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栗山求/望田潤監修「パーフェクト種牡馬辞典2025-2026」

第92回日本ダービー回顧~Lyphard決戦、堂々たる前受けで

2025-06-03 16:22:32 | 血統予想

東京11R日本ダービー
◎13.クロワデュノール
○17.マスカレードボール
▲9.ジョバンニ
△1.リラエンブレム
×3.エリキング
今年のダービーは確たる逃げ馬が見当たらないが、前半ゆっくり入っても向正でまたファウストラーゼンが押し上げるだろう。前半スローから向正で池添とミルコが動いて、後半1000mのロンスパになった昨年と似た流れになるのではないかと予想。土曜の10R葉山特別芝1600が重馬場で1.35.9。日曜は良まで回復しても高速馬場は望めないか。
ダノンデサイルの母トップデサイルはBCJフィリーズ2着。ドウデュースの母ダストアンドダイヤモンズは北米ダ短距離重賞を2勝。タスティエーラの母パルティトゥーラは全3勝が芝マイル。最近のダービーは「父12F×母マイラー」が勝つことが多い。クロワデュノールの母ライジングクロスは英オークス2着の重厚な中距離馬だが、その父ケープクロスはグリーンデザート直仔のマイラー。イクイノックスも母父がマイラーのキングヘイローで、全体の配合形も似ているとほめてきた。イクイのような斬れはないから、母父のスピードで先行し父のスタミナで踏ん張るレースをしているのは正しい。イクイと同じような皐月賞2着だったが、ダービーも同じケイバでいいと思う。
大跳びのマスカレードボールは中山だとコーナーで加速できない。皐月賞は直線だけで3着に差してきたのはドウデュースと重なる。しかし母母父が重厚なホワイトマズルなので、ドウデュースのように瞬時に加速するタイプではない。ストライドでジワジワ伸びつづける脚質だから、東京なら坂井瑠星は共同通信杯のように好位抜け出しでくるだろう。リファール4×4のキタサンブラックを父にもつクロワデュノールと、リファール4×4のマスクオフを母にもつマスカレードボールが、好位から抜け出して重厚な叩き合いのダービーになるとみた。ロジャーバローズ(リファール4×4)が2頭で叩き合うイメージだ。
ジョバンニは父がエピファネイアで母父がストームキャットのマイラーだからこれも真っ当な配合だ。セキトバイーストの弟で揉まれ弱さのある血統だが、皐月賞ではゴチャついたのにやめずに地力で4着まできたのは評価したい。距離2400はプラス。昨年のダノンデサイルにつづくか。
少しタフな馬場でのロンスパ戦を想定するならば、1800ベストに見えるミュージアムマイルとサトノシャイニングや、上がり3Fの瞬発力抜群のサートゥルナーリア産駒2頭はちょっと評価を下げて、母系が重厚なキズナ産駒2頭を上げてみた。

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例によってNETKEIBAの全頭血統解説より1~3着を

クロワデュノール
アースライズの半弟で、母ライジングクロスはパークヒルS(芝G2・芝約13F)勝ち。母父Cape CrossはロッキンジS(英G1・芝8F)勝ち馬でロジユニヴァースの母父。父キタサンブラックはイクイノックスなどを出し成功。母母のところだけノーザンダンサーの血が入らず、母父がマイラーというのはキタサン産駒として好配合といえる。皐月賞はまるでイクイノックスのような2着だったが、東京2400でも正攻法でいい。タスティエーラのように凌ぎきる。(距離◎スピード○底力◎コース◎)



マスカレードボール
マスクトディーヴァ(父ルーラーシップ)の7/8同血の弟で、トゥーフェイスの半弟で、オメガヴェンデッタやマスクトヒーローの甥で、サンライズソアのイトコ。母母ビハインドザマスクはスワンS勝ち。見た目は父ドゥラメンテだが、薄手の体型は母父ディープのイメージ。コーナリングに難がある馬で、皐月賞は直線だけで追い込んでまるでドウデュースのような3着。ただこちらは全身運動ストライドで瞬時に差すタイプではない。東京なら坂井瑠星は共同通信杯と同じ乗り方だろう。(距離○スピード○底力◎コース◎)



ショウヘイ
ミッキークイーンやトーセンマタコイヤの甥で、エピファニーやミッキーゴージャスのイトコ。母母ミュージカルウェイはドラール賞(仏G2・芝1950m)勝ち馬。父サートゥルナーリアは名牝シーザリオの息子でエピファネイアやリオンディーズの弟。初年度からファンダムやコートアリシアンなどを出している。脚長でいかにも大箱向きのストライドで、京都新聞杯を見てのとおり上がりのケイバに強い。ここもスロー希望で、ルメールさんが好位で折り合う。(距離○スピード◎底力○コース◎)



日曜の東京芝は稍重スタートで10Rの前に良に回復、どこの競馬場でもだいたい内から乾きはじめるので、芝レースの勝ち馬は4Rダノンエンブレムと6Rニシノティアモは直線で内から2~3頭目を、8Rデュアルウィルダーは4頭目、10Rメリオーレムは5頭目あたりを走って勝っており、ダービーは離れた番手のサトノシャイニングが直線で6頭目あたりまで持ち出していて、その外でクロワデュノールとマスカレードボールの叩き合いが繰り広げられることになりました

皐月賞につづいて外枠を引いてしまったサトノシャイニングのユタカは「壁つくれずにまたかかるぐらいなら俺がペースつくってやるよ」と言わんばかりにハナに立ったのですが、ユタカが逃げると田辺がちょっかい出すというのはちょっと昔はよくあったシーン

