栗山求/望田潤監修「パーフェクト種牡馬辞典2024-2025」

「2歳勝ち馬評価」先週分を5頭アップ

2012-09-19 15:59:24 | POG

先ほど「望田潤の2歳勝ち馬評価」先週分を5頭アップしました~

残念な知らせが二つ、一つはウインバリアシオンパララサルーが脚部不安で休養とのこと…

もう一つはリンカーン死亡のニュースで、まだ12歳なのに…とこちらも驚きでした
グレースアドマイヤ譲りのFair Trial的機動力で走る馬で、内回りでは①③④③③①②④①①①、④着2回はスイープトウショウ、ハーツクライ、ゼンノロブロイと入線した宝塚と、ゼンノロブロイ、サクラプレジデント、ネオユニヴァースと入線した神戸新聞
母がトニービン×Sadler's Wellsですからスタミナもあって、中山2500mで◎、他の内回りでは○▲ぐらいの評価で通していれば馬券的にいいお付き合いができたはずなんですが、デビュー当時は私も「アドマイヤベガと同じサンデー×トニービンやからダービー向きか?」なんて思ってました
父と母父が同じでも残りの1/4でタイプが全く異なるという好例ですが、もう晩年になってからですかね~、この馬内回りだといつも上手にスイスイ捲るよなあ…と気づいたのは
でもそれはヴィクトリーの皐月賞◎などに活かされました、感謝とともに合掌…
産駒もデルマドゥルガーとかマスイデアとかプロフェッサーとかボーイフレンドとかオマワリサンとか、内回り小回りを機動力で頑張ってます

エンパイアメーカーのお題が思った以上に盛り上がり、3日間開催の余波で一日前倒しだというのに私もついつい長文連発してしまって(^ ^;)、さっきレースはザッと見直したんですが先週の雑感はお休みしますm(_ _)m
ま~簡単に振り返ると阪神は3日間とも公平馬場、中山は土日インベタ日曜突然公平馬場ということで(^ ^;)、ぼちぼち神戸新聞の血統クリニックに手をつけないと…

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エルコンとマンボネフューとトロワボヌールにおける「3/4と1/4の概念」

2012-09-19 13:39:37 | 配合論

望田潤の2歳勝ち馬評価」先週分を書いているところですが、エンパイアメーカーのところで「欧米血脈の3/4と1/4の概念」について書いたこともあり、今回はサンプルとして書き上げたばかりのマンボネフューの評価を掲載することにしました~

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マンボネフュー(牡 美浦・国枝)
バゴ×セカンドハピネス(Storm Cat)
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2010104441/
母セカンドハピネスはStorm Cat産駒でKingmamboの半妹、その母MiesqueはマイルG1を勝ちまくった名牝で名繁殖でもあります。バゴとの配合はNureyev3×3となりますが、バゴの代では母母Coup de Folie、そしてマンボネフューの代では母父Storm Catが、「3/4欧、1/4米」の1/4米血=1/4異系っぽく注入されているのがポイント。NashwanとMiesqueの重厚で底力溢れるハイインロー血脈を増幅した配合なのに、Red God≒Halo≒TerlinguaとFair Trialの継続クロスでヴィクトワールピサのような抜群の俊敏さ機動力があるのが素晴らしく、この鞍上なら皐月をひと捲りの絵まで浮かんできます。
A:芝ダ1800~2200m

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名馬エルコンドルパサーの名配合において、Nureyev≒Sadler's WellsとSpecial=Thatchばかりがクローズアップされるのはまあ仕方ないですが、この大胆な欧名血クロスの陰でMr.ProspectorとSeattle SlewというA級米血がそれぞれの代で1/4異系的(3/4欧,1/4米)に使われているというのも見逃せない事実で、たとえばここがMr.ProspectorでなくSharpen UpでSeattle SlewでなくCaroだったならば、この眩しいばかりの3/4同血クロスはここまで光り輝くことはなかったのではないか…とすら思っています
http://db.netkeiba.com/horse/ped/1995108742/

マンボネフューはバゴとMiesqueを通じるNureyevの3×3、しかもHeight of FashionとFlower Bowlの脈絡も相当なスタミナを主張してきますから、これだけみるとカドラン賞向きのステイヤー配合とすらいえるのですが、ハイインロー血脈を強く増幅する一方で、バゴの代ではCoup de Folie、そしてマンボネフューの代ではStorm Catと、最高の米血スピードを1/4異系的に注入しているというのがポイントで、つまりやってることはエルコンと同じなわけです

