全身麻酔が施されながら意識が目覚めたままの状態(アネセシア・アウェアネス)に陥った青年が直面する恐怖と衝撃の事実を描く医療サスペンス。
主演はヘイデン・クリステンセン。彼は大企業の御曹司です。偉大な父と比べられるのに抵抗を感じながらも、現実はどうにもできません。また、父亡き後、女王のように君臨する母にも頭が上がりません。
ところで彼には身分違い(いまどき?)の恋人、ジェシカ・アルバがいます。彼女は聡明で美しいのですが、いかんせん母はそれなりの相手でないと認めないのです。彼も、彼女のことをなかなか言い出せないでいます。
彼は大金持ちではあるのですが、心臓疾患を抱えています。しかも血液型はRHマイナスという珍しいもの。今は心臓移植を待っているところです。彼には心を許せる主治医がいて、このドクター(テレンス・ハワード)は有名でこそありませんが、人間味あふれる男で、身分違いの彼女のことも応援してくれています。
ある時、一年もつきあうのに、ちっとも母親に言ってくれない彼に業を煮やしたジェシカは結婚を迫り、テレンスの後押しもあって真夜中に結婚式を挙げてしまいます。
折しも「移植可能な心臓が見つかった」との連絡。ジェシカに付き添われたヘイデンは手術室へと向かいます。連絡を受けた母は、大統領の手術もしたことがあるという、超有名外科医を連れて来ていて彼にしてもらえと言う。ますます反発したヘイデン、頑として譲らずテレンスに執行してもらいます。
さて、イザ手術が始まってみると、なんとヘイデンはアネセシア・アワェアネスに。医師たちの会話がすべて聞こえる!でも体は動かない。痛い!痛みも感じてしまう!耐えるんだ、彼女を思い浮かべよう・・・と、がんばるヘイデンですが、何か変。そう、医師たちの会話からとんでもないことが起きていることを知ってしまうのです。
ここからはネタバレ
実は一年もつきあったジェシカはテレンスの彼女だった。彼ら(看護師や他の医師も含めて)はみ~んなグルで、せっかく届いた新鮮な心臓に注射をして働かなくし、手術を失敗させるつもりだった。そして、未亡人となったジェシカは大金をゲット。みんなで山分けするつもりだったのだ。
計画通りにことは進むに見えたが、1人の医師が直前に逃げ出し、代わりの医師が入ったことから狂いだす。最初はうまくやっていた彼らだったが、1人違う人間が入っていることに気付いたジェシカが手術室に確認に行っている間に、母にかばんを探られ正体がばれてしまうのだ。
しかし、時は遅し。ヘイデンはすでに死亡。母は誰かに電話した後なにやら薬を服用。そう、喫緊に間に合う心臓は、同じ血液型である母しかいない。母(レナ・オリン)は、先の有名外科医に電話で頼んだ後、服毒自殺したのだ。
こうなったらやるしかない。有名外科医は、警察に連絡した後すぐさま手術に取り掛かります。かなり時間が経ってるゆえ、復活しないヘイデン。
かたや、あの世とこの世の間で会っている母子。母は「あなたは生きなさい。あなたのわだかまりとなっている、父の死は、実は事故死ではなく、暴力夫だったお父さんが、あなたにも手を出そうとしたので私が殺したのよ」と、封印していた記憶を取り戻させてあげる。
はっと我に返った息子は意識がはっきりしてきて、やがて息を吹き返す・・・。
と、こんな感じです。怖かったですね~、ホントに。最初はほんとに彼女は可憐でよく尽くすし、テレンスだって実にいい人に描かれる。母は傲慢に振舞っているし、有名外科医だって「私は著書も何冊もある」なんてイヤミな奴だし、次々にどんでん返しが起きたときには本当に驚きました。
いや、ほんとに、お金があるって、怖いですね・・・。