ラシアンルーブルはキングエドワード七世S(英G2・芝12F)でShareef Dancerの2着ぐらいの実績しかないのですが、当時の日本はNijinsky系種牡馬が成功しており、しかも「マルゼンスキーとNijinsky×Buckpasser×Princequilloまで同じ7/8同血」という売り文句もあって、輸入当初からなかなかの人気を集めました
http://db.netkeiba.com/horse/ped/000a000cda/
しかし産駒はマルゼンスキーと比較すると圧倒的に力馬タイプが多く、それは残りの1/8の違いにあり、ラシアンルーブルの3代母Lady Be GoodはBetter Self×Eight Thirtyという北米血脈のパワーの塊で、母SquanderはBusanda≒Better Self2×3のニアリークロスでそのパワーを増幅していました
┌War Admiral
Busanda
└△
└La Troienne
┌○
│└La Troienne
Better Self
│┌War Admiral
└△
Nijinsky×Buckpasser×Princequilloまで同じで、MenowとBull DogとBlue Larkspurのクロスも同じなのですが、きれいな父母相似配合だったマルゼンスキーとは違って、ラシアンルーブルはSquanderのBusanda≒Better Self2×3の強大なパワーのほうを主に伝え、帝王賞のラシアンゴールドなどを輩出します
芝の代表産駒イソノルーブルは父の米血には全くノータッチで、母はNasrullah3×3でPharos=FairwayとBlandfordで塗り固めた配合をしていて、この馬とアイネスフウジンはテスコボーイのスピードで東京2400を逃げ切ったといえますが、これはこれでなかなかの名配合
http://db.netkeiba.com/horse/ped/1988104640/
Squanderは名牝グッバイヘイローの母母、つまりキングヘイローの3代母でもあり、だからラシアンルーブルを引く牝馬にキングヘイローを配するとSquanderのクロスが派生することになります
キングヘイロー×デインヒル×ラシアンルーブルのキングスベリーはNorthern Dancer4×4・5、Squander4×4、Buckpasser5×5・5、JRAで3勝をあげた後繁殖入りし、シニスターミニスターとの間にキングズガードを産みます
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2011105960/
「母はSquander4×4など凝った配合で短距離で3勝をあげ能力をみせましたが、ややパワーに偏った配合で力馬っぽいところはありました。だからタイキシャトルとの配合でHalo≒Sir Ivor≒のニアリークロスやナスキロのクロスにしたのは方向としては正しく、パワー兼備でダートも達者な上級マイラーとして期待できる馬ではないかと思います」
これはキングズガードの兄ウォーターパークを一口ピックで推奨したときのコメントですが、兄は残念ながらJRAでは未勝利に終わりました
キングズガードの父シニスターミニスターは父系のA.P.IndyがStriking=Busher≒Busanda5・5×3(War AdmiralとLa Troienne)、母父父のDeputy MinisterがBunty Lawless5×3、Ladder≒Parade Girl6×4・5で、このパワーがGood Example≒Eight Thirtyのニアリークロスでよく伝わることは「フジキセキ×Deputy Minister」の砂黄金配合にてよく説明しています
A.P.Indy系にしては珍しくTapitのように代々強いクロスを重ねていないので、インカンテーション然り(母オリジナルスピンはNative Dancer4×5・5)、ダブルスター然り(母ダッシングハニーはNorthern Dancer3×4とBuckpasser4×4)で、強いクロスを持ち自己主張が強い繁殖牝馬の尻に敷かれて成功するタイプの種牡馬といえます
「キングズガードもとうとうオープンまで出世したねえ。やっぱり私のSquander4×4のおかげよねえ~」とキングスベリー母さんは大きな顔で言うでしょうが、こういう上沼恵美子みたいな繁殖とコンビを組んで、高田純次みたいに立ち回れるのが種牡馬シニスターミニスターのいいところ
ではプロキオンついでに「今週のアフリート魂」、ニシケンモノノフは8枠に入ったときは[2-0-0-1]、マルカフリートは[1-1-0-1]ですな
デインヒルとルフィーラはニックスか
地味な血統ですが何気に名配合やと思います
韓国ではクラシックホースも輩出したそうで