3/4の継続クロスが配合の幹で、1/4異系的な部分がサブの要素だとすると、エルコンやマンボネフューは並のチームなら中軸打てるMr.ProspectorやSeattle SlewやStorm CatやCoup de Folieに送りバントとか右打ちさせてるような贅沢な配合で(そしてそのつなぎが阿部のスリーランへとつながる)、良血とはこういうのをいうべきなのでしょう

トロワボヌールの場合は母がサンデー×Kris×Seattle Slew×ですから「3/4欧,1/4米」のバゴに「3/4米,1/4欧」の牝馬を持ってきてHaloをクロスしましたという、これはバゴに米血スピードを補って先行力機動力を出すには最も無理がなく成功しやすい形で(先行か捲りでないとバゴのハイインローは宝の持ち腐れ)、ビッグウィークもオウケンサクラもこのパターンです
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2010103823/

こちらはHalo≒Red Godのニアリークロスが中軸を打つ配合ですから、マンボネフュー型よりも日本の高速馬場では成功率は高いのはたしかで、トロワボヌールもイン伸び馬場で外回していい脚長く使ってて、母チューニーを少しハイインロー的粘着型にした感じで、これもオウケンサクラぐらい走りそうで、バゴフリークにとっては盆と正月な連休だったんじゃないかと(^ ^;)

今回エンパイアメーカーお題でやってみて、いろんな人のコメントを読んで改めて痛感したことは、ある種牡馬(繁殖牝馬)からみてクロスする血とか血脈構成のバランスとか、正解は決して一つではないということで、繁殖としての配合までにらむのかどうかでまた変わってもくるし、最後の最後はそれぞれの信念や流儀で決めるぐらいのことなんやと

私の場合はIcon ProjectとPioneerof the Nileの配合形が今まで培ってきた理屈に沿っていて、ここから次世代の配合も考えやすいってことで、そんななかで頭に浮かんできたのがバトルバニヤンだったわけで、別にジャングルポケット肌をイチオシしてるわけではないんですが(^ ^;)、ま~でもあんまり詳しくない人にそういうニュアンスを伝えるのって難しい…

そうすると結局セリ名簿でオーダーに応じてピックアップ…というのが一番話が早いんですが、牧場や調教師との付き合いとか預託とか仔分けとかいろいろしがらみがあったり、人付き合いだけで毎年1,2頭持ってるような馬主さんも多いですから、「こないだ選んでくれたアレな~、○○先生がこっちにしてくれって言ったから話変わったから」ってな結末で脱力ということもあるのです…

ま~本当に血統突き詰めてやってる人なら自分で配合したいし自分で選びたいに決まってるわけで、そういう人に参考意見的に聞かれるのがこっちとしても話が早いし楽でいいんですけどね~(^ ^;)

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エンパイアメーカーに合う肌を探せ(2)~着地点はバトルバニヤン?

2012-09-19 10:16:28 | 配合論

皆さま多数のコメント、本当にありがとうございますm(_ _)m

すべて目を通させていただいた上で、私なりに考えたことを書いてみると…
自説ですが、「DominoとSundridgeのスピード」を「TeddyとMan o'Warのパワー」が支える…というのが有力な北米血脈の図式で、そこにNasrullahやNorthern Dancerを取り込むことでStorm CatやSeattle SlewやMr.Prospectorなどが生み出されてきたという歴史があります

エンパイアメーカーの場合は、父UnbridledがAspidistra4×4とRough'n Tumble4×5、母父El Gran Senorの母Sex AppealがBusanda≒Mr.Busher2×3、そして自身はIn Reality4×3にBuckpasser5×4にRough'n Tumble5・6×5で、In RealityはWar Relic3×3ですから、上記のバランスでいうと「TeddyとMan o'Warのパワー」のほうが勝っている構成で、だからダート中距離のパワーを確実に伝えるわけです

これをもうちょっと柔らかさや軽さを増す方向にもっていきたいのならば、ナスキロ血脈をもってきたり、「DominoとSundridgeのスピード」のほうを増す方向=エンパイアメーカーの持つ血でいうとTom FoolやBold Ruler、あとMr.Prospectorなんかを狙ったクロスをつくる、というのがまあ考えられる方向

フェデラリストの場合は「サンデー×ミスプロ×Buckpasser」のA級配合形ですが、父に「War AdmiralとLa Troienne」が多いので、それに対して母母ダンシングキイのFlaring Top≒Tom Fool3×4で「DominoとSundridge」軽さを補ったバランスがポイントじゃないかと思っとります

ただダンスパートナーで成功したからダンスインザダーク肌で…という筋が正解かというと、私はそこはあんまり安易に走りたくないというか、フェデラリストはそもそもエンパイアメーカーのスタンダードな成功例とは言い切れず、だって他に芝上級に出世した馬はほぼ皆無なわけで、そういうちょっと異質で突出した成功例を基準に考えるのは、少し違う気もするんですよね~(基本的にサンデー系の繁殖とは合う種牡馬だとは思っていますが)

