「はじまりのうた」「ONCE ダブリンの街角で」のジョン・カーニー監督の半自伝的作品で、好きな女の子を振り向かせるためにバンドを組んだ少年の恋と友情を、1980年代ブリティッシュサウンドに乗せて描いた青春ドラマ。大不況にあえぐ85年のアイルランド、ダブリン。14歳の少年コナーは、父親が失業したために荒れた公立校に転校させられてしまう。さらに家では両親のケンカが絶えず、家庭は崩壊の危機に陥っていた。最悪な日々を送るコナーにとって唯一の楽しみは、音楽マニアの兄と一緒に隣国ロンドンのミュージックビデオをテレビで見ること。そんなある日、街で見かけた少女ラフィナの大人びた魅力に心を奪われたコナーは、自分のバンドのPVに出演しないかとラフィナを誘ってしまう。慌ててバンドを結成したコナーは、ロンドンの音楽シーンを驚かせるPVを作るべく猛特訓を開始するが……。(映画.comより)
<2018年3月21日鑑賞>
こういう「音楽青春」モノって、鉄板ですね。時代がどんなに移っても、やっぱり若者の鬱屈や田舎の閉鎖的な雰囲気は同じで、生きづらさもおんなじなんですね。ただ、それだけいつの時代でも映画・物語になり得るということで、やはり若者だけが持つ独特の輝きは、どれだけテクノロジーが進歩しても不変だということですね。遅れて感想を書いている私からすると、音楽ではないにしろ、ついこの前見た「行き止まりの世界に生まれて」とか「mid90s」とかと、さほど変わらないように思うわけです。「カセットテープダイアリーズ」とかね。違うか・・・(笑)。よくわかっていないだけなら、ごめんなさい。最近の映画は、いじめっ子でもそのバックグラウンドに理由がある、という描き方で、もちろん、だからといって、他人を殴ってもいいということにはなりませんが、どんな行動をとるにしろ、どの人にも理由があることを理解しなければならない、ということですね。よく考えると当たり前のことなんですが。
この映画の主人公もいじめられっ子なのですが、殴られたりはするものの、それなりに仲間がいて、いい兄貴がいて、前向きに生きてゆくだけの環境は、まぁあるわけです。そんなある日、目にした大人びた女性に一目惚れ。嘘八百ならべて果敢にアタック。でも嘘をついたらそれがバレないように仕立てなければいけませんね。それで、バンド組んだりするわけです。映画ですから、楽器演奏のうまい奴が彗星のように現れたり、そいつが一式すべてと練習場所を持っていたり、「そんなアホな」状態で話は進むのですが、まぁそこは若者たちの必死な姿に免じて楽しむ、ということで。
主人公が惚れる女性が、また派手なんですよ(笑)。でも、ボーイズがバンド演奏するときの衣装も、目立つけれどもおしゃれなものだったので、そんなものなのかもしれません。この女の子もまた、必死に生きているわけです。がんばれ、若者たち!平凡に生きるのも大事だし、難しいけれど、とにかく輝け!めげるな!
ということで、それなりのハッピーエンドを迎えます。そこから先のことなんてわからないけれど、とにかく今を必死に生きるのです。元気の出る映画です。
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