さて、革靴なんて、一足ありゃあいいでしょうに、というのは正論です。
バリエーションなんかいらねえから、そこそこのものを求めて、それで満足しておけば良い。八重洲地下街のクツ屋で売ってるアレで十分でしょうに。だいいち、帰宅した瞬間にクツ脱ぐわけだし、
まったく賢いスタイルです。ヤエスの地下街で売られている靴なんて特に硬いからね。履いた瞬間にいつ脱げるのか、と考えたくなる訳ですから、ムリもございません。
けれど、ここで語るのはJohn Lobbの、それもバイリクエストモデルのお話。まあ、個人の好みに合わせたクツ、というよりも嗜好品(wのおはなしなので、ご了解ください。あしからず。
ところで、衣服や持ち物に自分を語らせる、ということではなく、持っているもの、身につけているものに、図らずも持ち主の人となりが出てしまう。そういうことはあるはずです。
使っているペン一本が人物を語ってしまう場合もあるし、預けた上着一着で、飛行機のファーストクラスにアップグレードされた、あつかいが変わった、などという逸話も数え切れない。腕時計だって、そう。語りだしたらきりがない。
人間同士がすれ違う時、その一瞬に使われる判断材料はそう多くはないのです。
全身ユニクロ。これもまたスタイル(オレかい)。良し悪しはともかく、私が出ちゃってるわけ。
そんなこと、気にしたことがねえ。服装にこだわるなんて、ガラぢゃねえ。オレはかあちゃんに任せてあるんだから、とうそぶいてみたところで、かあちゃんのセンスを抜群だと評価して信頼している、その人のスタイルが語られているのです。目に見えるだけにこれはキビシー世界ですよっ!
なかでも靴を履かない日はないわけで、そこにも持ち主が表現されてしまっている場合が多いのです。
あまり認識されていませんけれど、履いているクツってのは、全体のスタイルの決め手になっています(きつぱり)。端的に言って、ヒジョーに目立つ存在。
スーツにスニーカー、だとか、ジャージにジョンロブだ、とか想像してみると簡単に理解できるでしょう?足元の比率は全身に対して、かなり高いわけです。
なにを着ているのかにもよるのですが、場合によっては80%を超えることもザラ。Tシャツ+短パン+スニーカーだったら、サワヤカ男子にみえても、スニーカーの代わりにヤエスだったら(爆)と考えると、合点が行くでしょう?
なかなか興味深いことです。
靴の場合には、崩す要素は非常に少なく、形としてはすでに完成されてしまっております。オサレだなんだ、という以前に、押さえどころがきっちり決まってしまっている。というのが私の個人的な意見です(きつぱり)。
というわけで、ジョンロブロンドン(ナゼそこへ行っちゃうのか)。
この円高最高潮の折にミゴトにバイリクエスト開催、ってのはまさに僥倖であると判断せざるを得ない。
ロンドンに通うようになってからはまだほんの3年ですけれど、いくら狙ってもこうはいかないものです。そう、初回のロンドン詣での折には、帰国の翌日にバイリクエスト、それもロンドン店で開催ですもんね(とほひめ)。チクショー、てなもんですよ。
初回の渡英時の円ポンドレートは180円(クレジット決済実績)。空港の銀行での両替では200円だ〜、と言われて、のけぞってしまい、その場で物欲がすっからかんに消え失せたのも、今となっては思い出でございます(爆)。
で、今朝のレートでは130円(!)大まかに言って、ジョンロブのプレステージクラスで7万円ほどの差額が生まれることになります。
というわけで、飽きもせず、内羽根のオクスフォードを中心に選定。ようは、好きなんですよ。
前回は、代表モデルのcity2。
飾り気のないシンプルな意匠が魅力の古典ですね。ミガキ抜いた木型=7000に載せられているこの2型は、まさに「やらと」の黒砂糖ようかん(爆)。つまり、すでに古典で、評価も確立していて、売れまくっているのに、アップデードを怠らない。そういうのはとりあえず、買って味わっておけ、というわけっす。
すでに履きこみすぎて、かかとゴム交換目前でございます。ほとんど毎日履いてるし。
服との相性が抜群で、ネイビーやタンのチノーズから、ネイビースーツ、グレースーツとも組み合わせオッケイ。ユニクロルックでも、コーディネイト次第で浮いたりしない(ほんとうかよ)。
レッドミュージアムカーフは、派手な色なのかと思いきや、そこは英国プロダクツです。輪郭の際立ったバーガンディなのだ、と捉えると、履き回しが効く重宝な色です。
ジョンロブのバーガンディ系ではプラム、というバイリクエスト色が人気ですが、スパイスを効かせたい場合にはこちらも捨てがたいです。
3月のバイリクエストでは、Sauntonという内羽根のオックスフォードをindigo suedeというブルー系のスエードで注文してあるのですが、この路線をたどって、とこっとん遊び靴でいくか、と考えております。
スエードだと、手入れを気にしなくて良いし、劣化も目に見えにくい。なにより、はき心地が柔らかくて、ソールをゴムにした場合には、まさにスニーカーに迫るフィット感が得られます。
Sauntonはゴムソールで発注済みなので、ほとんど雨靴ですね。
画像はSounton。ダークブラウンスエードのバイリクエストモデル。
John Lobb の味わいどころは、各種カーフのツヤ感にあり、てのはよく存じておるのですが、そのあたりはそろそろ卒業(爆)。ここ30年、散々磨きたおしてまいりましたので、今後はこのような徹底的に「使える」遊び靴が欲しいところです。
ここ一番の勝負靴なんてえのは、実は買ってもCP悪すぎなので、手を出さないことにいたしました。
先日買った、chapel のgold lizardは、間違ってもスーツなどには合わせられない靴ですけれど、カジュアルには相性抜群なおかげで、履くチャンスが非常に多く、高価な一足のわりに、CPは非常によいです。
こちらももうすぐかかと修理するか、という段階。まだ、ほんの数ヶ月なのにね。頻繁な出動ぶりがわかるでしょう?
リザードやクロコダイルなどの爬虫類系は、常にスペシャルオーダー扱いとなり、バイリクエスト期間でもそうでなくても、30%のサーチャージがかかることがないのが特徴です。
つまり年中通して、定価なのですが、現状ではプレステージラインのリザードが£2900とのことです。
さすがのお値段ですが、数年後のEU離脱の瞬間に、対ポンドレート2桁台突入、などという前代未聞の事態も「期待」できるだけに(爆)、まんざらジョーダンでもございません(完全意味明瞭)。わたしゃ、きっちり狙いますよ!
ううむ、まさに履き道楽のタノシミ。ゼータクなんてえもんぢゃないけどね(汗)。
以下次号。