嗚呼、オーベルジュへの道

長野県佐久市にあるホテル「おいまつえん」CEO兼こづかいさん(爆)の日常

スーツ2017 CPに溺れたままスタイルのアップデートをおこなう 

2017-09-24 09:29:33 | 今日の逸品

画像は、パリのフォーブルサントノレからヴァンドームに向かう角にあるCHARVET。周辺があまりにも華やかなので、これでも比較的地味な構え。つい通り過ぎそうになるくらいです。

顧客リストに各国宰相が名を連ねるという名店ですが、シャツやネクタイという比較的入りやすい価格帯なラインナップなこともあり、非セレブや似非セレブも出入りしているので有名(爆)。かくいう私もニホンバシ三越のお店には足繁く通っておりますた。が、買わないまま(なんだよ)。

今冬のパリでも表敬訪問だというわけで、ほんの10分ほど寄らせていただきましたけれど、ネクタイ眺めただけ(不本意)。

シャツ関連売り場には恐れ多くて近寄れない、というのが本当のところです。中華、用ないし(爆)。

が、本命のオーダーメイドシャツともなれば、やはり着道楽の極み。

服飾好き、万人のアコガレには違いありませんけれど、個人的には年に数回しか出動しない(ドレス)シャツにそんな大枚叩けないというのがありまして、縁遠いままです。どこまでもファストファッションの民ですのう(自嘲ぎみ)。

注文シャツの良さは、ここまで数枚、体験してまいりましたけれど、そりゃあいい。けれどシャツてのは価格に関係なく、どこまでいっても消耗品。

新しめなものほど清々しい、というのがシャツ原則なので、ほんの3年ほどでどんどん捨てざるを得ない、というのが実態です。ここ価格に関係なし(涙)。

加えて、ここ数年でジャケットのシルエットが劇的に変わり、見頃やアームホールが極細に仕立てられてしまった関係で、過去のコレクション、全てパー。損失総額、300万円は超えているでしょう。

エレガントである、と考えられていたスタイルがことごとく陳腐化してしまい、全くどうしたものか、といって悩んでいたのですが、時流に合わせたスタイルをリーズナブルに(安く)買って、浮かないようにしていればそれで良い、と割り切るのが賢いのでわないか、と結論が出まして、私も動きました。

2年で陳腐化する服に大枚叩いても、詮無い。バブルの頃、こだわりまくった私の服選びも、近頃随分と変わりますた。ファーストファッションの影響はもちろんありますけれど、クラシック志向といいつつ、ブレまくりな志向も関係しているか(爆)。

けれど、この場合のブレはある程度必要で、いつまでも過去のスタイルを引きずっているわけにはゆかないのです。というのがロンドン詣でや、最新のイギリス映画、さらにニュース番組などを仔細に観察する中で感じ取った結論。

ジェームズボンドがトムフォードのパツパツスーツをくるぶし出して着てるってんですから、推して知るべし。

たとえば、このスーツ。ことしの春先のセールで買ったものですけれど、オランダ制作の型紙にイタリア製生地を使って、中華で仕立てたSUITSUPPLY製。破綻なく今風(爆)。定価でも4万円後半(!)で売られていますけれど、そこはかとない高級感すら醸しております。

これを買った店のお向かいにあるGeeves & Hawksで同様のスーツを一着、ともなればその10倍は固いところです。

できる限りライン生産のマシンメイドとして、手仕事を極力省いて小売価格を抑えてあるのがミソですが、なことシロートにはわからない(爆)。

外見だけ取り繕って今風のスタイルを外見上構築しただけの、なんちゃってエレガンスなわけですが、傍目にわからない。じつは着心地よく、動きやすいのでモンク言えません。よく練られた型紙の勝利です。あと、吊るしにフィットする私の体型もあるか(爆)。そのためのトレーニングだし。

まったく笑っちゃうくらい今のスタイルに翻弄されて服選びをおこなった結果ですけれど、長年の手持ちアイテムに引きずられて周囲から浮くのよりはキモチがよいわけね。

クラシックな外観のスーツを巧妙にリフォームしてアップデートって手法もありますが、これはむしろ逆効果。パンツのシルエットだけいじってみても、ジャケットの着丈がいじれない関係で、総体として判断されるスーツのシルエットとしては完全にアウト〜!!

