栗山求/望田潤監修「パーフェクト種牡馬辞典2024-2025」

有馬記念回顧~最後の一ピースはノーザンテーストの“筋力”

2012-12-23 17:05:50 | 血統予想

中山10R 有馬記念
◎2.エイシンフラッシュ
○13.ゴールドシップ
▲3.スカイディグニティ
△9.ルーラーシップ
×10.ダークシャドウ
×11.トゥザグローリー
注8.トレイルブレイザー
注14.ビートブラック
前半は各馬様子をうかがってスローも考えられるが、ゴールドシップもルーラーシップも勝ちにいくには外に持ち出して早めロングスパートしかないし、そうなるとビートブラックをはじめ前の組も突っ張るしかないから、上がり5Fぐらいの機動力と持続力の両方が問われる競馬を想定。◎はハイペリオン血脈とドイツ血脈主体の配合で、春天で2着したようにスタミナそのものはあるのだが、母が持つレッドゴッド≒ステイアットホーム4×5のニアリークロスの影響で動きが無駄がなく俊敏で、トップスピードに乗るのが速いというのがもう一つの長所だ。だから直線の長いコースだとスローになったほうが加速力で好走しやすいのだが、内回り向きの機動力も十分なのは有馬2着や宝塚3着や大阪杯2着などを見ての通りで、単なるスロー専門ならば春天や宝塚や大阪杯で好走できるわけがない。そしてヴィクトワールピサをはじめ、ダイワメジャー、ネオユニヴァース、ロゴタイプ、グランプリボスと、中山で機動力ある馬に乗せたらミルコの右に出るものはおらず、ゴールドシップが捲りきれるかきれないかのところを、インから切り裂いてくるのはこの馬だ。

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これからまだお仕事があるんですが、とりあえず有馬の回顧だけやっときます~

ルーラーシップの大出遅れ以外は各馬だいたい想定通り思惑通りに運べたと思うし、皇成もスタンド前でちょっと噛んだ以外はミルコの代役を果たしたといえる騎乗で、直線ではいつものように抜群の加速力で、一瞬凄い反応で抜け出してきました

そしてやっぱり内回りではゴールドシップは捲りきるところまではいかなかったのですが(直線入り口ではまだ10番手)、内回りとか外回りとか、4角で何番手とか前と何馬身差とか、そんな細かいことはいいんだよと、岡田総帥も言ってましたがとにかくスピードに乗ってしまえばいつまでも伸び続ける馬なんだから、上がり5Fをストライドロスなくスピードに乗りきって走りきるにはどうしたらいいか…というシンプルな思考を、今日も大胆に実行してみせたウチパクの胆力がまずアッパレでした

終わってみればヴィクトワールピサやマツリダゴッホ級の機動力型がいなかったということもありますが、上がり11.9-12.1-12.1-11.9-12.0、このロングスパートの持続戦を、外々を回りながら11.6~11.8ぐらいで走り続けたゴールドシップとルーラーシップの持続力が際立ったレース

東京2400mの上がり11.7-11.5-11.5を現役最強のピッチ走法が制し、中山2500mの上がり12.1-11.9-12.0を現役最強のストライド走法が制するのですから、レースは生き物…とは使い古された言葉ですが至言です

勝ち馬の配合については何回も書いてきましたが、オルフェーヴルとは母父メジロマックイーンだけでなく、オルフェがノーザンテースト4×3なのに対しゴールドシップはノーザンテースト≒The Minstrel4×4という点も似ています

ステイゴールドはサンデーとPrincely Giftの柔らかさとディクタスのスタミナが主にONになった競走馬で、小柄で頑健さが少し足りないのが唯一の弱点で、だから直線平坦の2400m以上でベストパフォーマンスを発揮しました(全7勝は東京2勝、京都、札幌、旧中京、ナドアルシバ、沙田各1勝で、実は直線に急坂があるコースでは一度も勝っていない)

そして産駒の代では、ノーザンテーストをクロスしたり、Lady AngelaにFlower BowlやAlycidonを合わせたりすることで、つまりノーザンテーストの頑健さを増幅することで、父に欠けていた「パワー、筋力」という最後の一ピースを埋めることで、父を超える息子たちが次々と生まれているのです

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日曜のボツ予想~叔父もラトロ多数

2012-12-23 10:51:54 | 血統予想

ノエル賞はクロフネ産駒で母母がトニービン×ノーザンテーストの▲メイブリーズ…とも思ったんですが、土曜はインベタ馬場だっただけに機動力もありそうな◎ファーゴ
ロゴタイプの叔父で母はBuckpasser3×3、自身はBusanda≒Striking=Busher6×5・5・6・6で、「サンデー×ミスプロ×War Admiral×La Troienne」ですがWar AdmiralとLa Troienneが多めで、パワー型に振れているぶん中山マイルは合いそう
新潟外マイルの最速ラップのところでビュンと抜け出したものの最後アップアップ…というような馬は、たいてい根は小回り向きというか機動力型だったりします
ウインクリアビューはコスモセンサーと同じMill Reef≒Rivermanのニアリークロスで1600mがピッタリ、母系にBold Rulerも入って小回りもきくタイプでここも有望ですが、ムーアが中山で東京ほど冴えが見られないというかなかなか頭まで突き抜けられないのは、4角で仕掛けていくという意識がまだ少し希薄だからじゃないか…と

というわけで▲シャドウパーティーはオープン入りまではずっと◎だと書きましたが、さすがに2500mへの延長はちょっと感心しないのとムーアが信用ならないので、グッドラックは◎ヴァーゲンザイルとしました
ネオユニ×テーストはマルカボルトと同じで、こちらは母系に入るAureoleがKrisと脈絡するので実績どおり2400mのスタミナもあって、ようするに“長めマルカボルト”
中山は[1.2.1.1]、良では全部馬券に絡んでます

サンタクロースは◎エアルプロン
どちらかというとエアデジャヴー似で、この一族はノーザンテーストとBold RulerとRibotですからパワーと機動力が売りで、この馬も京都内2000mの内容はかなりいいですよ
パッションダンスと▲レインフォールを目標に捲れるとみました
ナムラオウドウはスピカ2着はインベタ馬場の最内を突いただけで、ミルドリームともども本質は外回り向きやと思います

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エイシンフラッシュは三浦皇成に乗り替わり

2012-12-23 09:08:29 | 血統予想

ミルコ・デムーロが病気のため、有馬記念のエイシンフラッシュは三浦皇成に乗り替わりとなりました~

◎にした立場でいうと、ヴィクトワールピサやロゴタイプをミルコのように乗るなんて他の誰も真似できないのだから代役なんて務まるはずはなくて、とにかく折り合いだけつけて内々で丁寧に乗れる人…という意味で、空いてる人のなかでは吉田隼人しかいないんじゃないかな~と思ってたんですが、皇成がいましたか

いずれにしても、これで▲スカイディグニティに比重を置いて買うことになりますが、この枠と土曜の馬場バイアスならば、インを繊細に捌くフランス人乗りでいいんじゃないかとは思います

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