栗山求/望田潤監修「パーフェクト種牡馬辞典2024-2025」

ベールドインパクトのコース適性と、ミルドリームの距離適性について

2012-09-20 11:32:05 | 血統予想

神戸新聞の「血統クリニック」を入稿したところですが、ここでは伏兵2頭についてちょっと書いてみようかと

ベールドインパクトはコイウタの3/4弟で、「サンデー×ミスプロ×ヒッテングアウェー」のA級配合形でもありますが、母系のTom RolfeやLa Troienneのパワーがオンになった馬で、ディープ産駒にしてはあまりストライドが伸びない走りだから、内回り小回りで捲る脚質だと書いてきました(だから◎にしたのはすみれSだけ)
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2009105730/

なんといっても阪神外1800mの未勝利勝ちがビックリで、14-1という通過順位をみてのとおり、外回りでも捲れるなら捲ったれい~と、デム兄らしい大ざっぱで豪快な捲りで決めてしまいました

この馬のようにディープインパクトにTom RolfeをもってくるとPocahontas(Roman直仔でBuchan3×5)のクロスになり、このパターンはヴィルシーナ、シュープリームギフト、ディープサウンド=ラスヴェンチュラス、ジョンズコール、アルティシムス、モスカートローザなどがいますが、Roman的なパワーの要素がONになりやすいのでディープ産駒としては小回り向きパワー加速になりやすいのです(ラスヴェンチュラスはWild Riskの6×5がONになってナタ斬れしますが)

白井で外枠を引いてしまったチェリーメドゥーサに◎が打ちきれないので無難にジョンズコールから入ったのですが、そのときにも書いたようにジョンズコールは母母がRoman5×4などでブレイヴェストローマンのパワーを増幅していて、中山で俊敏にイン差しできるような機動力はある馬ですよ

ミルドリームはシンボリクリスエス×フジキセキ全妹でボルキロ(Bold RulerとPrincequillo)のクロスで、配合どおりの柔らかなストライドで走る馬です
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2009106003/

新潟外マイルの新馬でエネアドと叩き合い、続く阪神外1800mの未勝利戦をアッサリ差しきったときから、“長めセイクリッドバレー”と命名して東京外回り向きだと書いてきましたから、内2000mの福寿草で凡走後に出てきた外2400mの梅花賞で◎にしたときは得意満面でした

しかし内回りのすみれや若葉で少し甘くなったのは仕方ないとして、道中13秒台が一度もない緩みないラップの青葉賞では直線伸びあぐみ、4か月の夏休みをもらった後の前走弥彦特別ではラスヴェンチュラスと同着のレイカーラを相手に役者が一枚上という勝ちっぷり

そのときにも書いたのですが、これだけ強いと長いところよりも1800mぐらいがベストで、距離適性的にもセイクリッドバレーと近いものがあるのではないか…と

フジキセキの3代母MillicentはBold RulerとPrincequilloの組み合わせですから、シンボリクリスエスをもってくるとSeattle SlewとMillicentを通じるボルキロのクロスになるわけですが、「シンボリクリスエス×フジキセキ全妹」という配合は他にシャイニンアーサーやクリスティロマンスがおり、どちらも成績からは1800m>2000mという距離適性です

また同じような配合パターンとして、「シンボリクリスエス×サイレントハピネス&スティンガー全姉妹(母系に入るChieftainがBold RulerとPrincequilloの組み合わせ)」を調べてみると、サイレントメロディ、サトノギャラント、サイレントフォースと、やはり1800m>2000mという傾向があるのです

他にも「シンボリクリスエス×サンデー×母母にボルキロ血脈」という配合パターンを検索してみると、ナイトフッド(母母にSecretariat)やフジマサエンペラー(Seattle Slew4×4)と、やっぱり1800mベストやなあという馬が引っかかるんですね~

そしてシンボリクリスエス×フジキセキという組み合わせからは、スプリングSと毎日王冠に勝ったアリゼオが出ています

というわけで、阪神外2400mでのミルドリームの取捨は、スタミナ的に1800m寄りのレースになるかどうかじゃないかと思うわけです

コメント (4)
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