こりゃタナベスローに落とすんかいな~と思って見ていたら、そこからも緩めずずっと12秒1を刻んで離して逃げ、レースラップは前後半でいうと72.1-71.6

クロワデュノールはユタカを追うように進出しいつでも動ける外好位、こうなると直線は後続が気になるところですが、来るなら来いとばかりに早めに追い出して早々と先頭

東京の直線で爆発したというような躍動するフォームではないんですが、実直に粘り強くLyphardらしく、ゴールまで確り駆け抜けて、北村友一としてはやりたいケイバができたという意味では会心やったんやないですかね

クロワとマスカレードの血統表やレースを何度も見返しているうちに「今年のダービーはLyphardがLyphardらしく勝つパターンじゃないか」という気がね、先週ぐらいからそんな気がしてきたんですよね

いつも書くようにディープインパクトとダンシングブレーヴは全然Lyphardじゃなくて、本格化してからのハーツクライとかキタサンブラックとか、ブラックタイドとかバブルカンパニーとか、もっと古いところでいうとレガシーワールドとかね、ああいう粘着質なのがLyphardなんやで、という話はよく書きました





ディープインパクト産駒でいうと、19年ダービーを2-2-2-2で早々と抜け出して勝ってしまったロジャーバローズ(Lyphard4×4)、12年ダービーを3-4-4-3で抜け出して競り勝ったディープブリランテ(Lyphard4×5)、この2頭がLyphardらしくないディープインパクトの産駒で最もLyphard的な馬やったと思うんですよね

だから土曜のボツ予想で、マスカレードボールとドウデュースは戦歴的に重なるところが多いけれど、ドウデュースのほうが全然ダンシングブレーヴ的で、ダンシングブレーヴとホワイトマズルってのは全く別もんで、Lyphard的粘着力を伝えたホワイトマズルを経由するからこそ、ディープインパクトとダンシングブレーヴを経由するLyphardクロスをもつにもかかわらず、マスカレードボールはLyphard的な粘着力で走る馬なのだ、ということを言っておきたかった

そんなわけで今年のダービーは、ロジャーバローズ2頭が叩き合うレースになるんじゃないかと書いたのですが、やっぱりLyphardとLyphardの叩き合いは前で受けたほうが先着するんやなと、よりLyphardの美点を表現できたクロワデュノールが7792頭の頂点に立ったのです

ちなみに2000年以降の日本ダービーにおいて、4角3番手以内で勝った馬を列挙していくと、あああホンマにLyphardくさい馬ばっかりやんか…
04年キングカメハメハ
06年メイショウサムソン(オペラハウス×ダンシングブレーヴ)
09年ロジユニヴァース
12年ディープブリランテ(ディープインパクト×バブルカンパニーでLyphard4×5)
17年レイデオロ(母母ウインドインハーヘア)
19年ロジャーバローズ(ディープインパクト×LibrettistでLyphard4×4)

クロワデュノールは母父がDanzig系のマイラーCape Crossなのもロジャーバローズと似ていますが、こういう血が母父に入ると先行力や機動力を増すことが多く、その点ではネオユニヴァース×Cape Crossでダービーを3-3-3-3で勝ったロジユニヴァースとも重なる部分があり、ロジユニヴァースにLyphardとBustedをトッピングしたのがクロワデュノールというイメージでもありますね



馬場が良まで乾いたので、重厚欧州母系でドンくさいキズナ産駒(エリキング、リラエンブレム)よりも鋭敏なサートゥルナーリア産駒(ショウヘイ、ファンダム)が有利かなと内心思ったんですが、直前でダービーの印を変えるのもイヤなんで馬券は◎○▲だけで買ってました

ジョバンニはAureoleの薄いクロスのエピファ産駒ですから、やっぱり最後は外に出して差したいだろうし、ああやってずっと馬群の中で追っていても同じ位置で流れ込むだけやないですかね

ファンダムは毎日杯のように瞬発力に賭けるんかと思ってたら好位を取りにいってかかり気味、父のダービー失速と同じようなレースになってしまいました

サトノシャイニングとミュージアムマイルは、これぐらい流れると最後は距離かなという脚色になってしまい、ミュージアムマイルは自身の距離適性としては父リオンディーズと同じようなところじゃないですかね

クロワデュノールの血統については、イクイノックスと似た配合パターンという点でずっとほめてきましたが、そのあたりはホープフルの回顧を読んでくださいということで

第41回ホープフルS回顧~涙の好位差し、盤石のキタサン教科書配合
https://blog.goo.ne.jp/nas-quillo/e/314d63fb4b4d05d3a36c7e71e8a9f16b

ちなみに募集時にイクイノックスとクロワデュノールを絶賛し激推ししていた(イクイは出資もしている)キタサン名人Sくんは「デカくて緩いけど手先が重苦しくはない、というのが走るキタサン産駒です」と力説しますが、それってキタサンブラックそのものやんか(^ ^;) というわけでみなさん、キタサン産駒はキタサンらしい馬を選びましょう

キタサンブラックの産駒はこの22年産と21年産が質量ともに底といってもよく、イクイノックスが走ったのをうけた23年産以降は繁殖牝馬の質量が大幅に上がっていくわけですが(種付料も)、そんな底世代でも配合さえ決まっていればダービー馬を出してしまうのだというね、ブラックタイド×サクラバクシンオーがオークスを勝った翌週に天晴れでした

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日曜のボツ予想~行ききるモルタル

2025-06-01 09:55:08 | 血統予想

下記エントリで書いたように、アブキールベイはエンシンフェンサーと同じくロイヤルアカデミー≒Storm Catのニアリークロスをもつのがポイント
https://blog.goo.ne.jp/nas-quillo/e/048fa00769832b4afa9ece88593fdd81
あとこれも何度か書いてますが、緩くて重厚なハーツクライの肌は、ロードカナロアとかリオンディーズとかモーリスとか、ドレフォンとかマクフィとかファインニードルとか、マイル~スプリント種牡馬との配合が成功しやすい



