製作総指揮:ジョージ・ルーカス キャスリン・ケネディー 監督:スティーブン・スピルバーグ 出演:ハリソン・フォード シャイア・ラブーフ カレン・アレン ケイト・ブランシェット 2008年米
ジョージ・ルーカスも子どもの頃、冒険小説が大好きだったに違いない。
「宝島」(スティーブンソン)や「十五少年漂流記」(ジュール・ベルヌ)や「ロビンソン・クルーソー」(デフォー)。それに、「アラビアンナイト」やアメリカの冒険小説、「ロビン・フッドの冒険」(ハワード・パイル)、「トム・ソーヤーの冒険」(マーク・トゥエイン)にも心ときめかしたに違いない。
彼が好きだった映画が、「アラビアのロレンス」(監督デヴィッド・リーン、主演ピーター・オトゥール、1962年)というのもうなずける。
ルーカスの盟友、スティーブン・スピルバーグが「007」シリーズの大ファンだったこともあって、ルーカスとスピルバーグによって、「インディ・ジョーンズ」が誕生した。
インディ・ジョーンズの本名はヘンリー・ウォルトン・ジョーンズ・ジュニア (Henry Walton Jones, Jr.)。愛称が「インディアナ (Indiana)」で、略して「インディ (Indy)」。父親のヘンリー・ウォルトン・ジョーンズ(ショーン・コネリー)から、ジュニアと呼ばれるのを嫌ったことが、「最後の聖戦」でユーモアっぽく描かれている。
インディアナは、ルーカスが飼っている犬の名前である。インディアナとは、アメリカの州の名にもなっているが、「インディアンの土地」の意である。元々の語源はインドであるから、インドが舞台の「魔宮の伝説」(1984年)は格好で、シリーズ最高の出来となった。
インディの父の友人にT・E・ロレンス(「アラビアのロレンス」のモデルといわれる実在した人物)がいて、インディも彼の影響を受けたということになっている。つまり、ルーカスが大好きな「アラビアのロレンス」も、秘やかに登場させているのである。
主人公インディは、職業は考古学者。と言っても、単なる教室と図書館にこもる学者ではない。現場を最重視し、リスクを回避しないアクティブな学者である。
彼は、まだ謎となっている宝や伝説の在処を求めて、どこへでも出かけていく。というより、出かけざるを得ないような状況が矢継ぎ早にやってくる。
行く先は、ジャングルや砂漠や廃墟で、行く手には、予想もできない危険が待ちかまえている。宝が眠っている場所は、いつもこういうところなのだ。
「インディ・ジョーンズ」シリーズの「クリスタル・スカルの王国」(2008年)は、前作「最後の聖戦」(1989年)から、19年が経っている。
ルーカスは、この映画を企画するときがもっとも楽しかったに違いない。それは、子どもの夢を託した、大人の冒険物語であるから。
物語は、軍の車と若い男女が、荒野の中をカーチェイスする場面から始まる。
それは、あたかも「アメリカン・グラフィティ」(1973年監督作)を想起させる。そう、これぞルーカスの青春像なのである。
場所は、1957年のネバダ州。「最後の聖戦」の舞台が1939年だったので、やはり実際の年月と同じだけ過ぎていることになる。
主人公のインディことハリソン・フォードも、それだけ年をとったということになる。
謎の旧ソ連軍に拉致されたインディ(ハリソン・フォード)が連れて行かれたのは、ネバダ州の軍の秘密地域だった。ソ連軍は、超能力を研究しそれに異常に執念を燃やす、軍服に身をまとった美人のスパルコ大佐(ケイト・ブランシェット)に率いられていた。
ネバダ州の米軍秘密施設で、隠匿されていた箱が開けられる。そこに現れたのは、不思議な遺体だった。それは、「宇宙人の遺体」と思えるものであった。
ソ連軍から、その場を逃げたインディは、直後核実験に遭遇する。そこは、当時頻繁に行われていた核実験場だったのだ。
かろうじて助かったインディは、失踪したオックスリー教授を探すために、やはり母を探す青年マット(シャイア・ラブーフ)とともに、ペルーのナスカから、エルドラドを探しに、マヤ文明のクスコへ向かう。
