栗山求/望田潤監修「パーフェクト種牡馬辞典2024-2025」

JCダート回顧~“砂のハーツクライ”渾身の前受けで、歓喜の初G1制覇

2012-12-02 19:32:38 | 血統予想

阪神11R JCダート
◎5.トゥザグローリー
○1.ハタノヴァンクール
▲7.トランセンド
△10.ローマンレジェンド
△12.ワンダーアキュート
×4.エスポワールシチー
注2.シビルウォー
◎は厳寒期に調子を上げる馬で、12~2月は[3.0.2.1]、3着2回は有馬記念で、着外はイン伸び馬場で外を回らされた中山記念、3勝は全て重賞で着差以上の完勝だから、オルフェーヴルとエイシンフラッシュとヴィクトワールピサとブエナビスタにしかまともに負けていない。母トゥザヴィクトリーはドバイワールドC2着にフェブラリーS3着、そこにキングカメハメハでクロスがヌレイエフ4×3、母譲りの頭の高い掻き込む走りからも、ダート適性はかなり高いのではないかと考えられる。しかもこの馬は本質急坂小回り向きだというのが筆者の考えで、だから例年有馬では重い印を打ってきたが、ここは激変を狙ってみたい。

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ニホンピロアワーズはホワイトマズル×アドマイヤベガ×Theatricalですから、アサクサキングスやシャドウゲイトやシルポートなどと同じ「ホワイトマズル×サンデーサイレンス」の組み合わせで、「サンデー×トニービン×Lyphard」のハーツクライを思い起こす配合形でもあり、そして毎度おなじみ「サンデー×Lyphard×ハイインロー」の配合形でもあります
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2007100191/

この配合形は抜かせないしぶとさが取り柄なので、前受けしてナンボなのだ…と札幌のオッサン血統屋が年中うわ言のようにつぶやいてますが、ニホンピロアワーズも4角3番手以内のときは[10.6.1.1]、4番手以下のときは[0.0.2.2]

ただホワイトマズルの重厚な中距離馬という印象が強く、1800m[7.4.3.2]、1900m以上[3.2.0.1]という成績からも、2000mぐらいあったほうが無理なく先行して前受けしやすいだろうし、ここはトランセンドにエスポワールシチーにホッコータルマエと速いのが3頭いるので、4角4番手ではちょっと厳しいかなあ…と私は思ってました

しかしトランとエスポにはもう往年の出足と粘りがなく、3~4番手を追走していたら直線で難なく先頭に立ってしまい、中だるみで上がりの速い決着になったこともあって、そこからは後続を突き放す完勝

《06年の師走。服部厩舎の2歳馬ニホンピロコナユキに騎乗して先頭でゴールを駆け抜けた。同馬の初勝利であり酒井自身もこの年の最初で最後の勝ち星だった。
「服部厩舎の調教のお手伝いを普段させてもらっていたんです。実戦で騎乗するチャンスをいただいて勝たせてもらえました。オーナーの小林百太郎さんが“一生懸命に乗る子だな”とおっしゃってくれて。それからご自身の持ち馬を本当にたくさん僕に乗せてくださるようになったんです」》(「週刊競馬ブック」藤村和彦のインタビューROOM Vol.6「飛躍する酒井学騎手」)

元所属だった西園厩舎のハクサンムーンで京阪杯を逃げ切って号泣したという酒井学ですが、今日の勝利騎手インタビューでもちょっと目がうるうるしているようにも見え、オッサン血統屋はこういうベタな美談に弱いです

もちろんかわいがっているからといって全部が全部酒井に乗せる必要はないし、酒井が乗るよりも他の騎手が乗ったほうがパフォーマンスが上がるのならば他の騎手に乗ってもらうべきやと思いますが、デビューからニホンピロアワーズにずっと乗っていて阪神ダ1800mも200回以上乗っているわけですから、ニホンピロアワーズを阪神ダ1800mでどう乗ればいいかは酒井学が一番よくわかっているわけですから、ならばジャパンCだろうが3歳未勝利だろうが、酒井学を乗せればいいのです

ローマンレジェンドは脚捌きはDeputy Minister的で力強いんですが、パドックを見るとやっぱり体型はスペシャルウィーク似で背中も脚も長く、おむすび型の阪神の4角で器用さや機動力を要求されたときに、果たしてどうなのか…という疑念はついに拭い去れないままでした

昨夜GCで辻三蔵さんが「みやこSはあんな狭いところを割らなくても、安全策で外に出していればもっと楽に勝てた」とおっしゃってて、たしかにこの馬は外を回したほうがいいと私も思いますが、そこでふと思ったのは、鋭角な4角での機動力に若干の不安が残るからこそ、本番前に岩田はああいう競馬で勝っておきたかったんじゃないか…と

エルムやみやこを勝ったときにも、何とか勝ったけれどそういう疑念は残るという言い方をしてきましたが、この馬のべストパフォーマンスは、ニュー中京の1800m(阪神よりも回りが大きく直線も長い)を、緩みない平均ペースでレコードで駆け抜け、トウショウフリークを6馬身ちぎったジュライSでしょう

