最近では「先週の雑感・阪神編~クロスに素直なキンカメ産駒」でも書いたように、Mr.ProspectorとRobertoが出会うとGold Digger≒Bramaleaのニアリークロス(Nashua×Bull Dog×Blue Larkspur)になり、そこにSadler's Wells=Fairy King≒Nureyevが加わるとNashua≒Nantallahのニアリー継続クロスになるわけです
もう一度配合略図をコピペしときますか
┌Nashua
Bramalea
│ ┌Bull Dog
│┌Bull Lea
└Rarelea
│┌Blue Larkspur
└Bleeok
┌Nashua
Gold Digger
└Sequence
│┌Bull Dog
└Miss Dogwood
│┌Blue Larkspur
└Myrtlewood
┌Nasrullah
Nashua
│┌Johnstown
│││┌Sir Gallahad
││└La France
││ └Flambette
└Segula
┌Nasrullah
Nantallah
│ ┌Sir Gallahad
│ ┌Gallant Fox
│┌Flares
││└Flambino
││ └Flambette
└Shimmer
たとえばKingmambo(Mr.Prospector×Nureyev)とRobertoを併せ持つ馬には、ハタノヴァンクール,トウカイトリック,フィフスペトル,スプリングサンダー,レディルージュ,ミッドサマーフェア,ラブフール,カウアイレーン,ツルマルレオン,アドマイヤメジャーなどがおり、他にもMr.ProspectorとRobertoとSpecialを併せ持つ馬にはフリオーソ,メイショウトウコン,ランフォルセ,トーセンブライト,マイネルスケルツィ,コスモヘレノス,オーロマイスター,オウケンサクラ,ナニハトモアレなどがいて、これらのメンツをザッと見ただけで、適性が小回り・急坂・洋芝・ダートに傾くようなパワー加速がONになりやすいことは明らかです
だから「キンカメにRobertoが入ると、ハタノヴァンクールやフィフスペトルのように捲り脚質になる」ということはしつこく書いてきましたが、Seattle Slew的な胴長体型と緩慢ストライドを伝えるシンボリクリスエスにしても、母系にMr.ProspectorとSpecialを入れてやると、ランフォルセ、ブルーミングアレー、ジェントルマンと、Roberto的Nashua≒Nantallah的機動力型がとたんに出るのですから面白いです
セントライトの出走予定馬でいうと、ソルレヴァンテはキンカメ×トニービンでHornbeamのクロスですから、これだけでいえばミッキードリームのようなストレッチランナーに出て不思議はないのですが、4代母がSpecialでSpecial5×4のクロスを持つのでこちらのパワーと粘りで走る脚質となり、内回り向きの粘っこい先行馬となりました
ラウンドロビンはタニノギムレット産駒ながら意外に俊敏な小脚を使う馬で、東京マイルでは行っても差しても少し足りずに2着を5回続けた後、新潟の中距離でポンポンと連勝しましたが、前走は外2000mの超スローの11.3-10.5-11.3の上がりの競馬を2番手から鋭く抜け出し、あれは新潟記念のトランスワープ同様、小回り向きの俊敏加速が外回りの超スローで活きたパターンといえます
タイガーカフェの甥にあたりますが、これも母系に入るYeatsがNijinsky×Lisadel(LisadelはSpecialの全妹で、つまりYeatsはNureyevと3/4同血)ですから、やはりNashua≒Nantallah的なパワーを受けて小回り向きの機動力を増しているわけですね~
ハイみなさん、テキスト37ページを開いてください。今日はディープインパクトを使って、ダービー馬や桜花賞馬をつくってみたいと思います。
あのね~、あんまり難しく考えなくていいの。簡単にいいますとね、Never BendとBuckpasserを持つスプリンターかマイラーと配合してください。それでディープよりマッチョな体つきになったら、桜花賞でもオークスでもバーンと弾けちゃいますよ~。
「…先生、それジェンティルドンナとマルセリーナそのまんまやないですか…」
あらら失礼ねえ~、ではイマダくん、37ページの頭から大きな声で読んでちょうだい
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3歳春に大レースを勝ちきったディープインパクト産駒には、以下のような配合的な共通点があります
1.母や母父がマイラー・スプリンターである
ディープブリランテの母ラヴアンドバブルズはクロエ賞(仏G3・芝1800m)勝ち馬で、その父Loup Sauvageはイスパーン賞(仏G1・芝1850m)勝ち馬