アームホールまでちゃんといじらないとムリ。せっかくのそれ自体で美しいクラシックスーツをドブに捨てる羽目となった上に、非常におマヌケな仕立てとなって、周辺からはさらに浮く(経験いたしました)。その費用でSUITSUPPLY軽く2着いけちゃう、というわけっすね。

他にも、

このスタイルも検討中。これ、SUITSUPPLYの今期ものですが、これで価格50000円切り。ブラウンのガンクラブチェックにストレッチ入りですから、ビジネスでは論外ですけど、応用範囲広し。

ロンドンには3店舗あって、すでに顔なじみ(エバれねーし)ですが、店舗の立地がまた強気。もろにSaville Rowの入り口とCityのど真ん中だってんですから、今のロンドナー達も狙い撃ちされて、撃墜されているのです。

こんなの似非スーツだっ、というのも簡単ですけど、じつにロンドンでも主流はこっち。サヴィルロウに出入りする顧客だって、体型さえなんとかなりゃあ、グラグラくると思いますよ。

他にも、全世界の名だたるビジネス街の中心に出店して斬り込んでいるあたり、よほどの自信がおありだとお見受けいたしますた。おもにCPか?

画像でも分かる通り、ビジネス一辺倒ではなく、遊び着としてのスーツの提案もなされているあたりにこの新興ブランドの鍵がありそうですけれど、この冬もお店に訪問して、空気を探ってくるといたしましょう。って、本当ならば、あと20mも進んでSaville Rowでドカーンと、(以下自粛)。んま、一生ムリでしょうがね、ざんね〜ん!

さて、話題を冒頭のシャツに戻しましょう。

ユニクロで最近展開中のこのセミオーダー。シャツでは裄丈をいじれるのが特長ですが、丈をいじっても2990円+1500円で入手が可能。これは大きい。シャルべが一枚5万円弱なのを考えますと、比較自体無理ですが、同じシャツには違いありませんから、すごいCP。また、シャルべにいっても、私のような標準体型では、

そもそもオーダーは勧められずに吊るしのラインからの選択がせいぜいですから、もろに競合。ま、比較にもならないけどね。

生地の選択範囲などはまだまだですけれど、そもそもユニクロなので必要ない。生地選びたいんなら、デパートの8F紳士服売り場へどうぞ、というわけです。

とまあ、こういうわけで今後もファストファッションに埋もれつつ、自分なりのエレガンスを追求する所存でございます。

安物買いの銭失い、を絵に描いたような始末でまったくお恥ずかしい限りですけれど、アップデートに主眼を置く限り、知っててやる銭失いはある意味賢い。そうやって、追いついてゆくしかない。クラシックスタイルはおろか、そいつをはるかに通り越して、サーティーズスタイルまで走ちゃった、この私です。クラシックの良さはも

ちろん理解して敬意を払っているつもりですが、クラシックそのものにこうやってコロコロ変わられたんでは、スーツ、ひいては服飾への投資など意味が薄れます。ノームコアの台頭もうなずける。スーツもまたファッションですけど、私にはせいぜいこの辺りが落としどころな気がする昨今。

 

 


履き道楽2017 コレクション完成? John Lobb 2010 By Request

2017-09-14 10:52:07 | 履き道楽

ズガーン!! 画像は今となってはなつかしいJohn Lobb 2010。

今年1月のパリ詣でのあと、帰国早々にオークションで売り払ってしまった(涙)一足でございます。その気になって、それ専用のワックスを使ってみがいてやれば、エナメル並みにテカっちゃうjohn lobb 謹製のミスティカーフをあえてマットに仕上げてあるのがミソ。

木型7000のEワイズではベストフィットが得られず、Dワイズにシフトするキャンペーンのなか(まっこと厄介ですなあ〜)、ええいままよ、とキヨミズジャンプを敢行してしまった、ハナの「おパリ」でのハズかしくも懐かしいおもひでが瞼をよぎります(爆)。

あんときゃー、降って湧いたようなバイリクエスト騒ぎで、昼ごはんにかっ喰らったメドックのブルジョワ級のお助けもあり(爆)ほんの1時間ほどでバイリクエスト注文、それもイヤーモデルのリメイク(=買い直し)というまことにハードルの高いお買い物を決めることができたのですた。

いま思い出してもハラハラしますけれど、靴の実物を拝むまではハラハラがおさまりませんて。

極上のミスティカーフに、歴代イヤーモデルの中でも最もシンプルな意匠をまとったモデルです。今でこそ各メーカーから定番としてリリースされているダブルバックルですが、そのオリジナルはジョンロブであるとされている関係で、このブランドのダブルバックルには曰くが必ずつきます。

