田舎に住んでる映画ヲタク

「映画大好き」の女性です。一人で見ることも多いけれど、たくさんの映画ファンと意見交換できればいいなぁと思っています。

黒いスーツを着た男(Trois mondes)

2017年07月23日 10時05分55秒 | 日記

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 「彼女たちの時間」のカトリーヌ・コルシニ監督が、とある交通事故をめぐって交差する加害者男性と目撃者の女性、被害者の妻の運命を描いたサスペンスドラマ。社長令嬢との結婚を目前に控えた青年アランは、深夜のパリを運転中に男をひき、その場から逃げ出してしまう。しかし、その一部始終を事故現場向かいの家の住人ジュリエットが目撃していた。翌日、被害者の容態が気になって病院を訪れたジュリエットは、廊下でアランを見かけて後を追うが……。(映画.comより)

 

 

 

 なんか独特の映画でしたね。フランスと日本ではかくも価値観が違うのか。あるいは、日本でも一部で描かれ続ける「エキセントリックな独立系映画」なのか。フランスでの立ち位置はわかりませんが、主人公のラファエル・ペルソナーズは、なるほど”アラン・ドロンの再来”と言われるだけあってイケメンです。彼は、掃除婦の息子という身分ながら、努力を重ね、車のディーラーでわりと成功しています。あとは、そこの社長令嬢(と言っても、大企業とかではなく一私企業、その社長も裏で車を売りさばいたりして、良くないこともやってそう)との結婚を控えるのみとなってます。

男って基本的にバカですから(笑)、結婚前にはバカ騒ぎするわけです。いわゆる「毎日がバチュラーパーティ」みたいな。もちろん、毎日ではないだろうけれど。で、調子に乗って仲間と騒ぎ、飲酒運転バリバリで人をはねちゃうんですね。主人公のラファエルは、いったん車を降りたものの、悪友たちの「いいから車に乗れ」「俺たちがなんとかするから、とにかく乗れ」に逆らえず、逃げてしまいます。ここから、人生は一変するわけです。

悪友たちは仕事仲間でもあるわけですが、ラファエルが出世したと言っても、元はこの会社の掃除婦の息子だったことは(お母ちゃん、今でも掃除してる)当然知っていて、一緒に働いてきたわけですから、容赦ない口をききます。この仕事仲間の男の一人、レダ・カテブに見覚えがあります。「愛について、ある土曜日の面会室」の人ですね。あと、見てないけどヴィゴ・モーテンセンの「涙するまで、生きる」のチラシにも彼の横で写っていたように思います。

しかしながら、都会ですから、やっぱり「窓から一部始終を見ていた」人はいるわけで、この女性が後に深く関わることになります。ここはお国柄の違いなのか、あるいはラファエルがハンサムでお金持ちぽかったから女性の心に響くものがあったのか、そのへんはよくわからないのですが、彼女は警察に届け出るわけでもなく、被害者の病院をこっそり見舞ったり(そのわりには被害者の親族{注:みな不法移民です}に”犯人を見たわ”とか言う)、直接ラファエルを訪ねたりするんです。何がしたいのかよくわからない。で、被害者は結局亡くなってしまうわけですが、奥さんも、まぁお金を貰ったからってこともあるのかもしれませんが、彼を警察に突き出すこともなく。

で、その高額なお金を工面するのにラファエルも危ない橋を渡るのに(当たり前ですが)、移民さんたちの使い方と来て!まぁ民族そのものが違いますから、価値観もことほどさように違うのでしょうが、私もラファエル同様、唖然としました。

結論から言うと、飲酒運転で死人が出るほどの交通事故を起こしておきながら、お金が絡むとは言え、イケメン対二人いや、婚約者も入れたら三人か、の男女の愛憎に展開して行くフランスの文化というものに驚きました。警察の存在感、薄~。

ラファエル・ペルソナーズのこれからに期待です。

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