ジェンティルドンナの母ドナブリーニはチェヴァリーパークS(英G1・芝6F)勝ち馬で、その父BertoliniはナンソープS(英G1・芝5F)2着のスプリンター
リアルインパクトの母トキオリアリティーは1400m以下で3勝、その父Meadowlakeはアーリントンワシントンフューテュリティ(米G1・ダ6.5F)勝ち馬
マルセリーナの母マルバイユはアスタルテ賞(仏G1・芝1600m)勝ち馬で、その父MarjuはセントジェイムズパレスS(英G1・芝8F)勝ち馬
2.母系にLa Troienne的パワーが強い
ジェンティルドンナ…Never Bend,Busanda,ジュニアス
ディープブリランテ…Never Bend,Buckpasser
リアルインパクト…Bimelech
マルセリーナ…ラストタイクーン経由でNever BendとBuckpasser
ディープブリランテの母や母父はマイラーというより1800mタイプというべきだし(しかしLoup Sauvageは仏2000ギニー2着がある)、リアルインパクトの母系にはLa Troienneは一本しかないですが(しかしこの母系にはLa Troienneに匹敵するぐらいの北米パワー血脈が豊富)、まあザックリまとめると、「3歳春に大レースを勝ったディープインパクト産駒は、Never BendとBuckpasserを通じてLa Troienne的パワーを受け、マイラーとして活躍した母から生まれており、牡なら500キロ、牝でも450キロは超える馬格を誇る」とはいえるでしょう
このことはオークスやダービーの後にも書いたのですが、「父同様の薄手の体つきでパワーよりもしなやかさと無駄のなさと俊敏さで走る馬が多いディープ産駒が、3歳春にある程度完成の域に達して大レースを勝ちきるために必要なものはまず筋力であり、筋力を伝える母から筋肉を受け継いだもん勝ち、という面はあるのかもしれない」ということではないかと
そして今のところ、つまりリアルインパクトとマルセリーナの二例だけでいうとですが、この手のLa Troienne的筋肉増幅配合は3歳秋以降、それまで以上のパフォーマンスは見せていない…という見方も可能かと
もちろんリアルインパクトの毎日王冠とか、マルセリーナのヴィクトリアマイルとか、ベスト条件で力を出しきったときはさすがG1馬といえるパフォーマンスは見せているのですが、それでも「3歳春の時点と比較して更に強くなった」といえるほどではないでしょう
一方でグルヴェイグ、トーセンレーヴ、スマートロビン、ダノンシャークといった、古馬になって一皮むけてきたディープ産駒は、母がナスキロ的柔らか体質を伝えたり、母が重厚な中長距離型だったりというケースが目立ちます
つまりディープ産駒の場合、ナスキロ柔さやHyperion的スタミナを重視した配合をすると、3歳春の時点では柔らかすぎて緩すぎて、まだ未完成ということが多いのではないかと
秋のトライアルにあたっては、このあたりも頭の隅に置いておくべきかなあ…とも
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「先生!ファイナルフォームができました!」
「まあいいのができましたね~♪ファイナスデスティネーションはNever Bend≒Bold Reason5×3でニュージーランドの1000ギニー勝ち馬ですね。ラストタイクーンを引くパワーマイラーは鉄板ですよ~。それにしても530キロとは大きく出たわねえ」
「先生、私もラストタイクーン使ったんですが、ターゲットマシンができちゃいました…」
「あらあ~これはなんだかグニャグニャしてるわねえ…ディープにMachiavellianはヴィルシーナもそうだけど、柔らかすぎてバーンと弾けないところがあるのよ。あとこの母はMill Reefのクロスですね、これじゃ柔らかくなりすぎです」
※今週の競馬総合チャンネル「血統クリニック」はローズSです
第73回オークス回顧~ムキムキのパワー加速で2400mも圧勝
http://blog.goo.ne.jp/nas-quillo/e/30aa78c0325bab791e1561f49419319b
ディープのLyphardクロスにおいて暗躍する「Northern Dancer+Fair Trial+Never Bend」
http://blog.goo.ne.jp/nas-quillo/e/e39b87d84d22fa9a751400148d2a07a0
皐月賞でも大威張りのBurghclereのニアリークロス
http://blog.goo.ne.jp/nas-quillo/e/08464f0c05e105e5bf092343503ee31c