嗚呼、オーベルジュへの道

長野県佐久市にあるホテル「おいまつえん」CEO兼こづかいさん(爆)の日常

履き道楽2024 PARABOOT REIMS

2024-06-23 08:53:24 | 履き道楽

どーん、新たなるコレクション!ワシントン条約そこのけw、ビフォーコンプライやんす(爆)バージョン!

イマドキの店頭では、気後れして手を出せないってか、すでに店頭在庫はとっくに枯渇。中古市場にしかほぼ存在しないバージョン。はっきりいってキワモノっすね。

今度はアザラシバージョン。じつはこちらもデッドストックでして、正直な出品者さんは購入当時の値札やレシートまでつけてくださいました。International Gallery Beamsコラボもので、画像ではブラックに見えておりますが、じつは明るめのネイビーブルーです。

購入価格を上回るお値段での取引となったのですが、ここは買う側の理解、というものです。プレ値というやつですがデッドストックでこのスペックとなればまあトーゼンというのが私の解釈っす。僕が売主だったとしたら、きっとそうするな、と考えたわけです。

本当はミンクのバージョンも欲しいのですが、市場には一足もございません。ので、今後もリサーチいたしましょう(ばか)。たぶん、ですがこれから冬に向けてかなりの確率で中古市場に出てくると睨んでおります。

サイズは表記で6.5。ミカエルが40でしたから、ほぼ同等サイズでケリがつきましたとさw。コラボもののサイジングはインラインのそれとは別物である、という説があるのですが、これに関しては通常サイズ選定でおけーでした。

適度な余裕がありながら、しっかり踵がついてきて、これだとコンビニどころぢゃねえわ、散歩にも行けちゃうし、と思い、しばらく歩いてみたのですが独特のラバーソールのしなりがクセになる履き心地が最高っすw。

風評通り、疲れにくそうなクッション性能ですぜ。

アザラシは水辺の生物ですから、撥水性を補いつつ、雨の日の靴といたしましょう。ううむ、なんともゼータクw。って、これ、どうみても冬靴。夏の靴とはいえないか(爆)。

ところで、前記事で話題にした履き口の広さ問題ですが、このREIMSは

現代的な大きさです。上の画像の右端は80年代のpolo ralph laurenのクロコダイル。つま革というのでしょうか甲にかぶさるアッパーの長さが真ん中のJM WESTONの半分程度なのに注目。

80年代にはこの長さが短かれば短いほどエレガントだと言われていたのです。ルームシューズの流れ、というかデザインがローファーに落とし込まれていて興味深いです。歩行ではなく移動用なわけっすね。足を小さく見せるデザインで、現代のコンセプトとは逆なのに注目。

そこで見るとREIMSは現代的な大きさで、甲のホールド性も比較的しっかり目に確保されているのがみて取れます。ゴツいビーフロール周辺の造りも見どころか?

というわけで、久々のクツネタでございました。去年の暮あたりから始まったパラブーツ祭りはこれにて一件落着w。

当ホテルは、実は忙しさのピーク。画像のテラスを新設したり、水回りの修理があったり、300万円超の駐車場の地盤工事やったり(脱力)。4月からここまで、私、1日もお休みがないんですよ。このまま9月まで突っ走らないとならない、という中でこのパラブーツの癒される履き心地は助かります。

ああ、どこか行きたいっす〜(心の叫び)。

 

 

 

 

 


履き道楽2024 ローファーのサイズ感

2024-06-22 08:43:46 | 履き道楽

靴の世界の魅力をローファーで知った、という方も多いのではないでしょうか?私もそうです。画像は、40年履いてるリーガル。当時、八重洲にあったリーガルの半端モノだけを取り扱う専門店で9800円で買った個体です。ガラスレザーのかわいがり甲斐のない仕上げだったのですが、

こいつにワックスを塗りたくってコードバンのように磨き上げてはw一張羅のネイビーブレザーなどに合わせて粋がっていたものです(赤面)。というか、服装の基本は今も変わってねえっすw。

コードバンのローファーも有名なオールデンのウイスキー色に始まり、各色、各コラボ、各ラスト全て試して、長年所有しましたけれど、取り扱いが難しく、カーフのように簡単にツヤ感が得にくかったり、経年変化でみにくいシワが目立つのが自分には合いませんでした。

5年も履けば、全体にくったりとしてしまって、やれた印象が漂います。30年経ってもシャキッとしているカーフとは異次元の素材です。

現在ではとんでもない価格で取引されているようですが、ゼータク品と割り切れば良いのでしょうか?