「まあまあ、フェデラリストは母ダンスパートナーだから」ということでちょっと横に置いといて、ダ1800mであくせくお金を稼いでいる、スタンダードなエンパイアメーカー産駒のスタンダードな成功例を基準にしたいです

エンパイアメーカーは米血に偏った血脈構成なので、それに対して欧血の雄トニービンの名前をあげる方がけっこうおられましたが、Icon ProjectとPioneerof the Nileの母父Lord at Warとか、Acomaの母父Danzigとか(Danzigは血脈構成的には半分以上はDominoの洗礼を受けていない)、Grace Hallの母父Ezzoudとか、イジゲンの母父Dixieland Bandとか、ティアモブリーオの母父アラジとか、こういう欧血主体の血を母父か母母にもってきて、「3/4米,1/4欧」の形にするのが成功しやすいんじゃないか…というのはまず一つあります

ゼンノロブロイやクロフネのような米血偏向サイアーが、トニービン牝馬に首ったけなのと同じ理屈ですね~

一方でこれまた皆さんご指摘のように、Country Star(母父Metfield)、Grace Hall(母母母父Seattle Slew)、Mushka(母母父Seattle Slew)、Royal Delta(母父A.P.Indy)とSeattle Slewとの相性が抜群で(Icon Projectの母母もSecretariat×Hail to Reason×War Admiral×La Troienneですから疑似Seattle Slew)、日本でもSeattle Slew持ちはイジケンにオールドパサデナとどちらも上級に出世しており、このBold Ruler直系最有力ラインと相性が良いことが、現在北米リーディングをひた走っている理由の一つでもあるのでしょう

この組み合わせはBusandaの3/4同血継続クロスだけでなく、Bold Rulerのクロスになる点とナスキロ柔さを補える点がエンパイアメーカーからみてプラスなのだろうと考えています

ただたしかにSeattle Slewとの相性はいいけれど、たとえばBusanda的(War AdmiralとLa Troienne的)な血ばかりをガンガン攻めたような配合の成功例も意外に少なくて、基本このラインについてはエンパイアメーカーはもう満腹で、必死こいて増幅したりいじくったりしなくてもいいんじゃないかと

Icon ProjectやPioneerof the Nileのように、母父にハイインロー的1/4欧をもってきながら母母にボルキロ的組み合わせを入れ、「BuckpasserさんAspidistraさんIn Realityさん、長い間ご苦労様でしたm(_ _)m、これからはナスキロとハイインローで頑張っていきます」的な方向転換は無理がなくて好感ですね~(Royal Detlaも母父A.P.Indyで母母がLyphardとHyperionなので上記2頭とやってることは同じ)

ま~そんなわけで、父か母がハイインロー的欧血中心で、それ以外の部分にSeattle Slewを引き、NasrullahやTom Foolの柔らかさをソコソコ受け継いでいる牝馬…というのが、皆さまのご意見も拝聴 したうえでのザックリ浮かんできたイメージですかね~

エルコンドルパサー肌はなかなかいい感じですが、父も母父もクロスがうるさい同士なので、母母のところはちょっとアウトサイダーな血でまとめたいかなと

タヤスツヨシ肌でMagicのクロスも面白いんですが、その場合も母母がトニービン×ノーザンテーストとか、Nureyev×Blushing Groomとか、そんな感じがベターでしょう

ファルブラヴ肌はエンパイアメーカーうんぬん抜きにしてもけっこう注目でしょうね~

あとWild RiskいじるならTom Fool≒Spring RunにもなるBlushing Groom経由がいいんじゃないかとも

ジャングルポケット肌なんてハマればLord at War並の長打力が期待できそうですが、母母にTom FoolやBold RulerやHaloやミスプロやらを少なからず入れてあげないと、背中が長くて体質の硬い、東京ダ2100mをバッサラバッサラ追い込む馬になりそうな(^ ^;)

けっきょくね、同じ父×母父の組み合わせでも残りの1/4でまったく配合のコンセプトが違ったりするので、全体のバランスをみないと何ともいえないところがあるし、○○の肌なら何でも走るとは一概に言い切れないんですよね…

というわけで着地点としては、バトルバニヤンが牝馬やったらほぼ満点で(^ ^;)、そんな感じの牝馬を探しましょう…と言ったところで先方にはあんまり伝わらないと思うので(^ ^;)、もうちょっと具体的に例示するしかないのかなと…

ま~まだ結論を急ぐ段階でもないし私ももうしばらく考えてみるので、暇な人はこっちのエントリで遊んでください(^ ^;)

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