俺の明日はどっちだ

50歳を迎えてなお、クルマ、映画、小説、コンサート、酒、興味は尽きない。そんな日常をほぼ日替わりで描写

この街を刺激する店がオープン @ 金沢 池田町 「 Installation Table ENSO 」

2016年01月14日 16時48分38秒 | 時系列でご覧ください

景気動向に関係なく相変わらず次々と飲食店がオープンする中、「 天ぷら小泉 」 の隣りの建物 ( 昔々「矢部ドレメ」があったところ ) に新たなるレストランが出来、そのオープン前日に行なわれたレセプションに芸妓の友達とともに参加させてもらい、

レセプションとは言え、シェフおまかせの料理がフルサービスで次々と登場し、それぞれの料理に合わせたいろんな日本のワインも頂いてと、とにかくちゃんとしたコースをひと通り味わうことが出来、それはそれは濃密な時間となったのでありました。



大分の安心院葡萄酒工房のスパークリングワインが注がれた後、富山の白エビをスティック状にしたイカ墨で挟み、ビーツのソースとともに手でつまみながらという、何だかワクワクするフィンガーフードから始まり、



渋い色合いの桐箱が登場したかと思うと、



中には、ホワイトチョコレートとニンニク、そしてダークチョコレートと鶏の内臓を合わせたという、ちょっと考え付かない組み合わせのブラック&ホワイトのソースを従え、鶏皮せんべいが鎮座していて、その組み合わせの妙に驚くやら、感心するやらで、大いに楽しませてくれて、



そこからの牡蠣もまた細く刻まれた青りんごが加わり、組み合わせの妙を感じることが出来、



もともと和食で腕を磨いた後、途中からフレンチに変わったという経歴を持つ土井シェフならではの


毛ガニとズワイガニを合わせ、毛ガニから出汁を取ったスープで頂く、和食でいうところの椀物もまた、バジルがアクセントになっていて、それが違和感なく調和していて、



フォアグラもまた、そのものの旨さもさることながら、付け合せの素揚げされた葉物とキャメリーゼされたピスタチオという存在感たっぷりな脇役もお見事で、とにかく美味しいったらありゃしないのであります。



実は訪れる前は、もう少し今風というか泡を使ったりして奇を衒った料理があるのかなと思っていたけれど、そういったものはほとんどなかった中、唯一ギミックな演出で、これはこれで楽しませてくれたスモークの煙を封じ込めて出されたこの料理。


中には黒トリュフが菊芋と組み合わされていて、茹でたりつぶしたりして食べることが多い菊芋の薄くスライスされた新鮮な食感にびっくり。



そしてそんな驚きはまだまだ続き、エシャロットのアイスというそれだけでも珍しいものに揚げたての白魚のフリットという、冷たいものと温かいものを同時に食べることによって、どこか違うところに連れて行かれる美味しさに楽しいこと、楽しいこと。


思えばいろいろと地元の食材を積極的に使っている中、魚もまたのど黒がポワレとして用意され、添えられていたのがなんと春菊のソース。
えっ? と思いきや、全く違和感なく美味しいことにも驚きで、世の中、いろんな可能性があるなぁと改めて実感し、



そこから能登牛とこれまた地元ものが提供され、その素材を活かしたシンプルな調理法にも大いに納得なのであります。



そしてデザートにはこんな茶目っ気たっぷりなひと品が用意され、



さらには小ぶりながらフィナンシェにカヌレ、ギモーブなどなどの小菓子まで登場し、身も心も大満足だったのでありました。




 


ちなみに用意してあるワインは日本のワインのみとのことだったけれど、金沢で国産ワインを飲む機会はあまり多くはないので、そちらも大いに楽しみなのであります。



そして時に緻密で時に大胆で新鮮な驚きを与えてくれる料理の素晴らしさや地元作家の手による器の秀逸な使い方ももちろんのこと、

実はこのレストランを開業するにあたって、とある時期に銀座で共に働いていたスタッフが東京から3名、パリから1名金沢に移住したという話を聞き、なるほどと大いに納得の軽快なスタッフワークは本当にお見事で、特に美味しい店は多いけれど、それに応じたサービススタッフがなかなか見当たらないこの街において、調理にシェフ含めて2名、そしてパティシエ、ソムリエ、サービスと合わせて6人が織りなすもてなしぶりはまさにプロフェッショナルならではの仕事だなと感じ、これから多くの共感を呼ぶだろうし、さまざまな面で大きな刺激となりうる気がします。


ともあれ、共にこの歓びを分かち合った友達と期せずして最後に発した言葉、それは
「 ようこそ 金沢に! 」
だったのでありました。







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