地元、佐賀・武雄の友人と会うときは、きまって友人が贔屓にしている市内の繁華街から少し離れた静かな住宅街にある「まねき鮨」である。
この店は、昨年の20014年に出版された「ミシュランガイド福岡・佐賀2014特別版」に、星こそないが武雄市で唯一の鮨店として紹介されているように、味には定評のある店である。
ここでは、カウンターに座っていると、黙っていてもその季節の最も旬な魚介が、客に合わせた適度な間隔で出てきて、じっくり自分のペースで新鮮なそれらを味わうことができる。何回行っても、失望したことはない。
呼子のイカを食べた翌日の4月17日、その友人と「まねき鮨」で会った。
魚を食べながら飲んでいる時、呼子のイカの話となった。
彼が東京出張のとき、呼子のイカを食べさせる店があると聞き、「江戸で、肥前のイカを食うのも粋なものかも」と、その店に行ってみた。すると出てきたのはスルメイカだ。彼が、これは剣先イカじゃないではないか」と問うと、店の者は「あいにく剣先イカが切れていたので」と申し訳を言ったそうだ。その時は、仕方がないと彼はそれを食って帰った。
そして、それからだいぶんたった後のこと、またその店に行ってイカを注文したら、出てきたのはまたもやスルメイカであった。彼は、その店に失望して、もう二度と行かないと言いながら、「江戸では、剣先イカとスルメイカの区別もつかないのか。味も硬さも全く違うのに」と嘆いた。
イカと言っても、いろんな種類があるのである。
キノコで言えば、松茸(マツタケ)と椎茸(シイタケ)のような差がある。
*
4月18日、佐賀を出て東京へ戻った。
博多駅の新幹線の構内にも、駅弁を並べている店がある。九州内の各地の駅弁もそろっていて、この日は前にも食べたことがある「長崎街道」を買った。鳥栖にある駅弁の老舗である中央軒の製造である。
長崎から佐賀を通って小倉まで続く長崎街道のネーミングどおり、長崎、佐賀、福岡の名産を詰めた幕の内弁当である。長崎・茂木の枇杷や佐賀・小城の羊羹、有明海のウミタケ粕漬が入っているのも特徴であろう。ご飯にはカシワ飯がある。(写真)
長崎街道は、別名「シュガーロード」とも言い、砂糖の道として、この街道界隈に長崎のカステラや佐賀のマルボーロ(丸芳露)、小城の羊羹など、様々な菓子が生まれた。
戦前の四大キャラメル菓子メーカーである森永製菓の森永太一郎、江崎グリコの江崎利一、新高製菓の森平太郎と、明治製菓をのぞく三つのメーカーの創業者は佐賀県出身である。
この店は、昨年の20014年に出版された「ミシュランガイド福岡・佐賀2014特別版」に、星こそないが武雄市で唯一の鮨店として紹介されているように、味には定評のある店である。
ここでは、カウンターに座っていると、黙っていてもその季節の最も旬な魚介が、客に合わせた適度な間隔で出てきて、じっくり自分のペースで新鮮なそれらを味わうことができる。何回行っても、失望したことはない。
呼子のイカを食べた翌日の4月17日、その友人と「まねき鮨」で会った。
魚を食べながら飲んでいる時、呼子のイカの話となった。
彼が東京出張のとき、呼子のイカを食べさせる店があると聞き、「江戸で、肥前のイカを食うのも粋なものかも」と、その店に行ってみた。すると出てきたのはスルメイカだ。彼が、これは剣先イカじゃないではないか」と問うと、店の者は「あいにく剣先イカが切れていたので」と申し訳を言ったそうだ。その時は、仕方がないと彼はそれを食って帰った。
そして、それからだいぶんたった後のこと、またその店に行ってイカを注文したら、出てきたのはまたもやスルメイカであった。彼は、その店に失望して、もう二度と行かないと言いながら、「江戸では、剣先イカとスルメイカの区別もつかないのか。味も硬さも全く違うのに」と嘆いた。
イカと言っても、いろんな種類があるのである。
キノコで言えば、松茸(マツタケ)と椎茸(シイタケ)のような差がある。
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4月18日、佐賀を出て東京へ戻った。
博多駅の新幹線の構内にも、駅弁を並べている店がある。九州内の各地の駅弁もそろっていて、この日は前にも食べたことがある「長崎街道」を買った。鳥栖にある駅弁の老舗である中央軒の製造である。
長崎から佐賀を通って小倉まで続く長崎街道のネーミングどおり、長崎、佐賀、福岡の名産を詰めた幕の内弁当である。長崎・茂木の枇杷や佐賀・小城の羊羹、有明海のウミタケ粕漬が入っているのも特徴であろう。ご飯にはカシワ飯がある。(写真)
長崎街道は、別名「シュガーロード」とも言い、砂糖の道として、この街道界隈に長崎のカステラや佐賀のマルボーロ(丸芳露)、小城の羊羹など、様々な菓子が生まれた。
戦前の四大キャラメル菓子メーカーである森永製菓の森永太一郎、江崎グリコの江崎利一、新高製菓の森平太郎と、明治製菓をのぞく三つのメーカーの創業者は佐賀県出身である。