それにしても土曜の京都芝は良なんですが、キズナ×キングヘイローのジュンヴァンケット1人気7着、エピファネイア×ディープインパクトのミッキースターダム2人気9着、ワールドエース×Giant's Causeway×Unbridled's Songのテーオーシュタイン1人気4着と、京都外で斬れそうなSir Gaylord的なディープが軒並み凡走
いっぽうでロジャーバローズ産駒が穴を連発しており、前輪駆動で下って高速上がりを出せるSir Gaylord走法がアドバンテージにならない馬場、という感じがしますね



安土城は◎クランフォード、モルタル産駒なのでこの枠なら行ききるしかないでしょうが、タマモブラックタイ幸は好位差しでファルコン勝ってるので外枠なら主張することはないだろうと…レコードで勝ったこともあるスピード馬ですが、ワンフォーローズの孫ですからパワー兼備

青嵐は人気ですが一口とPOGの推奨◎デュアルウィルダー、この世代のヨシダ産駒で最強じゃないかと思ってますが青葉3着の舞台で
相手は2着が多い5歳ジャスタウェイ牡駒○ジュンツバメガエシ、今が本格化のピークにさしかかってる感が





薫風もピック馬○ターコイズフリンジに頑張ってもらいたいですが、重の東京ダ1600ですからStorm CatとA.P.Indyを重視…ということでインティの甥◎ラタフォレスト、前走も重馬場をインから差し切ってるのは心強い

NETKEIBA「厳選予想 ウマい馬券」では日本ダービーと目黒記念と白百合Sを予想していますので、日曜もよろしくお願いします(競馬道OnLine「今週のBLOOD穴ライズ!」は栗山さんの担当)


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土曜のボツ予想~ダンシングブレーヴとホワイトマズル、ディープインパクトとハーツクライ

2025-05-31 09:47:21 | 血統予想

1着ミュージアムマイル≒ジオグリフ
2着クロワデュノール≒イクイノックス
3着マスカレードボール≒ドウデュース

今年の皐月賞の1~3着は血統とレースぶりと着順が22年1~3着と重なるところが多いのですが、以下のようにマスカレードボールとドウデュースはサンデーサイレンス、トニービン、Mr.Prospector、そしてMajestically≒ダンシングブレーヴが共通し、皐月賞を直線だけで追い込んで3着というのも同じ



ただドウデュースが「令和のダンシングブレーヴ」と形容すべきピッチの速さで一気に追い込んだり捲ったりするのに対し、マスカレードボールは重厚なストライドでゴールまで脚を伸ばしつづける感じで、むしろマスカレードボールのほうがハーツクライっぽい脚質というべきで、直線先頭に立ってからのLyphard+Hyperion的な粘着力こそが本領ではないか、とすら思えるんですよね

Ela-Mana-Mouの重厚なスタミナを受けたホワイトマズルは、父ダンシングブレーヴとは全くタイプが異なる持続力に長けた中距離馬でしたが、代表産駒は春天のイングランディーレ(1)、菊のアサクサキングス(2)、JCダートのニホンピロアワーズ(3)、シンガポール国際のシャドウゲイト(2)、括弧内は勝ったときの4角順位で、ようするに先行前受けでしかG1勝ってないんですよね

このマスカレードボールのそこはかとないホワイトマズル臭、ハーツクライ臭、Lyphard+Hyperion臭、たぶん坂井瑠星は感知していると思うので、ここも共同通信みたいに乗ってくるんじゃないかと思ってます

リラエンブレム:Nijinskyコンクシェル
ショウヘイ:Wild Riskサートゥル
エリキング:重厚ジャスティンミラノ
ドラゴンブースト:RobertoTom Fool機動
レディネス:スワダンジグ嵐猫入り
ファンダム:ナスペリ・サートゥル
ミュージアムマイル:ナスペリ・テースト
エムズ:Sir Gaylordメンテ
ジョバンニ:エピグルームNever Bend肩
トッピボーン:Ribot肩持続ピッチ
ニシノエージェント:外差しMonsun魂
カラマティアノス:Hyperionデオロ
クロワデュノール:Busted重厚前受
ホウオウアートマン:トニービン×Street Cry
ファウストラーゼン:Never Bend肩Aureole捲
ファイアンクランツ:目黒記念トニービン
マスカレードボール:Lyphardメンテ
サトノシャイニング:Halo≒Sir Ivor鋭敏




東京はまだ降りつづいていてダートは現在重、アハルテケは人気ですが◎ウェイワードアクトで
4勝目が重の東京マイルで、Mr.ProspectorとSecretariatが多い配合で軽いダートが合うし、距離も1400より1600がベター
ヒモ穴となると▲レディントンですかね、サトノアラジン牡駒はダ>芝だし、クラウンアスリートの仔もダート走るし、脚元カッチリでいきなりダートこなしても不思議ないかと

NETKEIBA「厳選予想 ウマい馬券」では葵Sと鳳凰Sを予想していますので、今週もよろしくお願いします(競馬道OnLine「今週のBLOOD穴ライズ!」は栗山さんの担当)