このリーガルはガラス塗装も割れてきているし、モカ割れと呼ぶ合わせ目が裂けてきちゃってるので靴としては限界なのですが、要補修箇所はなく、スタンバイ体制。GHバスのモロコピーだと揶揄されたモデルですけど、お気に入り。というわけで仕舞い込んであります。

私の自慢は靴を一足も捨てたことがないこと。そりゃスニーカーなどは2年に一度総入れ替えをして捨ててますけど、レザーシューズは馴染んじゃう関係で捨てられないですねえ。馴染む前に売り払ったのは数知れませんけど(爆)。

ガラスレザーもあれば、爬虫類系もある。よりドレッシーなルームシューズのコレクションも一時たまりかけたのですがw、置いておく場所もなくw、やめてしまいますたw。

これまでのグランドトータルでローファー系だけでも30足ほどは経験してきたのでわないでしょうか?そういえば、ドライビングシューズ系も数足あるのですが、いずれにも共通しているのは「歩行に向かない」という事実w。

さよう、ローファーを初めて買ってもらった頃、おそらく高校生あたりだったでしょうけれど、履き口が広いあまり、歩行のたびにパコパコして困った経験ありませんか?なので、小さめのやつに買い換えて、痛い思いをしたり厚手の靴下履いたりw。

レザーシューズが窮屈である、というイメージはここで作られます。ローファーを歩行用と捉えて、タイトなサイズ選びを行なった結果です。

この辺りでレザーシューの硬さや扱いに辟易してスニーカーに走ってしまうと、良し悪しではありませんが、そこが分岐点となります。制服にスニーカーを合わせる習慣ですね。

私、ここで踏ん張りまして、父が履き古したレザーの3アイレットをもらい受けて、そいつを履いて登校しておりました。、毎朝の靴磨きも日課w。毎日履いたので、踵だけ換えても5年ほどで履けなくなってしまいました。当時、オールソールのお金がなかったんですよねえ〜。

当時16歳でしたけど、この頃にレザーシューズの楽しみ方を知った気がいたします。この頃にもっとベンキョーしておけば、違う人生がひらけたでしょうに、ねえ〜w。

ローファーの基本はこれです。スリッパと同様な「室内ばき」であると理解すればサイズ、モデルその他の選定が見えてきます。これに気がついたのがつい数年前(爆)。ローファーを歩行用と考えなくなった時点ですばらしい履き物であると納得がいったのです。

歩行用ではありませんから、ギリギリに攻めたフィッティングではダメで、可能ならばドライビングシューズのようなイメージのサイズ選定が理想です。ブカブカってんでは論外ですが。

歩いても室内やご近所がせいぜい。庭先かパーキングエリア内、コンビニまでの移動、くらいのものでしたらどんなサイズでも許容範囲であるということができます。踵さえホールドされていればよい、のでしたら気が楽でしょう?

というわけで、パラブーツランスです。

ヒモの締め付けがないぶん、ミカエルよりもさらに難易度高し、となりそうですが、上記のようなコンセプトでサイズ選定を行えばよいのです。そもそもこの分厚くて硬いゴムソールで長距離歩行する自体がムリですってw。

というわけで詳細次号。

 

 


PARABOOT MICHAEL EDITION LIMITEE

2024-06-22 08:14:18 | 履き道楽

どーん!一足目w。ミンクのファー使いのエディションです。デッドストックでしたけど、手入れだけはされていた模様で、コンディションもよかった〜。デッドストックは事実だったようで、ゴムソールはパリパリですw。

なんとジョンロブの7D(!)や、ニューバランス、JMウエストンなどを愛用中の出品者様でして、そのあたりからコメント欄で盛り上がってしまい、もちろんサイズもドンズバ、おまけに多額の値引きまでしていただいたお買い物となったのでしたw。

靴のフィッティングというのは、たとえ今回のように同ラスト同一サイズを履いていたとしてもフィッティングに対しての好みというのがある関係で一概に断定はできないビミョーな世界ですが、靴に表記されているサイズってのはあくまで目安です。その目安としてこれ以上のケースがあるでしょうか?

