俺の明日はどっちだ

50歳を迎えてなお、クルマ、映画、小説、コンサート、酒、興味は尽きない。そんな日常をほぼ日替わりで描写

「堕天使のパスポート」

2004年11月30日 19時46分16秒 | 時系列でご覧ください
以前ロンドンにいたとき、友達の中に何人かトルコから来ていた連中がいた。そして男連中たちは学生ビザで入国していながらいろんなところで働いていたものだったなあと、しばし回想。

自由を求めて国を捨ててきたトルコ移民の女の子と政治的背景から祖国を追われたアフリカ人男性、この二人の繋がりを縦軸に、難民問題、臓器売買といった重いテーマが横軸に展開されるが、サスペンス的要素も巧みに加わってくるので、かなりテンポ良く見ることが出来た。

不法滞在者である主人公オクウェを演じるキウェテル・イジョフォーの卓越した演技ぶりにはかなり感動。また絶望の生活の中からニューヨーク行きに望みを託すトルコ人役のオドレイ・トトゥのトルコ人っぽい(本当にこんな子いそう!)演技にも、さらには脇を固めていたそれぞれの役者たちの芸達者振りにも拍手。

とにかくヒュー・グランドが出てくるミドルやアッパークラスの夢物語ではない、限りなく現実に近いロンドンがここにはあった。

最終的にハッピーエンドにはなりきっていないラスト、二人が交わす無言の唇だけの "I LOVE YOU " があまりにも切ない。終わりの始まりがまた始まっていく。



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