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第86回優駿牝馬回顧~「1/4スピード」で輝くスタミナ

2025-05-28 12:40:03 | 血統予想

東京11Rオークス
◎18.エリカエクスプレス
○9.エンブロイダリー
▲12.ブラウンラチェット
△1.アルマヴェローチェ
△14.サヴォンリンナ
×10.タイセイプランセス
エンブロイダリーは父アドマイヤマーズと似た体質で典型的なマイラーではないし、血統や脚元から馬場が渋るのはむしろプラス。減点材料はないに等しいが、3歳牝馬路線において最も才気を感じさせたのはエリカエクスプレスのフェアリーSだと思う。エピファネイア×ガリレオ×アナバーという気難しいが底力抜群の中距離血統で、なのに前傾ラップのマイル戦を器だけで圧勝してしまった。桜花賞も新馬も4角逆手前でふくれていたように、他馬が近くにいるとうなるし、初コースで先頭に立つと物見するしで、まあとにかくややこしい気性には違いないのだが、戸崎さんは繊細な牝馬をソフトに乗りこなす手腕にかけては日本人ナンバーワンと言ってもいい。どうエスコートするかに見物料。気分よく走らせられれば、父のJCのような圧勝になっても驚けない。ブラウンラチェットは誰が見ても中距離馬だし誰が見ても大箱向きで、オークスでは印を回そうと思っていた。今夜かなりの雨量ということなので、重になるようならばサヴォンリンナとタイセイプランセスをヒモ穴に。

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例によってNETKEIBAの全頭血統解説から1~3着を

カムニャック
キープカルムやラウルピドゥの半妹で、ヨカグラの姪で、母ダンスアミーガはJRA5勝(芝1400~1600)。牝祖ダンスパートナー(オークス、エリザベス女王杯)はダンスインザダークの全姉でフェデラリストの母。ブラックタイド×サクラバクシンオーはキタサンブラックで注目された配合だ。Nijinsky的な胴伸びとRibot的な立ち肩はダンシングキイ一族のイメージで、フローラSは出来が上がっていたが東京の中距離も合う。これまでとは相手が違うが距離コース適性で。(距離◎スピード○底力○コース◎)



アルマヴェローチェ
モンドキャンノやカリボールの姪で、母ラクアミはJRA3勝(芝1400~1600)。母母レイズアンドコールはアイビスサマーダッシュ3着で、子孫にサクラバクシンオーのスピードをよく伝えている。父ハービンジャーはキングジョージ勝ち馬で、ディアドラ、チェルヴィニア、ナミュールなど牝馬の大物も出す。脚長で大箱向きのストライドで、タイプとしてはナミュールと似て、末脚は確実だし馬場が渋ってもOK。2400だと1600ほどは弾けないかもしれない。(距離○スピード○底力◎コース◎)



タガノアビー
母母スペシャルディナーは優秀なスペシャルウィークの肌で、タガノビューティー、タガノブルグ、アイトーン、タガノエスコートなどJRA出走産駒12頭のうち9頭が勝ち馬となっている。父アニマルキングダムはサトノダムゼルやサトノメサイアの半兄で、ケンタッキーダービーとドバイワールドCに勝った強豪。Blushing Groomの直系だ。重厚な中距離血統で2400は合いそうだが、多頭数は捌きづらい。スタミナでどこまで追い込めるか。(距離◎スピード○底力◎コース○)



今年のオークスはレースラップが12.3-10.6-11.9-12.6-12.6-12.7-12.9-12.9-12.5-11.6-11.4-11.7、入りはわりと速かったんですが、エリカエクスプレスは初コースでハナに立つと物見をする(初めて見るものに驚いたり怖がったりする)ようで、桜花賞も新馬も4角で何かを見て逆手前になって膨れてしまった

そしてオークスでは2角から逆手前になってしまい、逆手前のままでは走りにくいのでそこから12秒台後半にペースダウンし、けっきょく上がり3Fのケイバになりました

とはいえ上がり3Fのケイバになって、スピードや瞬発力に優れた馬が好走したかというと一概にそうではなく、エリカエクスプレスは本領の持続力を活かした逃げだったとは言いがたいし、エンブロダリーはペースダウンしてからずっとかかり気味に

終わってみれば私が距離適性◎をつけたカムニャックとタガノアビーが1着3着で、長いところが向きそうな馬がゆったり追走できて脚を伸ばせるレースになったというべきですかね

とはいえ、カムニャックやタガノアビーのフローラS組が、距離適性やコース適性だけで桜花賞組を凌駕できるかというと私は疑問でした

タガノアビーは名繁殖スペシャルディナーの孫娘で、母はアイルハヴアナザー×スペシャルウィークでAureoleの薄いクロスをもつので、矢車賞は6頭立ての後方一気、フルゲートの1番枠を引いたフローラSでは直線馬群を割るのに四苦八苦していたし、これたぶんマイルドAureole魂やと思うんですよね

それだけにここも大外一気でくるのだろうと思ったら、道中最後方から直線ポッカリ空いた最内に突っ込んだのは、荒れ馬場をこなすパワーも考慮した藤岡祐介の作戦奏効というべきかと…馬と馬の間を割るのがAureoleは一番苦手

98~99年に名勝負を繰り広げた3強は、グラスワンダーがスクリーンヒーロー~モーリスと一子相伝で父系を繋ぎつづけ、スペシャルウィークは肌に回って成功しシーザリオを通じて血を拡散させつづけ、しかしエルコンドルパサーは僅か3世代の産駒を残して早逝してしまった

しかもKingmambo×Sadler's Wellsでパワーとスタミナに長けた血統だけにかなりコルトサイアーで、牝駒のオープン馬は3世代でたった3頭だけ

最も走ったのはTCK女王盃に勝ったラピッドオレンジ、2番目に走ったのがオークス馬ダンスパートナーの娘ダンスオールナイトで、芝中距離で5勝をあげ6歳の中山牝馬Sで3着に追い込んで引退しました

