写真エッセイ&工房「木馬」

日々の身近な出来事や想いを短いエッセイにのせて、 瀬戸内の岩国から…… 
  茅野 友

「思い出ノート」

2019年02月14日 | 木工・細工・DIY

 今朝(14日)の毎日新聞に、興味深い記事が出ていた。毎日新聞社が「思い出ノート」というものを販売するのを機に、この本を5人にプレゼントするという。

 自分の名前の由来、学校時代の思い出、友達、住まい、仕事、趣味、夢などの100の設問に答えていくと、自分史の基になるノートが出来上がるというものである。昔を思い出してノートに書き留めるということは、脳の活性化にもつながるということで、認知症予防財団が監修したもので、高齢者へのプレゼントにも最適だと書いている。

 リタイヤした人を対象に「自分史」を作ることが最近流行っているが、「思い出ノート」は簡単に自分史が作れるワークブックといえる。昔を回想しながら手を使って文字を書くことは、脳の活性化や老化防止につながる。しかしこれは自分のこれまでの生涯を、単に思い出としてまとめるというだけのものではない。

 妻や子供たちに、かつて口頭では言えなかったことを書いておけば、素直な自分の気持ちを伝える手段にもなる。また、誰も褒めたり評価してくれなかったことに対して、自分を一番よく知っている自分自身が高く評価してやることにより、頑張って生きてきたことに納得でき喜びを感じる。

 何よりも、父であり母の立場にある筆者のことを、子供たちは思っているほどよく知ってくれてはいない。「なあ、お父さんって、こんなにして生きてきたんだぞ」なんて、生きているときに子どもに話したりはしていないばかりか、そんなことをしみじみと話す機会もない。

 そんな子供たちばかりでなく連れ合いに対して、自分の生きてきた姿を理解・評価してもらうという手段に、自分史は大いに役に立つものであろう。自分史の読者は誰あろう、自分と子供と連れ合いだけであるが、書いたものを時にひも解いて読んでみるのも、現役時代の活力を少しは取り戻せる感じがしている。

 自分史にはどんなことを書けばよいか分からない人は、この「思い出ノート」の100の設問に答えるだけで自分史が作れるという優れものを活用してみてはいかがでしょうか。