イヤーモデルにダブルバックル、というだけでもものすごいコーフン度なのに、そいつをあろうことかビミョーな色違いで発注、というあたりに「ダンディズム(=自己満と読んでください)」を見出した(出しちゃった)、というわけでございます。

こうして言いふらしたりなどせずに、ひたすらわかる人にだけ分かればよい、というのが英国流アンダーステイトメント。それこそがカッコ良い、というものでしょうけれど、なにこんな時代でございます。

情報共有もまた美徳。ジマンしたいだけともいいますがね(爆)。

実際のお色は

こんなタッチ。これはハワイの正規販売店、leather and soulのHPからお借りした画像。現行phillip 2のものですが、ブラック主体にネイビーのニュアンス、という雰囲気。john lobb ではこれをdeep blueと表現するわけです(ちびりそうになる)。

つい昨日、メールがありまして、ようやく完成してサンジェルマンの店で預かっているから、取りに来なさいというわけでございます。注文からはじつに9ヶ月。さすがにイヤーモデル、随分とかかったものです。

決済はまだ円高の香りが残っていた今年の1月に済ませておりますから、デタックスを考慮しますと、日本国内向け定価からはおそらく10万円以上は安く手に入る予定でして、パリへの旅費や食費、ロンドンに持ち帰ってしこたま飲んだブルゴーニュやメドックの代金を全部はたいてもまだお得(そういう計算かよ)。

ユーロスターは、予約が早ければ早いほど安く乗れますから、早速、旅程を組んだのはいうまでもございません。ということで、今年もロンドンに本拠を置いて、パリ詣でをいたすことに決定いたしますた!

本当は逆のパターン、つまりパリ本拠でロンドン詣でというのも楽しいかな、と思ったのですがフラ語がネック。言いたいことをスパッと伝えられないのはストレスになるなあ、と考えて、この方面ではひたすら居心地の良いロンドン本拠となりました。

ハァ〜、そわそわ(爆)。


山の緑に埋もれに出かけてみる

2017-09-13 20:48:29 | 987ボクスター・ドライビングマニュアル

すでに9月もなかば。

標高によっては、そろそろ山の木々も緑から黒、やがては赤や黄色にという頃ですけれど、緑がまだ拝めるうちに出向いておこう、と考えまして、今日は山に分け入ってみますた。

ボクスターで山道に出向く、ということになれば3のアクセルオンで抜けるRが欲しいところなのですが、本州にはそうそうない(爆)。思い立ったのが10時過ぎで、夕方までには帰着しないといけなかったのですが、今日は平日。

一本道でペースを保てないので有名なR158という、岐阜県境に近いルートを辿ってみました。目的地は上高地のちょいと手前、乗鞍の中腹に位置する白骨温泉っす。

泉質は申し分ないし、立地も素晴らしいのですが、冬場のアクセスは難あり。日本一の山岳地帯のど真ん中であると言っても良い位置関係ですから、今のうちに出向いて味わっておこうというわけです。

このお風呂はお世話になっている温泉ブログでの評価が殊の外高かったので、期待しておりましたがまったく期待通り。

ドアドア2時間でこのお風呂に浸かれてしまうのですから、信州は良いところでございます。

山はドイツのような黒い森に変容しつつありました。

所々で紅葉の気配なども感じられて、極上のドライブ。今日はペースカーも少なく、比較的快適でしたけれど、やはり昼間はドライブというよりもただのガマン大会ですなあ(一部意味明瞭)。

よきかな、秋の信州。そろそろ湯治の計画も立てたいところですが、一応目的地は九州にきめますた。

例によって長湯温泉をベースに別府、湯布院、九重、玖珠、阿蘇界隈の名湯をめぐる旅っす。

 


shiftのコーティング経過観察

2017-09-09 08:58:15 | 

画像はB子さん近影。

走行距離4万半ばを超えてゼッコーチョー。毎日の酷使にもめげず、調子が変わらない、のではなく調子を上げてゆくあたりがすごい!