ダンスオールナイトはかなりスタミナに寄った血統ですから、ハービンジャーやワークフォースやジャングルポケットとの配合では不発に終わりましたが、サクラバクシンオーのスピードが注入されたダンスアミーガだけはオープン級のマイラーとして活躍し、JRA5勝、ターコイズS2着、関屋記念と中京記念で4着

そこにディープインパクトの全兄でディープインパクトよりもウインドインハーヘアの重厚さを伝えるブラックタイドが配されて、「3/4Northern Dancerクロス」「1/4スピード」という教科書的な形でオークスを勝ったのがカムニャック、しかしサンデーサイレンス2×4のG1勝ちは初ですね

スタミナのダンスオールナイトに最強スプリンターを配してオープン級のマイラーが出て、そこに重厚な中距離馬ブラックタイドを配してオークス馬が出たというのは、配合の流れとしては順当というべきです

カムニャックとキタサンブラックは母父サクラバクシンオー、タガノエスプレッソとマイネルフロストとライジングリーズンは母父キングカメハメハ、フェーングロッテンは母父キングヘイロー、テイエムイナズマは母父Danzig、フェーングロッテンはキングヘイロー、種牡馬ブラックタイドがマイラー質な母や母父との配合で成功しているのも極めて順当といえ、ブラックタイド×ダンスオールナイトではオークスまでに二つ勝つのがなかなか大変でしょう

カムニャックはデビュー当初から友道の中距離馬という雰囲気を醸し出してて、その後2戦が案外で人気を裏切りつづけたのは、マイルが忙しかったのに加えて出来もイマイチだったようで、フローラSのパドックは例の馬見の達人と現地で見てたんですが「私この馬デビューから全レース見てますが、今日は前走より全然いいですよ。新馬の次にいいです」と仰ってましたね

ブラックタイドはディープインパクトと違ってSir Ivor的なしなやかさや斬れを受け継がず伝えなかったので、これもエルコンドルパサーに匹敵するほどのコルトサイアーで、牝駒の重賞勝ちはこのカムニャックが2頭目

こんなコルト血統でオークスを勝ってしまうとは、さすが友道、さすが金子と言うしかないですな

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日曜のボツ予想~シュネルキンやりたい(・∀・)

2025-05-25 09:42:15 | 血統予想

愛2000ギニーは英2000ギニー2着Field of Goldが人気に応え快勝、Kingmamのワンツーとなりましたが、またまたシスキンと相似のA級マイラー出現





勝ち時計が1分36秒台と速いし、映像を見てもなるほどシスキンに通じる柔さとバネがあり、こうなるとやっぱりシュネルキンやりたくなりますな(・∀・)

京都最終は内ドレ◎パーサヴィアランス、3走前も1枠2番から最内をすくって複穴をあけています
アビラはデインヒルとAllegedのRibotパワーを伝えるのでジェベルムーサやフルムなどダート巧者も出る牝系ですが、本馬はドレフォン×ディープインパクトで当初は芝を主戦場としていたように、ダートなら脚抜きのいい馬場がベター



NETKEIBA「厳選予想 ウマい馬券」ではオークスと都大路Sと丹沢Sを、競馬道OnLine「今週のBLOOD穴ライズ!」ではオークスを予想していますので、日曜もよろしくお願いします


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土曜のボツ予想~Ribot肩掻き込むリアステ産駒

2025-05-24 09:44:22 | 血統予想

京都はこれから終日雨予報、東京も今夜から降る予報でオークスの前日予想が悩ましい…

メルボルンはドウデュースの弟◎エンダードラゴン、Ribot肩で脚元カッチリのリアステ産駒とくれば芝道悪は鬼じゃないかと思うんですが、今んとこ単勝1人気(連複2人気)なので薄ら笑いを浮かべてボツ予想へ…穴はジワジワ良くなってきた▲プチプランス



オーストラリアは芝血統でダートなら脚抜きのいい京都1400がベストコースっぽい◎フェンダーと、これも京都1400の重が一番斬れそうな○ワーズワース、好位から抜け出す吉村誠之に大外に持ち出した高杉吏麒が襲いかかる

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第20回ヴィクトリアマイル回顧~ダイワメジャーA級配合、格で差し切り

2025-05-21 10:48:16 | 血統予想

東京11Rヴィクトリアマイル
◎17.アスコリピチェーノ
○10.ボンドガール
△13.ビヨンドザヴァレー
◎ミアネーロは実は東京マイルがベストコースではないか、というストーリーでもう半分ぐらい書いていたのだが出走取消…。一気に力が抜けてしまったが、もともと印は4頭しか入れてなかったのでこの3頭で。
アスコリピチェーノは母系が欧州本格派で、ダイワメジャー産駒のマイラーとして充実一途で順調に成長してきた。特に前走は短距離でうなりながら先行したのが好感で、ダイワメジャーだからここも前で受けてこそだろう。ルメールが正攻法で押し切るとみた。
ヴィクトリアマイルはシアトルスルーの血を引く馬が好走するし美味しい馬券になる。ボンドガールは母母父がエーピーインディ系マリブムーンで、ダイワメジャーにしては脚長でしなやかなストライドで走るのはこの影響だろう。東京新聞杯ぐらい走れば馬券になるとみたいが、これもやっぱりダイワメジャーだから差しに回りすぎるとまた2着3着かもしれない。
アリスヴェルテが前走控えて好走しているだけに、ペースは上がらず前残りもあるとみてヒモ穴はビヨンドザヴァレー。イスラボニータにナスキロ血脈を重ねた大箱向きのマイラーで、いつも最後のひと押しが課題だがここは展開に恵まれそうだ。

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やることがいろいろあって遅くなりました…例によってNETKEIBAの全頭血統解説より1~3着を