そこで、インディは、オックスリー教授と元妻のマリオン(カレン・アレン)に会う。
インディたちは、クリスタル・スカル、つまり、マヤで発見された水晶ドクロの謎を解くため、ニューメキシコの砂漠から、激流に流され、大滝とともに滝壺に呑み込まれながら、「その地」に行き着く。
物語は、「クリスタル・スカル」、つまり「水晶ドクロ」が鍵である。
マヤの伝説によると、13個の水晶ドクロが集まると共鳴し、謎が解ける、とされている。
ここでは、水晶ドクロの頭蓋骨は後ろに長く変形されている。宇宙人、ETの頭のように。
インディがネバダ州の米軍秘密基地で見た「宇宙人の遺体」とは、「ロズウェル事件」からのものである。
1947年、アメリカ軍がアメリカのニューメキシコ州ロズウェル近郊で何らかの物体を回収したと報道された。それが、UFOが墜落したあとにあった宇宙人の遺体と噂されたが、のちに軍はこの報道を否定した有名な事件である。
マヤ文明、エルドラド、水晶ドクロ、宇宙人、ナスカ、砂漠、ペルーのジャングル、イグアスの滝……それに、ネバダ州核実験、旧ソビエト連邦秘密軍。
ルーカスとスピルバーグは、胸ときめかしながら構想を練ったことだろう。何度も脚本を書き替えたという。
この物語で、インディの息子なるものが登場する。離婚した元妻マリオンとの間に生まれた男マット、シャイア・ラブーフで、インディをさらにやんちゃにした感じである。父親のインディでなくとも「学校には行っておいた方がいいよ」と言いたくなるだろう。
もし「インディ・ジョーンズ」シリーズの次回作が、いつになるか分からないが、製作されるとなると、ハリソン・フォードの年齢(1942年生まれ)を考えて、息子を登場させておいたのかもしれない。
インディも、この映画で元妻と寄りを戻して復縁したので、ぼちぼち隠居が待っているのかも。映画では、年齢を感じさせない、息子に負けないほどアクティブであったが。
ジョージ・ルーカスも子どもの頃、冒険小説が大好きだったに違いない。
「宝島」(スティーブンソン)や「十五少年漂流記」(ジュール・ベルヌ)や「ロビンソン・クルーソー」(デフォー)。それに、「アラビアンナイト」やアメリカの冒険小説、「ロビン・フッドの冒険」(ハワード・パイル)、「トム・ソーヤーの冒険」(マーク・トゥエイン)にも心ときめかしたに違いない。
彼が好きだった映画が、「アラビアのロレンス」(監督デヴィッド・リーン、主演ピーター・オトゥール、1962年)というのもうなずける。
ルーカスの盟友、スティーブン・スピルバーグが「007」シリーズの大ファンだったこともあって、ルーカスとスピルバーグによって、「インディ・ジョーンズ」が誕生した。
インディ・ジョーンズの本名はヘンリー・ウォルトン・ジョーンズ・ジュニア (Henry Walton Jones, Jr.)。愛称が「インディアナ (Indiana)」で、略して「インディ (Indy)」。父親のヘンリー・ウォルトン・ジョーンズ(ショーン・コネリー)から、ジュニアと呼ばれるのを嫌ったことが、「最後の聖戦」でユーモアっぽく描かれている。
インディアナは、ルーカスが飼っている犬の名前である。インディアナとは、アメリカの州の名にもなっているが、「インディアンの土地」の意である。元々の語源はインドであるから、インドが舞台の「魔宮の伝説」(1984年)は格好で、シリーズ最高の出来となった。
インディの父の友人にT・E・ロレンス(「アラビアのロレンス」のモデルといわれる実在した人物)がいて、インディも彼の影響を受けたということになっている。つまり、ルーカスが大好きな「アラビアのロレンス」も、秘やかに登場させているのである。
主人公インディは、職業は考古学者。と言っても、単なる教室と図書館にこもる学者ではない。現場を最重視し、リスクを回避しないアクティブな学者である。