クルマのボディは大まかにいって新らしいほど大切にされます。

買った直後ほど大事にされて、ビカビカ。必要もないのに、引っ張り出しては洗いまくったキヲク、誰にでもございますって(自嘲ぎみ)。が、3、4年が過ぎる頃から忘れがちになって(爆)、5年もすると次のモデルが気になる、というのが世の常ではないでしょうか。

私は、そんな煩悩とは無縁に生きておりますから(本当かい)B子さんをねぎらう意味で、つい2ヶ月ほど前にshiftのコーティングを奢ったのですが、経過を報告してみましょう。

shiftは東京のコーティング屋。

施工ももちろん請け負うのですが、基本コースで10万円オーバー。どちらかといえばDIYを推奨しているお店です。オリジナルの液剤から、洗車ツールまでを独自の理論に基づいて開発しておいて、それらをセット販売。

方法については動画サイトで詳細に解説しながら、おもに価格帯で購買層を選定して一定の結果を出す(出させる)、というわけです。

極端に高価なわけでもないが、それでも興味のない層には高額すぎてひびかない。プロ施工とのバッティングも起きちゃう価格レベル。じつにこの設定が絶妙でして、飛び込むユーザーはまあ大抵が洗車マニヤである、ということになってしまうあたりがキモです。

つまりユーザー側にも一定のレベルが保たれるわけ。練りに練った、高品質プロダクトを腕ジマンのマニヤさんに使わせるのですから、評判は自ずと高いものになります。ここがブランディングというやつでしょうか。

シャンプーからはじまって、洗い用のツール、さらには拭き上げ用の布までトータルに決められているので、じつは失敗しようがないのですが、それなりに時間もかかるし、シロートには環境によって結構ハードルが高い作業かもな、という印象です。

セット販売されているメインのコーティング剤はこれ。B子さんクラスの中型のボディ1回の施工で、だいたいビン半分使いますから、重ね塗りを行う場合には1台で使い切りです。

仕上がりは漆塗りに近い絶妙な光沢。膜厚感というのでしょうか、クリアー層をひとつ塗り重ねたような厚みのある仕上がりがステップさえ踏んでおけば、確実に得られます。

と、ここまでは市販のガラスコーティングと変わらないのですが、

画像の、メンテナンス剤がshiftの真骨頂。

主コーティングは短くても1年にいちど施しておけば十分なはずで、それの維持に使うのがメンテナンス剤です。これを洗車するたびに使っているうちに、ボディ表面に明らかな変化が現れます。

ギョーカイで言うところの防汚性能というやつですが、とにかく水はじきがすごくて、汚れがつきにくい。

高速道路でワイパー最速の雨の中を走っている時に、300m程度の短めのトンネルに突入すると、抜ける頃にはボディが完全乾燥している、とそれくらいのスピードで撥水いたします。

B子さんの塗装はお世辞にも上物とは言えない代物ですけれど、まあ伝統(爆)。ビートルなんですからね。初代からそうだった。それがポルシェ並みの仕上がりになります(爆)。というか、そのように見えます。梨地というのでしょうか、そいつが埋まって、周辺の風景の写り込みが細密になるのです。

洗車好きな方でしたらお分かりでしょうが、クリアーの表面のキメが細かくなったかのような仕上がり。 

とめておくと、よくキレーにしてますね。といわれて歯がゆいのですが、キレーにしているのではなく、汚れないように処理した結果です。

というわけで、shiftおすすめ。ですが、このような状態にまで持ってゆくのに時間がかかるのが難点といやあ難点でしょうか。

最近のヒットはこれ(爆)。携帯型の洗車用圧力ポンプっす。駐車場に水道栓がない場合に強い味方になるわけですが、私の場合には水栓までほんの30mほどを移動させる手間を嫌ってついアマゾンで買ってしまいますた。なんと1500円(のけぞる)。

30mを洗車のためだけに移動する、ってのがネックなんすよ。ちまちまエンジンをかけたくない、というね。

容量5リットルで、手動で圧力をかけるごくシンプルなものですが、洗車には十分な性能を持っていると思います。冬場には特に重宝と思われます。

 ところで画像はB子さんのボディの特徴がよくわかるショット。なんと、リアシート直上にルーフの最高点がきています。ううむ、今まで気がつきませんですた。

リリース当初は、VWのデザイン基調は水平ラインで、かのデシルヴァ様監修のもと、全モデルにそいつが落とし込まれていたわけですが、6年経ってリリースされたマイナーチェンジモデルではサイドはともかく、細部がビミョーにいじられて水平基調が破綻しています。

ううむ、どうしちゃったんだろう?シンプルを旨とする、という初代リリース当時の御大のコメントには納得していたのですがいったいコレわなに?頑張りすぎの○f-impみたい、と(爆)。

販売のテコ入れ、ってのは理解できるのですが、元祖ビートルの頃のモデルイヤーごとの進化、のようなドイツ車らしさも今は昔というものでせうか。