アスコリピチェーノ
アスコルターレやアスコルティアーモの妹で、母アスコルティはJRA2勝(芝1200~1400)。母母リッスンはフィリーズマイル(英G1・芝8F)勝ち馬で、タッチングスピーチやサトノルークスやミスタージーティーの母。母系にSadler's Wellsが入るダイワメジャー産駒といえばアドマイヤマーズやレシステンシアがいる。母方の重厚さも強く底力や成長力に富み、前走1351TSはダイワメジャーらしく前で受けて勝ったのも好感。充実一途でマイル女王の座へ。(距離◎スピード○底力◎コース◎)



クイーンズウォーク
グレナディアガーズの半妹。母ウェイヴェルアベニューはBCフィリー&メアスプリント(米G1・ダ7F)勝ち馬でMr.Prospector4×4・5。父キズナは昨年のリーディングサイアーで牝駒がよく走ることでも知られる。本馬は父を大型で北米パワー質に振ったイメージで、重の金鯱賞を力強く差し切ったように、パワー勝負に強い中距離馬。マイルの高速戦では、スピードの絶対値で一線級に譲る。脚元をみても馬場が渋るのはプラスで、雨で浮上。(距離○スピード○底力◎コース○)



シランケド
イメンシティ大賞(伯G1・芝1600m)勝ちVery Nice Moonのイトコ。母母ビーフェアーはブラジルオークスなどに勝ったブラジル最優秀3歳牝馬。父デクラレーションオブウォーはトップナイフ、タマモブラックタイ、セットアップなどの父。母父ディープインパクト譲りのしなやか体質で、地力と持続力に長けた中距離馬。デクラ産駒らしく脚質は逃げ差し自在で、3連勝で重賞制覇と上がりに上がる。ここはマイルの高速決着への対応が課題に。(距離○スピード○底力◎コース○)



「24年は前後半45.4-46.4の前傾ラップでマイル路線を走っていた馬のワンツーだったが、後傾ラップならランブリングアレーやスターズオンアースのような中距離馬も好走可能」と導入文で書いたのですが、今年はアリスヴェルテが離して逃げてレースラップは45.4-46.7、離れた2番手以降は46-46、後方組は47-45で走破したというレース

今の高速馬場においては、マイラーであっても中距離馬であっても、47ちょいで追走し45ちょいで上がることはたやすいので、だからゴール前は横一線の追い比べで8頭がコンマ3秒以内にひしめく混戦になったわけで、ちなみに前週のNHKマイルを45.8-45.9で差し切ったパンジャタワーがそのままのペースで走破すれば、アドマイヤマツリの2馬身前で先行押し切った計算にはなるわけです

まあグランアレグリアやソングラインやアーモンドアイのクラスならば47-44で走破できるんですが、そのレベルの馬がいなかったのでアスコリピチェーノが格でギリギリ差し届いたというレースだったかと

9Rテレ玉杯を勝ったボーモンドのルメールのコース取りをみても、東京芝コースは良に乾いても内のほうが伸びない馬場状態だったようで、掲示板に載ったのは8枠3頭と6枠12番と2枠3番、フルゲート18頭だと内枠は不利だったという結果にもなりました

だから1枠2番ステレンボッシュは外に出せればもう少し脚を使えたんじゃないかとも思いますが、シランケドも直線はまず内を狙ったものの、内にいる馬たちがみんな伸びあぐんでカベになりかけたので外に切り替えて、あれ最初から外に行っていればもっと際どかったかもしれず、それだけに2枠3番アルジーヌを直線で早々と外に持ち出し踏ん張らせたレーンの手腕も光りました

マイラーとしての能力ならばダイワメジャー2頭だろうと思ったんですが、ボンドガールは返し馬からもう押さえるのが大変そうで、ユタカは出していけずにソロッと乗るしかなく、それでもペースが速くないので最後方でずっとかかり気味でした

アスコリピチェーノの母アスコルティは芝1200~1400で2勝、しかし血統はDanehill Dancer×Sadler's Wells×Irish Riverですからなかなか重厚で、ダイワメジャー産駒で母系にSadler's Wellsとデインヒルが入るのはレシステンシアと同じ

Sadler's WellsとDanzigが入るのはメジャーエンブレムと同じで、Sadler's Wellsが入るのはアドマイヤマーズと同じで、仏G1ロイヤルオーク賞連覇のDouble Majorも母がDansili×Rainbow Questで、ダイワメジャーの大物はほとんどが重厚な欧州血統の母から出ています

ダイワメジャー産駒がG1を勝つたびに同じことを書いてますが、マイラー種牡馬には中長距離の肌、中長距離種牡馬にはマイラーの肌、というのが配合論のイロハのイで、ちなみに日本ダービーはというと

父エピファネイア、母BCJフィリーズ2着
父サトノクラウン、母芝マイル3勝
父ハーツクライ、母北米ダ短重賞2勝
父ディープインパクト、母母BCJフィリーズ勝ち
父ディープインパクト、母BCフィリー&メアスプリント(ダ7F)勝ち

「父芝12F×母北米短距離~マイル」的な配合が5年連続で勝ってます

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日曜のボツ予想~凱旋門怨念強力相似

2025-05-18 10:10:45 | 血統予想

プリークネスはJournalism、Kダービーの出走馬ではルクソールカフェとSovereigntyとJournalismの血統が双璧で、母系に入るBernardiniの優秀さについては何度も書いてますがリスポリよかったね
https://blog.goo.ne.jp/nas-quillo/e/819a37715ba356f6d97f1c3ddc343294



オルフェーヴルの2年連続凱旋門2着からもう12年も経つわけですが、勝ったのはMotivatorの娘TreveとPoligloteの娘Solemiaで、だからライバルの血を取り込むという視点でいうならば、オルフェーヴル×Sadler's Wellsでラッキーライラックやオーソリティやエスポワールが出たのは物語として順当なわけです

そのエスポワールにドゥラメンテを配して、サンデーサイレンスとトニービンとノーザンテーストという歴代リーディングサイアーの血をクロスし、おまけにKingmamboの父系でNureyev≒Sadler's Wells5×5もクロス

オルフェーヴルとナカヤマフェスタとエルコンドルパサーで計2着4回、この積年の恨みを詰め込んだような強力な父母相似配合でアロヒアリイは生み出されました



そんなアロヒアリイが凱旋門賞をめざして渡仏というのは、まずはパリ大賞典ですが頑張ってほしいなあと…ちょっと脚は遅いですが底力は並ではなく、バレークイーンは3歳が旬だし、ドゥラメンテのラストクロップでもありますからね

BSイレブンは◎ベルウェザー
母方が芝ストライド血統で、元旦産駒でも芝馬のようなストライドで走る馬で、ダートなら東京の重でこそ狙いたい



NETKEIBA「厳選予想 ウマい馬券」ではヴィクトリアマイルと東京6Rを予想していますので、日曜もよろしくお願いします(競馬道OnLine「今週のBLOOD穴ライズ!」は栗山さんの担当)


http://yoso.netkeiba.com/?pid=yosoka_profile&id=24&rf=umatop
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土曜のボツ予想~直千のマクフィ娘

2025-05-17 09:38:31 | 血統予想

地元の八百屋に山菜が並ぶ季節になりましたが、あずき菜をオリーブオイルと塩麹で和えたらわかっちゃいるけどめちゃんこ美味いんだ



今日は各地雨で馬場状態はどんどん悪化していきそうですが、国分寺はカーネーションが好内容○カンティアーモと今は1400より1800が合いそうな▲ルージュスエルテが有力
しかし渋った東京1800なら◎エバーハピネスも現級を勝てる力はあると思うので、ドゥラメンテ黄金配合(母系にGone Westが入ってヌレサドクロス)に一票





東京最終は◎カルネヴァーレ、母はNorthern Dancer4×4で自身はMajestic Prince=クラウンドプリンスの全きょうだいクロス5×4、グランド牧場さんこれ狙いたくなったのか、ノースケープ牝系にダノンレジェンドを配したのがこれまで4頭もいて、本馬とクールライズ(JRA2勝)が勝ち馬となっています
前走は外に出してからの伸びが目立ったし、また最内枠で乗りやすくはないでしょうが、速い馬場は向きそうなタイプだし距離も1200よりはマイルだろうと

新潟はついに中央に舞い戻ってきた8Rはるおも気になるところですが、6直千は橋本の◎ラブカマクフィーに注目
マクフィ牝駒の直千は[4-1-2-13]単回値262複回値147と狙いどころ、特に7~8枠を引いたときは以下のように[2-0-2-1]、まあ今の新潟では8枠に入っただけで穴人気するので現在5人気です





NETKEIBA「厳選予想 ウマい馬券」では新潟大賞典とあずさ賞を予想していますので、今週もよろしくお願いします(競馬道OnLine「今週のBLOOD穴ライズ!」は栗山さんの担当)


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第30回NHKマイルC回顧~名血が輝く前傾ラップ

2025-05-13 15:00:47 | 血統予想

東京11RNHKマイルC
◎18.コートアリシアン
○8.アドマイヤズーム
▲6.イミグラントソング
△1.モンドデラモーレ
△16.サトノカルナバル
×2.ショウナンザナドゥ
×5.ランスオブカオス
×11.パンジャタワー
今年のNHKマイルCは前哨戦で逃げた馬が1頭も出てこない。どれがハナを切るのかも判然としないほどで、そういうときに限って意外に激しい先行争いになったりもするのだが、ふつうに考えれば後傾ラップで、アドマイヤズームが朝日杯のように好位から上がり1位を叩き出せるようなレースになるだろう。
そんなレースを想定した上で、穴で入るならばコートアリシアン。サートゥルナーリア産駒はファンダムにしてもショウヘイにしても、上がりのケイバでビュンと脚を使う。オリオールの薄いクロスをもつので揉まれない大外は歓迎だし、後傾ラップをタメて大外から差す形なら、NZTよりもクイーンCよりもいい脚を使えるイメージがある。
イミグラントソングはリヴァーマンやミルリーフの斬れを活かした配合で、マクフィ産駒にしては脚長で斬れで差すタイプ。ルメールとは手が合うだろう。

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例によってNETKEIBAの全頭血統解説より1~3着を

パンジャタワー
ロジユニヴァースの甥で、牝祖ソニンクは直仔にノーザンリバーやランフォルセ、孫にディアドラやジューヌエコール、曾孫にソングラインやスキルヴィングなどが出る名繁殖。父タワーオブロンドンはスプリンターズSに勝ったRaven's Pass産駒で、初年度産駒にアーリントンロウやレイピアなどがいる。母はMachiavellian3×3でなかなか味のある配合だが、体つきなどをみても1600より1400のほうが斬れそうなイメージではある。(距離○スピード○底力◎コース◎)



マジックサンズ
コナコーストやコナブラックの下で、母コナブリュワーズはJRA4勝(芝1200~1400)。母母アンブロワーズは函館2歳S勝ち馬でロシュフォールやテオドールの母。父キズナはジャスティンミラノなどを出す昨年のリーディングサイアーで、キズナ×キングカメハメハはハピやタガノエルピーダと同じ。重馬場の札幌2歳Sを力強く捲り差したパワーが売りで、皐月賞も上がり1位の脚で追い込んではいるが、東京マイルの高速戦を差せる脚かとなると微妙だ。(距離○スピード○底力◎コース○)