彼は、まだ謎となっている宝や伝説の在処を求めて、どこへでも出かけていく。というより、出かけざるを得ないような状況が矢継ぎ早にやってくる。
行く先は、ジャングルや砂漠や廃墟で、行く手には、予想もできない危険が待ちかまえている。宝が眠っている場所は、いつもこういうところなのだ。
「インディ・ジョーンズ」シリーズの「クリスタル・スカルの王国」(2008年)は、前作「最後の聖戦」(1989年)から、19年が経っている。
ルーカスは、この映画を企画するときがもっとも楽しかったに違いない。それは、子どもの夢を託した、大人の冒険物語であるから。
物語は、軍の車と若い男女が、荒野の中をカーチェイスする場面から始まる。
それは、あたかも「アメリカン・グラフィティ」(1973年監督作)を想起させる。そう、これぞルーカスの青春像なのである。
場所は、1957年のネバダ州。「最後の聖戦」の舞台が1939年だったので、やはり実際の年月と同じだけ過ぎていることになる。
主人公のインディことハリソン・フォードも、それだけ年をとったということになる。
謎の旧ソ連軍に拉致されたインディ(ハリソン・フォード)が連れて行かれたのは、ネバダ州の軍の秘密地域だった。ソ連軍は、超能力を研究しそれに異常に執念を燃やす、軍服に身をまとった美人のスパルコ大佐(ケイト・ブランシェット)に率いられていた。
ネバダ州の米軍秘密施設で、隠匿されていた箱が開けられる。そこに現れたのは、不思議な遺体だった。それは、「宇宙人の遺体」と思えるものであった。
ソ連軍から、その場を逃げたインディは、直後核実験に遭遇する。そこは、当時頻繁に行われていた核実験場だったのだ。
かろうじて助かったインディは、失踪したオックスリー教授を探すために、やはり母を探す青年マット(シャイア・ラブーフ)とともに、ペルーのナスカから、エルドラドを探しに、マヤ文明のクスコへ向かう。
そこで、インディは、オックスリー教授と元妻のマリオン(カレン・アレン)に会う。
インディたちは、クリスタル・スカル、つまり、マヤで発見された水晶ドクロの謎を解くため、ニューメキシコの砂漠から、激流に流され、大滝とともに滝壺に呑み込まれながら、「その地」に行き着く。
物語は、「クリスタル・スカル」、つまり「水晶ドクロ」が鍵である。
マヤの伝説によると、13個の水晶ドクロが集まると共鳴し、謎が解ける、とされている。
ここでは、水晶ドクロの頭蓋骨は後ろに長く変形されている。宇宙人、ETの頭のように。
インディがネバダ州の米軍秘密基地で見た「宇宙人の遺体」とは、「ロズウェル事件」からのものである。
1947年、アメリカ軍がアメリカのニューメキシコ州ロズウェル近郊で何らかの物体を回収したと報道された。それが、UFOが墜落したあとにあった宇宙人の遺体と噂されたが、のちに軍はこの報道を否定した有名な事件である。
マヤ文明、エルドラド、水晶ドクロ、宇宙人、ナスカ、砂漠、ペルーのジャングル、イグアスの滝……それに、ネバダ州核実験、旧ソビエト連邦秘密軍。
ルーカスとスピルバーグは、胸ときめかしながら構想を練ったことだろう。何度も脚本を書き替えたという。
この物語で、インディの息子なるものが登場する。離婚した元妻マリオンとの間に生まれた男マット、シャイア・ラブーフで、インディをさらにやんちゃにした感じである。父親のインディでなくとも「学校には行っておいた方がいいよ」と言いたくなるだろう。
もし「インディ・ジョーンズ」シリーズの次回作が、いつになるか分からないが、製作されるとなると、ハリソン・フォードの年齢(1942年生まれ)を考えて、息子を登場させておいたのかもしれない。
インディも、この映画で元妻と寄りを戻して復縁したので、ぼちぼち隠居が待っているのかも。映画では、年齢を感じさせない、息子に負けないほどアクティブであったが。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます