東京11R フローラS
◎6.ディアマイダーリン
○4.ロックキャンディ
▲10.エバーシャルマン
△1.マキシマムドパリ
△12.フロレットアレー
×9.リアンドジュエリー
注16.ナガラフラワー
晩成のハーツクライ産駒が3歳春に完成に近づくには、ワンアンドオンリーやヌーヴォレコルトが典型だが、ノーザンダンサークロスを持ち、スペシャルやミスプロやブサンダの血を引く牝馬との配合で、できるだけ近い世代にクロスを多くつくる必要がある。ディアマイダーリンの母オネストリーダーリンはノーザンダンサー4×4で、ヌレイエフとミスプロとネヴァーベンドの血を引くから、ヌーヴォの母オメガスピリットと血脈構成がかなり似ている。ハーツ産駒にしては早期に芝マイルで鋭い脚を使えたし、しかし体質はハイペリオン的で実直に持続的に伸びつづけるところも似ている。ここは東京替わりでノリとのコンビ復活なら勝って権利を得たいところで、少しタフな開幕週の馬場も合っている。
京都11R マイラーズC
◎6.ディアデラマドレ
○7.フィエロ
▲12.エールブリーズ
△15.レッドアリオン
×10.エキストラエンド
注4.サンライズメジャー
注11.ロサギガンティア
「血統屋」の「一口クラブ好配合ピックアップ」で推奨したように、ディアデラノビアの配合はデビュー前から高く評価してきた。その主な根拠は、ノーザンダンサー4×4・6のキングカメハメハと、南米のアウトサイダー血脈が強くノーザンダンサーを全く引かないディアデラノビア、この組み合わせの妙にあるのだが、期待どおりの成長過程でジワジワと力をつけてきて、ついに牝馬のトップクラスにまで上り詰めてきた。このように母系に全くノーザンダンサーの血を引かないキンカメ産駒は、重賞勝ち馬でいうとホッコータルマエ、グランドシチー、トウカイミステリー、ヒラボクキングがおり、タルマエは6歳の今が全盛期かと思わせるほどの充実ぶりだし、グランドとヒラボクは6歳、トウカイは5歳での初重賞制覇で、ノーザンダンサーについてアウトブリードなだけに開花が遅くなる傾向がみられる(いっぽうでキングマンボ≒ジェイドロバリー2×3、ノーザンダンサー5・5・7×5・6・6とクロスを重ねて累進したレッツゴードンキは、2歳夏から完成度の高いレースをみせてきた)。芝マイル路線はもう何年も確たる主役が不在で、ジャスタウェイやトーセンラーやロードカナロアなど別路線組の強豪に油揚げをさらわれつづけているが、晩成型キンカメ産駒が本格化してのマイル参戦、54キロでインを捌ききれば突き抜けて不思議ないだろうと思う。
--------
シングウィズジョイの牝系については、下記エントリ「リアルシャダイ×ロイヤルレジナと母父1/4欧」で触れていますのでそちらも読んでいただければ…と
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2012104241/
母シングライクバードがRoberto3×4でこの牝系らしい機動力を伝える一方、自身はマンハッタンカフェ×シンボリクリスエスでBoldnesianやナスキロのクロスですからショウナンラグーンを逆さまにしたような配合形でもあり、ラグーンのようにナスキロ柔く斬れる面もあるのです
だから外回りでもソコソコ斬れる脚を使える弱点の少ない中距離馬という印象で、ただし君子蘭の辛勝や野路菊の惜敗をみると、機動力にも斬れにも特化しきれないナマクラ四つなので、オープン級相手だと善戦マンにとどまるんじゃなかろうか、重賞を勝ちきるまでの決め手には欠けるんじゃなかろうか、というイメージのほうが強かったですね~
クイーンCはダノングラシアスが締まったペースで逃げた中身の濃いレースで、2着ミッキークイーンと3着ロカは忘れな草でワンツー、4着アンドリエッテと5着メイショウメイゲツは桜花賞トライアルで2着、そして6着シングウィズジョイはオークルトライアル勝ち
スローの前残りで後ろの組にはノーチャンスのレースになり、強い相手に好位差しの正攻法で善戦してきたキャリアも活きた勝利でしたが、しかしハーツの1人気を封じるマンカフェ産駒という絵は、今年の牝馬クラシックを象徴するゴール前でもあったかと
ディアマイダーリンは予想コメントにも書いたようにヌーヴォレコルトと似た配合パターンで、ハーツクライ産駒としては3歳春に完成度の高いレースができる配合パターンで、この世代のハーツクライ牝駒の稼ぎ頭となったのは順当というべきでしょう
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2012103979/
ただ両者の細かい比較でいうと、ヌーヴォのほうがBusanda≒Mr.Busherの3/4同血クロスで「War AdmiralとLa Troienne」の組み合わせをハッキリクロスさせている点(ディアマイはNever Bendを通じるLa Troienneのクロス)において完成度は上ということができるし、またヌーヴォの母母父Chief's CrownはNorthern Dancer≒Indian Hemp2×5でもあり、ここに「HyperionとNasrullahとSarita」的組み合わせが強いのも、トニービン的斬れを引き出す上ではさらに有効なのだろう…というような話は土曜に校了したPOG書籍でも書いてます(ちなみにChief's Crownはベルラップの母母父でもある)
┌Nearco
┌○
││┌Hyperion
│└△
│ └△
│ └Sarita
Northern Dancer
└△┌Mahmoud
└△
┌Nasrullah
Indian Hemp
│ ┌Hyperion
│┌○
└△
└Sarita
ジャスタウェイの世界一の持続斬れは、父母から受けたHyperionの血、とりわけトニービンとWild Againの母Bushel-N-Peckを通じる「HyperionとNasrullah≒Damaの組み合わせ」のクロス由来ではないかということは以前書きましたが、たとえばノーザンテースト(Lady Angela3×2)×Princely Gift(Nasrullah直仔)のダイナサッシュの牝系とハーツクライの組み合わせも、フェイムゲーム、インダクティ、グランドサッシュと3頭全て2勝以上
ハーツクライを語ることはトニービンを語ることでもあり、トニービンを語ることはSevern Bridgeを語ることでもあり、Severn Bridgeを語ることは「HyperionとNasrullah(とFair Trial)」を語ることであり、ハーツクライとSpecialやChief's Crownやダイナサッシュがニックスなのも、キングカメハメハとエアグルーヴがニックスなのもこれで全部説明できます
だから似たようなアウトラインの配合で似たようなHyperion粘着脚質ではあるけれど、Chief's Crownが入るぶんヌーヴォレコルトのほうがトニービン的な斬れ味は上で、ゴール板を過ぎてからやっとこシングウィズジョイを交わしていたディアマイダーリンのあまりにもHyperion的なジリ脚を見ながら、そんなことを考えてました
ディアマイは母系にVaguely Nobleも入るし、このジリ脚ですからもう一つ前で受けたほうがより味があるタイプかもしれません
以下NETKEIBA「重賞の見どころ」より再掲
シングウィズジョイ
母シングライクバードは5勝をあげたオープン馬でフラワーC3着。母母シングライクトークも7勝をあげマーメイドSと阪神牝馬特別で2着がある。その母フリートークはフラワーCとクイーンSに勝ち桜花賞3着と、代々中山と阪神の内回りの重賞で好走してきたのはRoberto系リアルシャダイを引くからだろう。母はRoberto3×4を持つが、本馬はマンハッタンカフェ×シンボリクリスエスでBold RulerとPrincequilloのクロスだからショウナンラグーン(シンボリクリスエス×マンハッタンカフェ)を逆さまにしたような配合で、脚長で外回りで斬れる脚も使える。機動力と斬れ味の両方を兼備していて弱点が少ないが、悪く言えばどっちつかずの脚質でもあり、ここも大崩れはないだろう。
ディアマイダーリン
半兄にエンシェントタイトルS(米G1・ダ6F)2着のIrrefutableがおり、イトコにゴールドアリュールやゴールスキーがいる。母母Reluctant GuestはビヴァリーヒルズH(米G1・芝9F)勝ち馬。父はハーツクライで母はNorthern Dancerのクロス4×4、母系にNureyevとMr.ProspectorとNever Bendが入るという点でヌーヴォレコルトとよく似た配合パターンで、晩成傾向のハーツクライ産駒にしては3歳春にある程度完成する配合といえる。フラワーCはジワジワ進出してゴールまでしぶとく脚を使っており、鋭い瞬発力こそないがHyperion的な持続力ある末脚は東京向き。乗り慣れた横山典なら赤松賞のような好位差しでいいところだろう。
マイラーズCはディアデラマドレのスタートが拙く最後方、アチャーと顔をしかめながら前に目を転じると、サンライズメジャーが馬ナリで先頭に立っていて、いやいや冗談やろ、まだ前に2~3頭先行馬がおるんやろと思いなおしたほどで、しかし何度見ても、ハナを切っているのはもう2年以上条件戦でも逃げたことのないサンライズメジャー
