乗り、復路はモノレールを使いました。交通の便が良ければ、往復1時間で済む簡単な要件も、ステッキでの外出となると時間がかかります。去年だったかその前の年だったか、免許を返上したので車がなくなった私です。

 しかし楽しい外出でした。「ねこ庭」を見ながら終日パソコンに向かっている日々なので、バスやモノレールに乗り、移り変わる風景を眺めていると心が躍りました。

 昨年末から始まった水道管の補修工事が、道路を継ぎ剥ぎ状態にしながらまだ続いていました。交通を遮断しないように、片側ずつ工事をしていますから、時間がかかるのだと思います。雨の日も風の日もダンプカーとショベルカーが動き、ヘルメット姿の作業者たちが働いていました。交通整理をしているガードマンが、旗を振り、車や人に手で合図をしています。

 買い物帰りらしい男女が道を行き交い、道沿いのスーパーでは店員が出入りしていました。何でもない風景ですが、久しぶりに目にすると、まさに「活動している街と人々」です。後期高齢者と呼ばれ、今は年金暮らしに専念していますが、かっては自分も働く人間の仲間でした。

 宮沢賢治の詩のように、雨にも負けず風にも負けず、そんなことをものともせず頑張った人間の一人でした。活動している街で、働いている人たちを見ると、懐かしい気持ちになります。次の瞬間には、この人たちのお陰で自分の暮らしが成り立っていると、物忘れをする年になっていても、そこはちゃんと分かります。感謝をせずにおれなくなり、バスの中から頭を下げました。

 何をしているのかと訝る人がいたのかもしれませんが、年をとるというのは有難いことで、恥も外聞もなくなります。自分では元気に颯爽としているつもりでも、しらが頭とステッキをついた姿がそうさせるのか、皆さんが親切にしてくれます。バスに乗るときは年配のご婦人に、お先にどうぞと順番を譲られ、横断歩道に立っていると車が止まってくれました。

 市役所の出張所では、係の男性が丁寧に対応して、何かも代わりにしてくれました。有名人でもない普通の老人なのに、みんなが優しく対応してくれるのを見ていると、「日本は素晴らしい国ではないか」と思いました。

 反日左翼の人間たちは、いったいどこに住んで、日本のどこを見ているのかと文句の一つも言いたくなります。元気よく徒党を組み、日本のあちこちで騒いでいる彼らを軽蔑したくなったのは、いつものパターンでした。

 そうは言っても私の年金暮らしは、一部が彼らのおかげて支えられているのも事実です。年金制度には保守も左翼も区別なく参加していますから、軽蔑一辺倒では公正さが欠けます。本日の楽しい外出で得た結論は、次のようになりました。

 「反日左翼の人間も、年金制度に参加している限り悪人ではないと言える。」

 「彼や彼女らも私の年になったら、日本の有り難さに感謝する時が来る。」

 「年をとっても自分の国の素晴らしさに気がつけない人間は、救いようがない。」

 楽しい外出の思い出も、反日左翼の人間について考えると、結局こんな詰まらない結末になりました。

コメント (2)
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