芸術文化勲章まで受賞した有名作家ガブリエル・マツネフと14歳で性的関係にあった女性の告発本「同意」を映画化。『マイ・エンジェル』のヴァネッサ・フィロが監督を務め、映画初出演となるキム・イジュランが主人公ヴァネッサを演じる。『ローラとふたりの兄』のジャン=ポール・ルーヴ、『パリの恋人たち』のレティシア・カスタらが脇を固める。
ストーリー
文学を愛する13歳の少女ヴァネッサは、50歳の有名作家ガブリエル・マツネフと出会う。マツネフは自身の小児性愛嗜好を隠さずスキャンダラスな文学作品にすることで、既存する道徳や倫理への反逆者として一世を風靡した著名人だった。時が経ち14歳となったヴァネッサは、“同意”の上で彼と性的関係を結び、歪な関係にしだいにのめり込んでいく。(movie walker ウエブサイトより)
<2024年8月12日 劇場鑑賞>
こんなことが堂々と行われていたなんて、ちょっと信じられません。そもそもこの作家先生は、自ら「小児性愛嗜好者」であることを全然隠していないどころか、自分の経験をネタに小説を書き、それがヒットして”ベストセラー作家”として崇められているのですから。なぜ誰も非難しないのか、最初から不思議で仕方がありませんでした。こんなこと、犯罪でしょ?いくら「同意」があったとしても、それは著しい”力と経験の不均衡”が最初から存在する関係。対等なはずはありません。もちろん、少女にだって意志はあるでしょうし、「もう大人よ」という意識もあるでしょう。日本の少女よりフランスの女性はマセているのかもしれません。それにしても、です。ダメなものはダメです。あんなおじさんが堂々と学校にまで迎えに来て。先生も何もしないのですか。個人の意思を尊重しすぎです。子供なのですから。
私は、母親にも腹が立ちました。父親不在の家庭なのですから、母は身を挺してでも娘を守るべきです。もちろん、注意は何度もしていましたが、孤独と寂しさで自分に構うことで精いっぱい。不倫とわかっている男性に構ってもらうため媚びを売り、うまくいかない自分の人生をどうすることもできなくて、ほとんどアル中。娘が帰宅してもソファーで酔いつぶれて寝ている、そんな姿を娘にさらしています。だから娘に注意しても「自分はどうなのよ。私はあなたのようにはならないから」と言い放たれてしまいます。悲しいですね。人生なんて、誰しもうまくいかないもの。たとえ結婚していても、寂しさでつぶれそうな女性なんて、ゴマンといます。自分だって、人のことは言えません。また、子供に構い過ぎても虐待になることも、みんなわかっています。とても難しい。そうなのですが、やはり個人的には、ここは心を鬼にしてでも、娘に泣きわめかれてでも、あんなドスケベなおじさんからは引きはがすべきだった、と私は思います。
被害者は彼女だけではないはずです。やはり、社会の責任、大人の責任を問うべき事件だと思いました。
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