「ローマンレジェンドは岩田だからあそこまで動かしてもってきたという印象で、やっぱり小回り1700mでは機動力やマイラーっぽいスピードが抜群という馬ではなく、それでも並んで叩き合って何とか競り勝ってしまうところが強いです
このあたりは同父のゴルトブリッツ(合掌…)と同じで、もっと長い距離でもっと大きなハコでもっとゆったり走らせればもっと強いのは間違いなく、JCダートが昔のように東京2100mならば◎は決まりなんですがね~」

土曜のレース回顧~ダートで、マイルで、高らかに新星が
http://blog.goo.ne.jp/nas-quillo/e/4ee2c213172310990bcc46af897d4c36

そしてグレープブランデーでローマンの外にずっと張り付いていたルメールは、イヤらしいというかさすがでした

というわけでJCダートもバッチリ外した日曜の夜に直帰して、これから有馬記念に関する原稿を張り切って書き上げないといけないわけですが、さっきから冷蔵庫の中の金麦が私を呼んでいる…(^ ^;)

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日曜のボツ予想~シルポートのイトコは抜群に俊敏

2012-12-02 11:32:50 | 血統予想

メイショウクオリアが予後不良ということで、「マンカフェ×Blushing Groomはニックスではないか」とPOGの原稿で推奨してデビュー当時からずっとレースを見てきた馬で、今でも出てくるたびに「おう、お前もまだ頑張っとるのう~」みたいな軽い挨拶は心の中で交わしてました
一番の思い出は、新馬勝ち後の初芝の格上挑戦のラジオNIKKEI杯、◎サダムイダテン→○メイショウクオリア▲オリエンタルロック(これもマンカフェ×Blushing Groom)で勝負したものの、サブジェクトがなかったあのレースですかね~
馬券的には非常に悔しかったのに、でもやっぱりメイショウクオリアは走るわい、やっぱりマンカフェ×Blushing Groomはニックスやわい…と半分ニヤけながら帰路についたのが思い出されます…お疲れさまでした

風邪はほぼ完治しましたがまだ本調子ではなく睡眠は多めにとったので、レース回顧は週明けにまとめてやります

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ターコイズは活きのいい3歳が揃って面白いレースですが、◎はサウンドオブハート
シルポートのイトコで、タキオンにCaerleonにWoodmanですからHalo的Tom Fool的に手先が抜群に俊敏、俊敏すぎて外マイルでは脚の使いどころが難しいほどで、だから中山マイルがベストだとデビュー当時から書いてきました

市川はイン伸びの中山フルゲートでフルアクセル買っちゃダメでしょう…というところから入って、とはいえ▲ノーブルディードは鉄砲がきかないしちょっと揉まれ弱いところもあるして、内枠なら○ラロメリアの小脚差しでよかったんですが、あれこれ考えても押し出されて人気になってる松岡の逃げにしか着地点がないレースで、まあ◎ナシュワンヒーローは中山マイルは2戦2勝でBlushing GroomのクロスにTom Foolが絡むので機動力もソコソコ、そもそもバゴ産駒は母方からスピードを入れないと成功しないので、活躍産駒はジリ脚ですが機動力はあるというタイプが多いのです

逆瀬川はソコソコ持続戦になるとみて◎アナバティックか○カレンミロティックかで迷いますが、Nureyevクロスのアルカセット産駒、ウィリアムスなら祐一以上にHyperionをぐりぐり搾り出すとみてアナバから

北摂は○ザッハトルテがクロフネ×Kingmamboのスプリングサンダー配合で、インから乾いたインベタ馬場のスローを外から猛然と追い込んだ前走からもやはり1400mベストで、ここはもうひと押しといきたいところですがまたもや開幕週の馬場に泣きそうな可能性もあり(^ ^;)、母父ブライアンズタイムの曲飛で京都外より阪神内がベターな◎メイショウゲンプとの2頭軸…という煮えきらない決断で

「母父ブライアンズタイム」の各場の芝1400の成績を調べると、
阪神内1400m[11.11.2.79]勝率10.7%、連対率21.4%
京都内1400m[9.2.4.49]14.1%、17.2%
京都外1400m[2.5.7.26]5.0%、17.5%
東京1400m[11.11.12.124]7.0%、13.9%
新潟内1400m[6.2.6.80]6.4%、8.5%
と、やはりこのコースが一番パワーが活きますから、☆キリシマトリオや△アルマリンピアもヒモには
脚長でナスキロ柔いワイズリーは戦績通り京都外>阪神内の扱い

浜松は▲アグネスウイッシュは中館さんで追い込むというイメージがわかないし(逆に新味が出る可能性もありますが)、ここは◎メモリアルイヤーの逃げ切りで
裏バクシンオー黄金配合でHyperion的頑健さで走るスプリンターですから、急坂があって上がりがかかるコースのほうが踏ん張れるんじゃないかと、京都の高速馬場でタメ逃げしても捕まっちゃうタイプですからね~

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