3月10日にアップされた【ぼくらの国会 484回】の内容を紹介します。タイトルは〈 ニュースの尻尾「国営放送を作れ」〉です。メモを取るため動画を見ていますと、「小西文書」に言及しなくても、核心をついた説明をしていることが分かりました。以下、なるべく忠実に氏の説明を紹介します。
「高市議員が総務大臣の時、突然総務委員会への出席を求められました。」
「自民党の理事が来られ、刺激的な質問をドカンとしてくれと言われた。」
「手続きを踏んで、総務委員会の委員となり、会議に出席しました。」
年度が不明ですが、おそらく平成27年頃の話だと思います。委員会で、氏が総務大臣へしたドカンという質問は次です。
「国民の中には、政府がやっていることに関する客観的な放送を望んでいる者がいます。」
「今まで通り、政府を批判する民間放送はどんどんあって良いのですが、私が言っているのは、行政官である官僚や大臣が、政府としてはこうやっていると発表する国営放送のことです。」
公共放送としてのNHKがあるにもかかわらず、「国営放送」の必要性を大臣に提案しているところに、青山氏のNHK批判が含まれています。民間は自由気ままな放送をしても、NHKは客観報道をすべきという筋論が言外にあります。
「私の質問に対して、高市総務大臣の明確な答えはありませんでした。」
「委員会の後で大臣が近づいてこられ、中々答えにくかったわよと言われました。」
思い出話を述べた後で、現在の高市氏について語りました。
「今、高市行政・安保担当大臣が、いわゆる〈行政文書〉で苦しい日々を送られています。」
「3月8日に、参議院予算委員会が始まる直前に、私は藤川政人(まさひと)参議院議員の了承を得て、予算委員会の部屋に入りました。」
「高市さんが秘書官とSPと共に部屋に入って来られた時、私は〈大臣〉と声をかけました。」
「高市さんは私の顔を見て、なんとなく喜んでくれました。」
「これからも堂々と意見を述べられて、負けないでください。経済・安全保障面からも、本来の任務を貫いてくださいと言いました。」
「高市さんは、ほんらいの高市さんらしい笑顔を見せて、大臣席の方へ行かれました。」
40分間の動画の中で、高市氏に関する部分はこれだけで、後はまた思い出話になります。
「新藤義孝氏が総務大臣だった時、電話がありました。NHKの海外放送に関する審議会のメンバーにという話でした。」
氏が総務大臣だったのは、平成24年の安倍内閣の時です。
「進藤さんは、NHKの報道について、とくに海外放送について問題意識を持っておられました。」
「例えば、韓国の慰安婦問題の実情について、嘘ですよということを全然報道しない。それを変えるためには、審議会を作るしかない。」
「ということで、進藤さんの依頼で僕ともう一人の人がメンバーになりましたが、僕とその人を除くと、総務省が選んだ人たちはこの問題に無関心な人ばかりでした。」
「ところが会議に出席したのは僕だけで、もう一人の人は全く出席しませんでした。ですからその人の名前を言わないのです。」
「海外放送で慰安婦問題について述べるのなら、慰安婦は韓国人より日本人の方が圧倒的に多かったとか、軍の関与はなかったとか、それを伝えるのがNHKの使命でしょう。」
「他の審議員の意見は、海外放送を分かりやすくするため外国語の字幕を入れましょうとか、もっと面白くするためアニメをいれようというものばかりでした。」
省庁の主催する審議会は、メンバーの選定時から結論が見えているというのは、既に多くの人が知っていますが、青山氏の説明にやはりそうだったかと思いました。
「総務省が中韓報告書をまとめ、私のところに持ってきましたが、その中に僕の発言が書かれていませんでした。」
そこで氏は、総務省の役人にこの点を指摘します。
「皆さんは会議の間、メモを取っていましたよね。私の発言を入れてください。私の発言を省かないでくださいと、強く言うと、ハイ分かりましたとなりました。」
「報告書」の話はここで終わりですが、この「報告書」というのが、話題になっている「行政文書(公文書)」になります。氏は具体的に説明していませんが、官庁の作成文書のいい加減さをヒントとして伝えています。
「その後この審議会は、進藤さんが大臣を交代すると無くなってしまいました。」
気に入らない大臣が来た時、官僚たちがどのような対応をするのか語られています。NHKに厳しい高市氏は、進藤大臣と似た扱いをされ、いいかげんな「公文書」を知らぬ間に作成されました。誰が文書を書いたのか、立民の小西氏へ誰がリークしたのか言及しませんが、こんな文書で高市氏が責められるはずがないと、これが氏の結論です。
なぜ氏は、これをいつものように明確な言葉で視聴者である国民に伝えないのか。
最初は私も疑問でしたが、ブログの情報を検討しますと、答えが自ずから出てきました。
「私のところには、反対意見だけでなく、誹謗中傷暴言が山のように寄せられます。全部目を通しますが、披露しません。」
私も「ねこ庭」に寄せられる誹謗中傷暴言について氏と似た扱いをしています。披露する価値もないので、読んで無視します。つまり「小西文書」も小西氏の国会質問も、披露する価値も無いから無視したら良いと、これも氏のヒントです。
間接的な動画でしたが、事情を知る者には、高市氏を支援する強い発信と理解できます。「青山氏の結論」がハッキリしましたので、次は「ねこ庭」の結論ということとし、次回で終了します。