さて、気がつけば8月。
もうね、毎日よく眠れて仕方がない(爆)。
と申しますのも、年内一番ではないか、と思われる肉体労働のおかげ。お客様の出入りが激しく、非常に慌ただしいのがこの季節の特徴なのですが、そんなときにはぽっかりと時間が空くこともございます。とはいえ、夕方までのほんの数時間(汗)。
それでも、チャーンスとばかりに、ボクスター様でお出かけでございますよ。
これは、もちろんキブン転換の意味もありますけれど、製造からそろそろ4年経過か、というボクスターのタイアのコンディションを確かめるためでもあるのです。
実は、タイア、ってえのは動かしていないとどんどん劣化するものです。
温度を上げて、パワーを加えて回転させて、力をさまざまに加えてやってナンボ。乗らずに置いておくだけでは、日々劣化してしまって、山を残したままあっというまにお亡くなりになります。
この期限が、まあざっと3年。それ以降の「病んだタイヤ」は、分類上「わっか」の扱いとなってしまいます。
これ本当。
ホイールの大径化からくる、タイアのロープロファイル化は、ことロードカーにあっては百害あってなんとやら。もうちょっと路面の現実を見たほうが良いと思うんですがねえ。ちなみに17インチの55、50をはいたうちのボクスターで30万。現行のボクスターでは40万円以上。これが、911クラスではゆうに50を超えると
いうから簡単にヤレてもらっても困る(爆)。
え?17インチのパイロットスポーツ2がそんなに高いはずはない、って?
はい、高いですよね。
が、安いタイアってのはその名前の通り、クヲリティも安いタイアなんですよ(きつぱり)。同一プロダクトでも、流通ルートのほうにこだわらないと、かえって高いものにつく、というね(一部謎)。
とにかく、タイアだけは「安く」買ってはなりません、これ絶対。
タイアの賞味期限は「製造から」3年まで!けして、「装着から」ではないことを、お互いに肝に銘じませう(w
というわけで、タイアがきっちり劣化しつつある(汗)うちの僕ちゃんに乗って、おおよそ500kmのドライブに出かけてまいりました。それも、朝夕に仕事を控えてのことですから、ノンビリというわけにわゆかないのが自営業のツライところっす。
タイアの劣化ってなによ、と訊かれれば、冷間時の感触がなかなか、温感時の感触になってゆかない、という症状で看て取ることができます。ダメではないんですが、美味しいところが終わっている、とね。
痛感できるのは雨の日の水たまりなど。ステアリングやお尻を通して、泳ぐような感触が出るようになって、それと知れます。
長野県北部の県境、飯田までは高速道路。そこからは日本海岸に向けて、いくつかの山岳道路があるのですが、新潟県の道路の仕立てはゼータクです。除雪を意識している関係で、道幅が非常に広いあたりも効いているのでしょう。
雪国なので、路面が傷んでいるのではないか、というのは走ったことのないシロートの推測でして、じっさいには長野県などとは比較にならないほどの良い路面状態の、極上ワインディングがあまたあります。
交通量が絶無にちかい、というのも素晴らしい。
わたし程度の速度域では、ほぼDレンジのまま登り下りともに対応可能で、こちとらTIP-Sのペダル操作はできているつもりなのですが、ブレーキングなんてまだまだ。アクセルワークだって奥が深い。2ペダル、とはいっても、それなりに加減があってヒジョーに面白いものです。
このTIP-Sの仕上がりも、一昔前のただのトルコンATとしては例外的にスポーティ。
たしか90年の964カレラ2(私、まさにこのモデルのカブリオレMTに乗っていました)に搭載されてから、この08年のボクスター、997まで使われたATミッションですが、さすがにその制御ロジックは凄まじく、踏み方次第でいかようにも、というのはいつかお話しいたしましょう(爆)。
私ごときのウデですと、シフトのたびに反省を繰り返さなければならないMT(爆)とちがい、非常に満足度が高いです。
美味しいコーナーが連続する区間ではノブを左側に倒す、MTモウドを駆使しますけれど、新潟県特有のRがでかいワインディングでは下りの4速縛りを課して転がしますと、本当に快感。
あっというまに日本海岸に抜けてしまうので、また違うルートで山中に分け入り、さらにまた同じことを繰り返すありさま。それくらい、気持ちがよい。
ううむ、おそるべしボクスターのポテンシャル。
こんなことを書きますと、さぞかしランボーなドライビングをしているのだろうな、と想像されるかもしれませんが、決してそうではありません。速度はほぼ制限速度近辺のまま、道なりに流しているだけ。
ボクスターの楽しみは、適度に重い車重に対する、ほどほどのパワーとトルクのバランスにつきます。
これらからくる大きめのアクセル開度。つまり遅いわけ。
さらに、つねに屋根あきなのにくわえて、絶妙の排気音とエンジン音がきこえて来るうえに、程よくしなる(アルミ使いとは違って跳ねない)ボディの組み合わせからくる露天風呂をイメージさせてくださるようなのどかさがウリ。
けして、速いとか鋭いとかそういうことではない。この速すぎず、遅すぎず、てのをポルシェで、ていうのがまた良いわけです。
意外なほどフレンドリーな印象、てのはこういうところからきているのだと思われます。このあたり、じつにNDロードスターのコンセプトとかなりかぶるわけで、中古の981ボクスターと、新車のNDの比較などという、信じられないような記事を見かけましたけれど、お値段だけはバッティングしてくるんですよね〜。
んま、NDも981ボクスターも日本のこの路上で楽しむのにはおそらくベストチョイス。
私としましても、当然ながら高価で速すぎる911などには、いつまでたってもゆけないわけで(実弾不足とも言います)