これは、産経新聞インターネットニュースの記事であるが・・・、
「最終処分場に9候補地 県、東海地震がれき対策 静岡」
県環境局は、想定される東海地震によるがれきを処理した焼却灰を埋めるための最終処分場候補地として、県有地9カ所を選定した。川勝平太知事が26日の定例会見で発表し、「これから市町と調整して、住民の理解を得ていく」と説明した。県は今後、候補地を3、4カ所に絞り込み、万が一に備える。選定された最終処分場は、東日本大震災によるがれき受け入れには使用しない方針だ。
現在、県は最終処分場を保有していないが、東日本大震災で大量のがれきが復興を妨げている事態を受け、選定作業を進めていた。
候補地は、天神山自然観察の森(富士宮市)▽田中山県営林(伊豆の国市)▽千本県営林(沼津市)▽コンヤ沢県営林(静岡市)▽油山演習林(同)▽榛原ふるさとの森(牧之原市)▽引佐県営林(浜松市)▽阿多古県営林(同)▽都田県営林(同)-の9カ所。伊豆半島南部は「国立公園や住宅地が多く、適地がなかった」という。
県環境局では、東海地震では3600万トンのがれきが発生し、うち1260万トンが可燃物と試算。焼却灰は110万立方メートルにのぼる見込みで、処分には高校4校分ほどの用地が必要になるという。
あくまでも一般の震災ごみを対象にする方針で、仮に東海地震によって原発事故が起きて焼却灰が放射性物質を含んだ場合は、「別途対応を考えなければならない」(川勝知事)としている。」
この中の榛原ふるさとの森(牧之原市)は、私の地元の山間部に位置する子どもたちの体験学習公園であり、県有地である。
ここで私は、瓦礫の最終処分地に我々の市内の一部が候補地にあがり、それに対して、いやだ、来てほしくないの議論をしようというものではない。
仮にそんな議論をする段階が来れば、賛否両論、喧々諤々ステークホルダー全員で話を尽くせばいい。
そこで結論が決まったなら、反対意見を持っているとはいっても、承服しなければならない。
今回頭から湯気が出るほど候補地に挙がった地元が怒り心頭なのは、またしても、地元にはその打診すらもなく、さも情報開示の責任を装い、実は公に知らしめれば、それが既成事実に代わり、無理難題も世間の波にのまれいつの間にか解決するだろうぐらいの浅はかな県レベルの考えそうな深慮のない行動が地元を刺激しているということ。
今日は朝から、候補地となった地元区長や一般市民などが市に経緯を問い合わせたようだ。
このぐらい具体的に候補地名が出れば、地元、市民から見れば、今まで県と市が検討して候補地を絞っていたのか、あるいは市はすでに承知しているのかと思われても仕方がない状況。
しかし、市担当も市長自身も、まったく初めて聞く内容。
したがって、市では、県に対して抗議の意を表すとともに、報道機関にも市としての考えを伝えるようだ。
それにしても、あの静岡空港の最初の静岡県の高邁な、さも当然県の考えに地元は従うべきだ、との最初の思慮が浅い行動で、建設決定から開港まで20数年かかったことを、忘れたのか。
また、同じ轍を踏むのか・・・!!
いつも思うに、県というもの、また県の組織で働く職員というものは、国と市町との間にあり、国を仰ぎながら、市町へ下達する中途半端な立場であり、そこでは直接住民との接触を持たない、現場から遠く離れた現地の住民の心、息づかいに鈍感な体質。
だから、こんな大事なことを、地元市町にも事前の協議もせず、地元はまったく寝耳に水の状態で、一方的に記者発表する。
そういえば、静岡空港の紆余曲折を静岡県史の特別編で明らかにすると明言したばかりの静岡県知事。
その発端の事情もろくろく理解していないまま県史編纂の話を持ちだすこと自体、やはり気負いはあるが所詮落下傘知事と言わざるを得ない。
しかし、静岡空港の最初のボタンの掛け違いを知らないだけならまだ仕方がないが、その同じことを再び繰り返すことをしようとしていることは、これは看過できないものである。
まして、今回の榛原ふるさとの森は、実は静岡空港建設の際、希少動物のオオタカ生存地区であり、その保護としてその区域を自然のまま保全したところ。
こんなことも頭の中で理解しながら、県知事はここを候補地の一つとしたのか・・・。
またしても、静岡空港関連でひと波乱の種を蒔くことにも。
なぜ県は、地元に対して、もっと慎重な対応をできないものか。
こうなるとやはり、県不要論すらも言及したくなる。
とにかく、この地元が憤慨していることを、現地に来て確認して、早急の対応をすべきである。