栗山求/望田潤監修「パーフェクト種牡馬辞典2024-2025」

有馬も迷わず向正面スパート

2012-12-19 15:36:46 | 血統予想

ゴールドシップはオルフェーヴルと同じステイゴールド×メジロマックイーンというだけでなく、オルフェがノーザンテースト4×3なのに対しこちらはノーザンテースト≒The Minstrel4×4で、ノーザンテーストの頑健さを増幅するという配合全体の方向性も同じ
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2009102739/

一つ違うのはPrincely Gift5×5も持つ点で、オルフェよりも脚が長くてストライドは大きいがオルフェほどは俊敏に動けないというキャラの違いは、Princely Gift的な要素がONになっているからともいえます

ちなみにPrincely Giftのクロスを持つ重賞勝ち馬には、コスモバルク、サイレントハンター、メルシーステージ、サンライズマックス、メジロマイヤー、ブルーイレヴン、マイネレーツェルなどがいます

大きく動けるが速く動けないという点ではルーラーシップと似たキャラで(ゲートが開いてすぐ反応できないので、もともとスタートダッシュが速くない点も似ている)、早めにトップスピードに乗って惰性で伸び続けるレースで強い馬ですが、菊花賞も神戸新聞も捲りというよりは向正面でもう外に出して押し上げはじめているんですね

この向正面スパートを最初にやったのは、実はラジオNIKKEIのアンカツさんでした

あのときも向正面から3角に入る前にもうゴーサインを出してスピードに乗っていて、その勢いで3~4角大外を進出、しかし直線入り口では反応が悪くいったんグランデッツァやトリップに置き去りにされて、そして直線半ばからエンジンがかかってこの2頭を交わしたところがゴールで、インからスルスル抜けたアダムスピークは捕まえられなかった…と

3~4角に入ってから動くのではなくて、向正面の直線をスピードに乗るための助走に使っているわけで、そのまま大きなストライドで3~4角は外を回らされるのを覚悟の上で、距離ロスは覚悟の上で、それでもゴールまでスタミナは保つと信じて、ストライドロスなく伸び伸び走らせてあげようというのが、ウチパクやアンカツが達した結論だったわけです

考えてみればコーナーではスピードに乗りにくいのですから、その前の直線でスピードに乗ってしまえというのは、長く脚が使える前提があればたどり着く発想だったのかもしれません

皐月賞もウチパクがゴーサインを出したのは3角手前で、あの時点でここからノーブレーキでいくにはインを突くしかない、とウチパクは腹を決めていたはず

ダービーはすぐ前にワールドエースがいたので、これをずっと見る形で、これに合わせたスパートで、自分の競馬をするというよりも、ワールドエースを差せば勝てるんじゃないかという乗り方でした

今回は皐月のように内がポッカリ開くことはないでしょうから、いつも通り向正で外に出してスパートでしょう

それでヴィクトワールピサやマツリダゴッホのように捲りきれなくても、4角先頭に立てなくとも、とにかくゴールまで同じストライドで走り続けることができれば、その競馬でバテたことは一度もないしその競馬で勝ち続けてきたのだから、ウチパクに迷いはないでしょう

今年の有馬の予想は、ゴールドシップが向正で外に出して動く、キッパリ動く、ここから始まります

コメント (7)
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