写真エッセイ&工房「木馬」

日々の身近な出来事や想いを短いエッセイにのせて、 瀬戸内の岩国から…… 
  茅野 友

黒にんにく

2019年07月25日 | 食事・食べ物・飲み物

 エッセイサロンの月例会を開催した。毎回、会の半ばで小休止をし、持ち寄ったお菓子をつまみながらお茶を飲み、何人かからいろいろな話題が提供される。先日の月例会の時、会員のひとりが大変珍しいものを配り「僕が作ってみたものですが、食べてみてください」と言う。見かけは何やらグロテスクなものであったが「黒にんにく」というものであった。

 にんにくを特殊な方法で加熱熟成させたもの。「にんにく」と聞いただけで独特な匂いを連想し、その場で食べずに家に持ち帰った。食べてみると「これがにんにく?」と思うくらい、特有な匂いもなく甘くておいしい。まるでスイーツのようである。

 早速インターネットで調べてみた。「黒にんにくとは、にんにくを一定温度・湿度を保った状態で熟成させると最終的には真っ黒になり、ほとんど臭みが感じられず、ドライフルーツのような甘みと食感に変わる。にんにくを超える栄養価の高さから、健康食品として脚光を浴びている」と書いてある。

 黒く変色するのは、含有する糖やアミノ酸などのアミノ化合物を加熱したときなどに見られる褐色物質を生み出すメイラード反応によるものである。

 黒にんにくの作り方は極めて単純で、10日~2週間ほど、炊飯器に入れて保温状態を維持するだけである。黒くねっとりとした状態になっていたら炊飯器から出し、網に入れて1日干したら完成。ちなみに炊飯器の保温温度は、メーカーにより若干異なるが、60°Cから70°Cである。

 ところが作る時に部屋中がにんにく臭くなるので、屋外で作るのがよい。電気釜は専用のものにしないと毎日のご飯が炊けないので、電気釜を買わなければいけない。それにしても、にんにくが疲労回復、滋養強壮というだけの食べ物ではなく、こんなにおいしいスイーツに大変身するとは「お釈迦様でも知らぬ仏のお富さん」であろう。いつか作ってみたいと思っている。


1 コメント

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大変 (anne)
2019-07-27 16:28:31
なんでも、いいものは時間がかかりますね。エッセイも???
明屋書店に10冊置かせてもらいました。
「幸せのanne」です。よろしくお願いいたします。

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