だらだら日記goo編

写真付きで日記や趣味を書くならgooブログ

みなさんを見習いたい

2008-07-10 23:13:06 | ブログ

今日の東京新聞に「更新ブログ二割未満」という記事が載っている。

国内のブログのうち月一回以上の更新のあるブログは20%に満たなかったという記事だ。

多くの人は「訪問者が少ない」「更新が面倒」という理由で書き込みをやめてしまうケースが多いという。

ここは美術ブログだがここからリンクしている皆さんのブログを拝見すると、Takさん、桂田さん、いづつやさん、国見さん、遊行さん、はろるどさん―以上順不同ー皆さん毎日更新されており驚く、しかも内容が濃い!

僕なんかは気が向いたら更新する、展覧会を観ても胸に響くものがなければ更新しない。

しかし考えると秋葉原の無差別殺人の人は「ネットで無視した人を見返そう」と思ったそうだ。

しかしながらこれほどブログが乱立し、自分勝手な自己主張が氾濫すると、よほど高尚なる自己主張を展開しないと無視されて当たり前と思える、その点を秋葉原犯罪者はわかっていない。

このブログは写真も載せずにただただ文字だけの自己主張だが訪問者もかなりいることも事実、自分で高尚とは思っていないがこれからも自分のペースで続けていきたい。


素朴という才能

2008-07-06 22:22:13 | アート・文化

先週はアウトサイダーアートをみたが今週はナイーヴアートだ。

損保ジャパンの「アンドレ・ボーシャンとグランマ・モーゼス」に行ってきた。

カタログがカタログというより小冊子なので作品理解には音声ガイドを勧める。

まずボーシャンだ、1873に生まれて苗木栽培を仕事にしていたが41歳で海軍に従軍、測量図の出来栄えを褒められて絵画の道に進み、なんとディアギレフのバレエ・リュスの舞台装置の仕事まで上り詰める!

何とも栄誉なことだが当然わけがあり、あのル・コルビュジェに評価されて、ディアギレフに紹介したのもコルビュジェた゛ったという。

彼の作品は大きく二つの分野に分けられる。

ひとつはギリシア神話の世界、もう一つは花で、これは彼が苗木栽培をしていたから当たり前だ。

ギリシア神話にひかれたのは海兵隊でギリシアにわたり本物の世界を見たからだという。

そういえば「芸術家たちの聖母」という作品は伝統的なキリスト教の聖母子像とはあまりに異なり、理想化されていない聖母、ギリシアのミューズに近いとも言われる。

素朴派の絵の特徴として遠近法を無視して細部の表現にこだわることがあげられるが花の絵ではそれが成功し、花の一枚一枚を丹念にえがきこんでいる。

一方のグランマ・モーゼスはここの美術館の所蔵からすべて出ている。

はじめは趣味で刺繍絵をやっていたがリウマチで針仕事が困難になり絵画に転じる。

彼女は零下25,30度という寒さの中でスケートをやった楽しみやメープルシロップつくりをした農家の風物詩を思い出して描く。

そこには何気ないありふれた農家の幸福がある。

「古い樫のつるべ」という作品も何点かある。

これはサミュエル・ウッドワースの詩にメロディを付けてアメリカで大人気になったフォークソングだそうだがその題材となった井戸が彼女が17歳の時に働いていたケンブリッジの家にありそれを思い出して描いていたのであろう。

肩のこらない展示で誰にでも楽しめる、素朴というのも一つの才能だ。

グランマの作品が特別展に出てしまったので常設では山口華楊が出ていた、この美術館はこんなものまで持っていたとは。


古典もいいぞ

2008-07-05 22:33:03 | アート・文化

なんでも特別出品だそうだ、ベラスケスの「薔薇色の衣装のマルガリータ王女」

なぜベラスケスがこの絵を描いたかはキチンと会場に説明が気がある。

スペインとオーストリアはハブスブルグ家でつながっており、スペイン国王フェリペ四世の娘マルガリータもウィーンの皇帝レオポルド一世と縁組み、まあ政略結婚ですな、でマルガリータの姿をウィーンに描いて送ったのだという。

当時まだ三歳のあどけないマルガリータが政略結婚というのも物悲しい。

ハプスブルク家のコレクションを有するウィーン美術史美術館から「静物画の秘密展」が国立新美術館に来ている、東京新聞の主催。

もともと静物画は17Cのオランダフランドル地方で成立したという。

はじめは聖書の場面と一緒に描かれていた市場の図や台所の図、そこから静物だけを描くようになったという。

当時は食卓の図は大人気だったという、であるからヘーダという人の「朝食図」は数少ない色数であっさり描かれている、たくさんの注文をさばくために短時間で仕上げるためとか。

作品29「果物のある静物」は静物が画面いっぱいに描かれて余白が見られない、一種の「空間恐怖」とか、こんなのもはやったのか。

ブリューゲルの「青い花瓶の花束」は圧巻だ、開花時期の異なる花が花瓶にいっぱいに咲き誇っている!

つまりはあり得ない構図なのだが一つ一つの花は丁寧に描かれている。

作品番号64、ヘーラルト・ダウ「医師」も面白い。

妊娠しているかを調べるために「尿検査」をしている怪しげな医師ー医者への風刺だ。

そのほか「花のロペス」と呼ばれたガスパレ・ロペスの作品は美しく、花神フローラを描いた作品もよい。

この展覧会は会場コラムが充実しており、たとえばオランダから五点の油彩画が1726年に来日、ファン・ロイエンの作で石川兄弟と谷文晁が模写したとか。

古典絵画の味わいを楽しめる展覧会だった。

内覧会の模様はこちらでどうぞ。

http://www.art-inn.jp/tokushu/001272.html