ついでにパラブーツの他のモデルのサイズ感なども詳細に教えていただき、買い物以上の価値のある取り引きとなったのでした。メルカリの醍醐味ですね。

ううむ、素晴らしいです。

ミカエルとくればこれでしょう、といって長年アコガレていたので一晩枕元に置きました(うそ)。すれ違った瞬間に吹き出しそうになるユーモラスな外観が一番の特徴ですね。猫のコーヒーもクンクン匂い嗅いでますw。

履き心地は本当に独特。歩き方にちょっと工夫をすると靴全体が吸い付くように歩行についてきます。分厚いゴムソールがまったくしならないので、ソールに沿った歩行をするように工夫するとうまくゆきます。

これ、なんと4万円台で手に入れましたので、10万円近辺の予算を覚悟していた私としてはwもう一足いっとくことにいたしました(沼か)。

今回の出品者様からの情報によれば同じサイズ感でほぼいけるはず、というPARABOOT REIMSが次の標的です。いわゆるローファータイプなので、サイズ感もさらにシビアですが今回のMICHAELの笑っちゃうような素晴らしい履き心地とフィット感になぜか自信のようなものを感じてしまうのでした。

さらに次号へw。


履き道楽2024 パラブーツの門をたたく

2024-06-18 10:21:32 | 履き道楽

ところでみなさまw、ジョンロブのコスパはビミョーです(爆)。ここへきて究極のベーシックモデル=CITY2 でゆうに20万円越え。イヤーモデルは40をうかがう勢い。お値段面は置いといても、私のケースで年間の出動回数を勘案いたしますと、とてもぢゃないが辻褄が合いません。

ムリして履いたらいいぢゃないか、と思われるかもしれませんけれど、「ジョンロブはスーツに合わせる靴です」からまあ限定的っす。ていうか、スーツ着ないしw。コロナ以降は特にそう。ジャケパンでもモデルにもよるけどギリギリですし、ジーンズやチノパンなどはそもそもムリです。

もちろんモデル次第ですけれど、どちらかといえばシャープな印象の細身のパンツに合わせたい印象なのが多いです。主要木型の7000と8000ではシェイプとバランスがシャープ過ぎて靴のみが尖ってしまうんですよね。

だからと言ってコスパで買うブランドでもないので無問題ですし、持ってるだけで自己満全開(爆)。近年とみに顕著な、背後にエルメスありきの値付けには引きまくりですが、こうなるのを見越してここ10年のあいだに買いたいモデルはぜーんぶ買っちゃいました(爆)。

コロ助騒動以降、スーツやジャケットの出番が絶滅。服装のテイストもパンツを中心に変わりました〜。年中普段着で結構な感じ。ここらで普段ばきのラインナップを充実させたいところです。

地味ながら、服装ありきで選択したのが今回のコレです。脱ぎ履きを気にせずに使えるモデルで、履き心地よく疲れないモデル。シリーズ中もっともサイズ選びが難しいといわれるMICHAELとREIMSに焦点を絞ってここ半年の間、検索しまくりましたw。

この記事は今頃書いてますけど、これがだいたい今年の1月ごろに始まったお話なんです。ミカエルは

これね。どこかできっと見たことがあるでしょう?チロリアンと呼ばれるアレっす。たったの2アイレットの締め付けで分厚いゴム底を曲げて歩かなきゃならない関係で、靴としてそもそもバランスが悪い。

のっけからアレですけど、フィットしない足形もあるし、フィットには甲の高さがシビアに関係してきます。

踵部分の高さも絶妙に高くて、足入れの瞬間から当たって痛い人は必ずいます。さらに登山靴由来ですから、全体に大きめに作られているとくれば、排他的なハードルの高さですぜw。ヒールカップが動いて靴づれが起きちゃうのが容易に想像できますね〜w。

人気があって、アイコニックなモデルなだけに、飛びつきやすいのですが、このようにレーセイに分析しますと、試着以前にすでに履く人を選んでおられる高貴なモデルといえるでしょうw。見た目と裏腹っすねw。

しかもこのモデル、他のモデルのサイズが全て英国表記なくせに、これだけヨーロッパ表記。日本市場だけの特徴ですが、もう一段ハードルが高い印象っすw。

靴自体は15年前に買う気満々で試着してあるので、上記のここまでのハードルはすべてクリア。15年前のサイズそのままで調べ上げるのですが、私が欲しいのはスタンダードモデルではなく、例によってスペシャルモデル(キタ)。

2000年代初頭のワシントン条約で制限されたアザラシやミンクなどのファーを使ったモデルですよ!ということわ、ビームスやユナイテッドアローズコラボのアレです。当時、雑誌によく載ってましたっけw?

