昨年1年間で、岩国エッセイサロンの会員が新聞に投稿したエッセイの総数は96篇であった。年が明ければそのエッセイを同人誌「花水木」として発刊するため、原稿の編集をし印刷屋に持って行く準備を年内にすべて終えていた。一昨年は12月31日に新聞に掲載されたものがあり慌てたが、昨年は12月30日が最後だったので、時間の余裕が少しあった。
正月が終わった4日、事前打ち合わせ通り原稿をDVDにコピーし、電子情報として印刷屋に持ち込んだ。「1月18日には欲しいのですが」と、19日の新年初回の定例会に会員に渡すことが出来るように頼んでおいた。昨日(17日)「出来上がりましたよ」との電話。すぐさま、小雪の舞う中いそいそと受け取りに出かけた。
今年のものは創刊号から数えて第7号となる。丸7年間、エッセイ創作の活動をしてきた。毎回感じることであるが、出来たての「花水木」を受け取りに行くときは気持ちが華やぐ。「今年の出来栄えはどんなかな。皆も楽しみに待っているんだろうな」など、いろいろ思いながら車を走らせる。
梱包された99冊の上に、見本が1冊乗せてあるものを持ち帰った。見本を手に取り、めくってみる。一つ一つ、どれも何度も目を通したことのあるエッセイだが、本の形になっているとまた違う趣がある。今朝(18日)、この花水木を手に取り、ゆっくりとページをめくっているとき、大きな欠陥が見つかった。
目次のページが1枚、裏表で2ページ分が落丁しているではないか。どうすればいいんだろう。きれいな表紙で150ページに製本された本だ。落丁のページをコピーしてノリ付けするくらいしかできないのか。いろいろな考えが頭をよぎったが、まずは印刷屋に電話をしてみることにした。
解決策はあっけなく決まった。「全部持ってきてください。明日の定例会に間に合うよう、ただちに手直ししますから」と言う。直ぐに印刷屋に持ち込んだ。「カバーを外して製本し直します。大丈夫です。うまくやりますから……」「何か手伝うことがあればやりますよ」「いえいえ、大丈夫です」と自信ありそうな顔だ。
この店で、今まで何度も本を作ってきたがこんなことは初めてだ。でも、素早い対応を取ってくれるというので一安心。明日は一件落丁、いや一件落着と相成るはずだ。