病的に綺麗好きで几帳面な性格で、人とコミュニケーションをとるのが苦手な日本人の男(浅野忠信)と大雑把で勝気で、何故か苛立っているタイ人女性という対称的な二人が出会い、片言のタイ語、片言の日本語、そしてこれまた覚束ない共通語である英語で話しながら、徐々に距離感をつめていくというストーリー仕立てで、”国境を超えた恋物語”という言い方も出来るのだろうけど、残念ながら作品としては、要所要所での話の展開に説得力がなさ過ぎる。
否、実はそういった説明事項は意図的に演出として、あえてはしょっているのかも知れない。ただ、それにしたところで、虚実取り混ぜての展開はいささか乱暴すぎたようにも思え、加えて言うならば、ラストの大阪のシーンの必然性も感じられなかった。
昔、”インディーズ”なんて言葉が一般化される以前、商業映画に対して低予算で自主的に作られる映画を『自主映画』と呼んでいた。そしてそうした『自主映画』の中には観念的な作品も少なからずあったけれど、それに近い世界観みたいなものをこの映画に感じた。観客に想像力を強いることは、時として当然必要だけど、過ぎるのも考えものだ。
ただそれにしても、この映画でヴェネチア映画祭の何かの賞をとったという浅野忠信、彼の演技というか存在感の高さ、それだけで実はこの映画、一見の価値は大いにあると言えるかも知れない。とにかく何かどんどんすごい役者になっていっているなあと実感。
否、実はそういった説明事項は意図的に演出として、あえてはしょっているのかも知れない。ただ、それにしたところで、虚実取り混ぜての展開はいささか乱暴すぎたようにも思え、加えて言うならば、ラストの大阪のシーンの必然性も感じられなかった。
昔、”インディーズ”なんて言葉が一般化される以前、商業映画に対して低予算で自主的に作られる映画を『自主映画』と呼んでいた。そしてそうした『自主映画』の中には観念的な作品も少なからずあったけれど、それに近い世界観みたいなものをこの映画に感じた。観客に想像力を強いることは、時として当然必要だけど、過ぎるのも考えものだ。
ただそれにしても、この映画でヴェネチア映画祭の何かの賞をとったという浅野忠信、彼の演技というか存在感の高さ、それだけで実はこの映画、一見の価値は大いにあると言えるかも知れない。とにかく何かどんどんすごい役者になっていっているなあと実感。
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