予想通り、市場からは個体は絶滅気味。

あっても法外な高値、と思いきや、メルカリってのはプライス面、それなりにシビアでして全体的には個人出品ベースなので若干高めなのは否めないとしても、高いままだといつまで経っても売れ残るし、買い手からの値引き要請も必ず来るのでそれなりの相場がモデルごとに形成されているのが特徴です。

長年、自分のモノを売ったり買ったり、眺めているとそのあたりがつかめて参りますw。さまざまな検索条件を設定しておいてアミにかかるのを待つこと6ヶ月(ヒマか)。

ほぼ毎週、新着もあるのですが、そのたびサイズ違いだったり、色違いだったり、廃棄向けだったりwで6ヶ月。条約発効から20年。こりゃすでに遅かったか、と諦めそうになった頃、ようやく出て参りました!!デッドストックがぁ〜

詳細次号。

 

 


履き道楽2024 まちにまったPARABOOTの門をひらく

2024-06-17 21:09:41 | 履き道楽

みなさま、お元気でお過ごしのことと存じますw。私も元気、ですが公私共にお疲れ気味でしたのでwここらで心機一転、あたらしい履き物の世界を開拓してやろうぢゃないか、というわけでフランスのパラブーツの門を叩いてみました(それかい)。

パラブーツはいまさらではございますがw創業100年を越える老舗。一貫してゴム底の作業靴を中心に作り続けてきたブランドですけれど、いわゆるドレス靴とは一線を画しており、どちらかといえば気取らない普段使いのフツーな靴ブランドです。

私もこれまで店頭で見かけるたびに試着だけはしてまいりましたけれど、何故かご縁がなく、レザーシューズではもっぱらジョンロブを中心に買い漁ってまいりました(あほ)。おもに木型との出合いが作用したものです。

パラブーツはこれまでに何度となく古着屋の店頭で見かけたり、パリのサンジェルマンの店にもお邪魔して試着したりもいたしましたが、ふうん、とおもいはするものの、分厚いゴムソールやノルヴェジアンと呼ぶ製法からくる全体にゴツくて重い印象の一足にはいまひとつピンと来なかったのは事実です。

おもにファッションとの兼ね合いだったと思いますが、そのファッションがコロナ以降、劇的に変化してきたのを機にだんだん気になってきたのがパラブーツさまですw。おもにパンツのシルエットの影響です。

ここ10年くらいはひたすら細身よりのテイパードだったものがここへきてズドンと男らしくストレート寄りのテイパード化されて、手元に残っていた80年代からの膨大なストックがリバイバル可能になったのは大きいです。

ボリュームのあるパンツにはスマートな靴よりもボリュームのある無骨系がやはりバランスが良いのでは、となるのでその辺りの兼ね合いでパラブーツのようなキャラがアリなのかも、となるわけ。

タダーシ、恐れながらもサイトをのぞいてみますと、正規店小売定価は各モデルともにいつの間にやら10万円弱(!!)。僕がセレクト屋やデパートで試着していた頃には高いものでも4万円がせいぜいでしたから、ウッソーってなもんですw。

というわけで、こんなときにはやはり⭕️ルカリですねw。

自社製、が自慢の各種ソールです。ゴムのブレンドから行なってこのバリエーション。諸先輩方によれば歩きやすさと減りにくさでは世界一ではないか、という意見もあり、数年後が楽しみですが、過去に何度か試着してあるとはいえ、そんなの今は昔。15年も前の話です。

サイズ感をあらためて確認しておくためには店に出向かないと、と考えてスケジュールを見てみるのですが、5月のGW明けから9月末までwびっしりと予定が組まれています(涙)。このベストシーズンに1日もお休みがないというのは、気が遠くなりそうになりますが、考えてみれば例年通りですw。

好きでやってるので無問題か、と。

メルカリでは、個人出品者のこれまでの出品リストを「忍耐強く」眺めているとファッションの傾向はもちろん、大まかなサイズ感も知ることができます。モデルごとに買い増したり売り払ったりしているパラブーツの出品者とくれば、それらはさらに限定的wで確度の高いものになります。

高確率でスニーカーや英国靴の木型などが私の知ってるそれらとバッティングするケースがあって非常に便利。そういう中からパラブーツの各モデルのサイズ感や出品者さんの足のクセwを調べ上げてゆく作業は、とてつもなく時間がかかるものの、ヒジョーに楽しい作業です。

この人、甲高なのにこのモデル売り払って、こっち買ったけどすぐ売り払ってるわ、とかねw。余計な発見もあって、必要もないものを買う羽目になったりもいたしますが(あほか)そいつもまた楽しからずやw。

