経済評論家として著名な人で、端正な風貌をした氏はマスコミによく登場する。
経済について門外漢なので、何となく氏の説に今日までうなづいてきた。しかし、5月24日の千葉日報に掲載された氏の意見を読んで失望した。
「政治の向こうに見える荒野」「今再びの暗い時代へ」
記事のタイトルがこれで、氏の意見はこうだった。
・戦争の恐ろしさを知らず、命を失うことのこわさを知らない政治家たちの、勇ましい言動に怒りが抑えられない。
氏は自民党の保守政治家を、「戦争を知らない軍国少年」と蔑称する。名前は挙げていないが、安倍総理を筆頭に憲法改正を言う保守政治家をさしているのは言うまでもなかった。
・急旋回する政治状況への無念が、胸にうずく
とも語っている。
氏はこれまで、「協同、参加、共生」を原理とした共生社会を提唱して来た人物だった。「市場原理絶対主義」に対する意見として賛成して来たが、今日の記事を読んで、私と違う歴史観と国への思いを持っているのが分かった。
氏の意見に従えば、「秘密保護法」の制定や「集団的自衛権の行使」に賛成する私は、日本の暗い未来を招く人間ということになる。
けれども私は、氏に問いたい。
・貴方は昨今の中国の動きを、何と捉えておられるのか。
「丸裸の国を攻めてくる者はいない」と、貴方も村山富市氏のような意見を持っているのだろうか。軍備費を大きく膨らませ、日本ばかりでなくベトナムやフィリピンと力ずくで争っている無謀な中国については、何も言わないのか。
・安倍総理が、自ら中国を挑発し争いの元を作っている。
中国政府の主張とそっくりの意見に、私は疑問を抱く。
総理のすることに私は何でも賛成していないが、少なくとも国際関係については譲れないものがある。どうやら氏の主張の根底には、
「誤った戦争をした軍国主義の日本」
「侵略戦争をした憎むべき日本」
という基本があるらしい。要するに氏もまた、「自虐史観」と呼ばれる「東京裁判史観」を持つ人物と理解した。
「日本の首都を焼き尽くしてみせる」
「戦争になったら二三日で降伏させる」
こんな脅しをいうを国の将軍に、氏は「軍国少年」と言わないのか。
氏に限らず日本を悪し様に語る人々には、日本と中国を語る時「ダブルスタンダード」があるようで、中国と日本の理解に激しい差がある。
戦争を恐れ戦争を避けたいから、「日本国憲法」を改正して、国の防衛をしようというのが私の意見だ。氏が心配する「秘密保護法」、「集団的自衛権」、「他国を攻撃する軍隊」を、世界中の国が持っている普通のものだ。氏はなぜ、日本が普通の国になるのことだけに反対し憎悪するのだろう。
「平和憲法のためなら、国民は殺戮されても仕方が無い」
という意見を、私は決して受け入れない。
氏の意見、私は大江健三郎氏に似た危険さを感じる。自分の国の歴史や伝統を否定する意見、そんな愛国心の無い意見に賛成しないからと言って、「危険な右翼」、「戦争をやりたがる」と、よくもそんなレッテルが貼れると考えずにおれない。
わが家の猫の死だけでも胸が痛む日々だが、それでも生きている限り、私は新聞も読み本も読むから、黙っておれなくなる。
「無念が胸に疼く」のは貴方だけでなく、私も同じなのです。
なんでこんな国を愛せないインテリたちが、なんでこんなに沢山、日本にはいるのだろう。
言いたいことが沢山あるが、どうせ氏には届かない。今日のところはここで終わる。