そんなわけで最終レースよりも1000m通過が2秒遅く、勝ち時計もコンマ4秒遅いというものすごい上がりの競馬になり、ディアデラマドレが勝負と全く関係のないところでエゲツない脚で追い込んでいるのを呆然と見ながら、「それやったらアリオン差してくれえええっ!」と一声叫んだところがゴール(・∀・)
デビュー当時は小牧さんや祐一が差して惜敗を重ねていたレッドアリオンは、川須とコンビを組むようになると先行前受けに転じて躍進、NHKマイルで3人気に支持されるまでに出世しましたが、その大一番で痛恨の出遅れ、マイネルホウオウよりも速い上がりで追い込みましたが4着でした
〈でもアリオンが本格化してG1に駒を進めて3人気に支持されるまでになったのは、もちろん厩舎サイドの努力によって馬が心身ともに逞しくなってきたのが大きいのですが、川須が乗って前で受けるようになったからというのが一つキッカケにもなってるし、今日の出遅れを責める気にはならないです
大知の涙をみていると、まあ川須がここで勝つのはまだ早いということやろうなあ…と、乗れる男ですからいつかは大きいレースも勝つでしょうが、もっといろいろ背負って泣けるようなところで勝つべきなんやろうなあ…と、そんなふうには思いました〉(NHKマイルC回顧~心に響く早仕掛け)
前で受けるべきだと書きつづけてきたレッドアリオンが川須とのコンビでついに重賞を勝ったのは嬉しいかぎりですが、しかしゴールインした瞬間、隣で見ていた友人は「な、なんじゃこのレースは…」、すぐ前に立ってたオッサンも「なんじゃこれは…」
私は決してスロー全否定ではないし、ディアデラマドレが上がり31秒台で届かなかったから文句言ってるわけでもないし(^ ^;)、いつもいつも出走全馬に公平な競馬なんてつまらんとさえ思っていますが、でもやっぱりね、前夜から専門紙買って予想して、いろんな思いを込めた馬券を握りしめて、固唾を呑んでレースを見守っているファンが、ゴールインした瞬間に「なんじゃこれは…」と呟いてしまうレースは、まず興行として不味いと思うのですよ
楽しみにしていた桜花賞やマイラーズCを見て、「なんじゃこれは…」はアカンやろうと
週末はPOG書籍と月刊誌の締め切りに追われて、けっきょく日曜も朝起きてあずさ賞を予想しただけ(あのカレンラストショーも「なんじゃこれは」でしたが…)、あ、もちろんNETKEIBAに出した前上記の予想は手を抜かずに予想しましたよ、熟考の結果外れました(^ ^;)
体調が良化してきたので現場に出向くかと、ほぼ予習ゼロの白紙の状態で阪急電車に揺られて競馬場へ、オッサン二人で専門紙とパドックを頼りに毎レース予想してましたが、どのレースも検討をはじめて最初に口に出る台詞が「…これしかし、まずどの馬が逃げるんや?」「どれやろなあ…それがまずわからんなあ…」
あんまり書くとまたオッサンの懐古主義かいなと言われそうですが、昔は予想するときに「どれが逃げるんや?」なんて悩むレースはあんまりなかったし、何も行かないならここは俺が逃げなアカンやろと空気を読んで逃げる乗り役がいたし、そしてそういう場合はみんな然るべきペースで逃げたもんです
馬場が高速化していること、タメて斬れるサンデーの血が拡散していること、他にもいろいろ要因があるでしょうが、「なんじゃこれは…」と「どれが逃げるんや?」が蔓延するのは、やっぱり興行として不味いだろうと
ニックス(1)~リアルシャダイ×ロイヤルレジナと「母父1/4欧」
http://blog.goo.ne.jp/nas-quillo/e/202265b81bc0891e8a2c559d355f1752
騎手より先に調教師が考えを変えた方がスロー蔓延はどうにかなるかと
去年のダービー直前から、ワンアンドオンリー×ベルカントを妄想していて、ワンアンドオンリーがデカい所を勝ったら、何時かはそのあたりをききたかったんですよね。
ワンアンドオンリーの成功と、シュヴァルグランの失敗を踏まえると、ハーツクライ産駒でPOG期間中に好成績をあげるには、ノリさんに乗って貰える環境にあるかないかも、取捨のポイントになると思います。
そういう訳で、須貝先生トコのワンアンドオンリー二号を、指名するかしないか迷っている最中です。
福島は◎オメガでした(^ ^;)馬券総合クラブは過去の予想は無料閲覧できるはずです
ハーツ×バクシンオーだけでは、可も不可もなしとしか言いようが…テスコボーイはいいと思いますが
一昔前は開幕週になると血統表見てサクラユタカオーを探す作業をしていたものです
ステゴ黄金配合からはちょっとズレているとは思いますし、前者も個体としてフェイムゲームだけが抜けている現状(もちろんグランドサッシュの成長曲線には期待)と考えると、こんなものなんでしょうかね?