また、パラブーツ各モデルのフィッティングは非常に難易度が高く、モデルの木型と購入者の足型の組み合わせ次第では買わない方が吉、というケースすらあります。そこをネタにしたYouTubeも無数にあって退屈いたしませんw。

私の場合は大まかなサイズ感とモデルごとのフィッティングはおぼろげながらわかっているし、本当に欲しいモデルは3つか4つw。あとはモデルごとに無数に存在するバリエーションによる違いに気をつければ、不見転でもなんとかいけるのではないか、考えております。

この場合、ショップ別注などというやつが厄介で、このような限定モデルのほとんどは木型が一緒で同一サイズであってもフィッティングがビミョーに違うケースがあるとのこと。メルカリ狙いだとここだけはギャンブルなわけねw。

出品者さんとのコミュニケーション頼み、ということもできます。

ううむ、楽しみです。って試着したいよう〜

詳細次号。

 

 


履き道楽2024 ミョーなCITYがやってきた

2024-06-03 07:19:21 | 履き道楽

どーん、久々のジョンロブねたでございますw。とはいえ、私のコレクションではございません。センパイのAさんからの依頼で、履きおろすにあたって、お手入れを頼みたい、ということで手元にやってきた個体です。

このタグを見て、ピーんときた方はかなりなマニヤですねw。そう、ラストの番号が8695となっております。つまり現行モデルのCITY2ではなく、CITY1のオマージュ。再制作されたバイリクエストか、という想像は正しいです。

正確には三越別注モデル(!)。どうりで

ストイックなはずのCITYが、愛嬌たっぷりな仕立てになってるぢゃありませんかw。ソールに着色してある個体は私もはじめて見ました。ベルルッティぢゃあるまいしw。

おまけにネイビーミュージアムカーフで作られておりまして、全体に洒落のめした、洒脱な雰囲気が漂っております。ラスト8695は現行CITYに使われている7000に比べると若干ボリューミーで抑揚が強く、印象に残る木型です。7000はひたすらスマートで都会的な印象。クールといって良いか。

7000が登場する以前はジョドファーにも使われていましたけれど、やはりぽってりとした印象でした。ポールスミスコラボにも使われた木型でしたっけ?

ネイビーカラーのミュージアムカーフはご覧のように屋内ではブラックにしか見えず、これを礼装用として使うアイディアですが、そこも秀逸。ハイライトが当たった瞬間にミュージアムカーフに特有のムラ感が浮き出る様はなんともいえない色気が漂います。

さて、履きおろす前にお手入れするだなんてミョーだ、と思われる方も多いかと思いますが、靴の身になって考えてみますと必要な理由がよくわかります。

例外はあるものの、店頭で売られている革靴というのは、製造からは少なくとも3ヶ月、ものによっては2、30年経っているものもあります。そのかん水分、油分の補給がされていたかどうかは未知数。

原則、箱の中やショーケースの中にいて、革そのものはカチカチの板みたいな状態になっているのが普通です。

そいつをいきなり履いて歩いたのでは当然ダメージが大きく、場合によっては割れたり、裂けたりというのが現実に起きます。そうならないよう、油分と水分をあらかじめ補っておくのがこの工程です。今ではプレメンテだなどという言葉がありますけど、こんなのジョーシキ。

私、40年前からやってますけどw。トクイチオートでいう新車整備っすねw(わかんねーし)。

今回のこの個体も表面に艶出しのワックスは塗ってあったものの、靴の内装や外側は触るとカチカチ。やはり保管期間が長かった様子でしたので、見栄えだけのワックスを落としたのちに、指で大量のオイルを含ませるやり方で攻めておきました。

大まかにいって1週間。一度塗ったら、完全に乾くまで放置、というのがオイル塗りの原則ですから、トータルで6回程度塗り込んだでしょうか、そのかん随分と靴が柔らかくしなるように変化してきています。

使ったウエポンはこれ。ブートブラック、リッチモイスチャーw。洗面台に置いとくと、顔に塗りそうになるくらいな上質オイルですがw、こいつを新品のCITYに塗り込むのは、靴好きにとりましては至福のひとときというものです(爆)。

というわけで、間違いのない仕上がり。ワックスは一切使わずにオイルのみでCITYのミゴトな造形が際立つようなツヤとしました。モーニングでもいけるし、ダーク系スーツでもブレザーでもおけー。

ううむ、虎屋のおもかげというものっす(またいってら)。