チェルビアット
ショウナンパンドラの半妹。母母ゴールデンサッシュはサッカーボーイの全妹で、ステイゴールドやレクレドールの母でドリームパスポートやダイアナヘイローの母母。ロードカナロア×フレンチデピュティはレッドルゼル、アンヴァル、リリーバレロなどと同じ。フィリーズレビューはHペース前崩れで4角14番手の後方待機策がハマッた。フレンチデピュティやノーザンテーストのパワーも強く上がりのかかるレースで浮上。高速決着になると苦しいか。(距離◎スピード○底力○コース○)



今年のNHKマイルは、実戦で逃げたことのある馬がヴーレヴーだけ、それも芝1200の新馬戦で、そもそも何がハナに行くのかの予想がまず難しかった

「こういうときに限って意外にHペースになったりするから…」ってな話もしてたんですが、そのヴーレヴーが1200の重賞のようなペースで逃げてそれをトータルクラリティやアドマイヤズームがうなりながら追いかけて、まさかまさかの前後半44.6-47.1

2秒5前傾というのは、ウインクリューガーが勝った03年第8回(45.8-48.4=2秒6前傾)に次いで、テレグノシスが勝った02年第7回(45.3-47.8=2秒5前傾)と2位タイ、4位はタイキフォーチュンが勝った96年第1回(45.1-47.5=2秒4前傾)、まあ最近ではなかなかお目にかかれないような前傾度

このメンバーで歴代2位のHペースになってしまうとは、いやホンマにフタを開けてみないとわからんもんですが、前の組はみんな止まってしまい、中団を進んだパンジャタワーは直線外に持ち出すと坂を駆け上がるときの加速が1頭だけ抜けていて、残り200mではもう先頭に立っていました

つまり1400mを1.19.9で走破し(京王杯SC4着のレッドモンレーヴと同タイム)、そこからゴールまでを11秒8でまとめてマジックサンズやチェルビアットの追い込みを凌ぎきったというわけで、マイル戦で前傾ラップになると1400質の馬が勝ちやすいというのは、なるほどこういうことなんやなあ~という勝ち方でしたね

レース上がり3Fは35.3と当然かかったので、稍重の京王杯2歳Sを勝ったパンジャタワーと、重の札幌2歳Sを勝ったマジックサンズと、やはり超前傾ラップで上がり35.8のフィリーズレビューで2着に追い込んだチェルビアット、上がりのかかるレースで好走実績のあった馬たちが、望田が高速マイル戦では差し込みにくいと評した馬たちがみんな差してきた(^ ^;)

イミグラントソングがマクフィ産駒らしからぬストライドで斬れるのはたぶんRiverman≒Mill Reef≒Torsion4・6×6由来で、マクフィで2000ギニーを勝ったフレンチの鉄人とは手が合いそうに思えたのですが、ルメールさんは川田さんの後ろを取ればOKという乗り方で、けっきょく1,2番人気はHペースに巻き込まれてしまった

Aureole7×7のコートアリシアンは432キロのしなやか1800質で、大外枠ならば後傾ラップを大外一気がありうるのでは…というイメージで狙ったんですが、ゲートが開いて外に馬がいないと喜んでそっちに行ってしまい、こんなAureole魂発動のパターンもあるんかい(^ ^;)

そんなわけでパンジャタワーは今でも1400馬やと思ってるし、ラウダシオンやリアルインパクトが1400の強豪に完成したような蹄跡になりそうだと思ってるんですが、印を入れたのは単に配合が良いからというだけでね

タワーオブロンドンは種牡馬としてわりと評価してて、配合診断でもちょくちょく登用してるんですが、Darshaanの斬れで差してた馬なのでダートはあんまり走らないだろうという見立てもでき(種牡馬ファインニードルもダートはイマイチですよね)、今の日高ではダート走れないとなかなかセールに直結しないし大人気にはなりにくい…まあパンジャの活躍で来年はもっと注目されるでしょう

母クラークスデールはロジユニヴァース(父ネオユニヴァース)の3/4同血の妹で、名繁殖ホワイトウォーターアフェアとスーパー名繁殖ソニンクを通じるMachiavellian3×3ですから繁殖としては最高の配合

これ未出走で繁殖セールに出てたときに(血統だけで)推奨リストには入れてたんですが、写真見せてもらったらたしかにパッとしない見た目で(^ ^;)、だから安価で取引されたわけで、そこはソニンクおそるべし、母系に入るMachiavellianおそるべしでした

タワーオブロンドンの血統の美点は、何といってもシンコウエルメス~Doff the Derby~Margarethenとさかのぼる名門牝系にあり、Margarethenは父が底力の塊のようなTulyar~Tehranのラインで、母Russ-MarieはNantallahとニアリーな血脈構成

タワーオブロンドンはこのTehranの血をクロスし(Gone West~Mixed Marriage経由)、他にもBrigadier GerardやCrepelloもあってPretty Polly的な底力を秘める血統構成といえます



またそこにSadler's Wellsが配されたシンコウエルメスはNantallah≒Russ-Marie5×3をもつので、ようするにタワーオブロンドンは名門Margarethenの直系というだけでなく、Margarethenの名血を活かした配合を代々してきたといえるのです

「キタサンブラックの凄い底力の源泉は、BustedとTulyarとWordenによる、BlandfordとWild RiskとSolarioとPretty Pollyの組み合わせの増幅にある」という話はもう16回ぐらいしたと思いますが、そこは下記エントリを参照ということで
https://blog.goo.ne.jp/nas-quillo/e/369ba708674e5d2a9924a042f049b705

同じ視点でパンジャタワーの血統表を掘っていくと、シンコウエルメスとホワイトウォーターアフェアとソニンク、この名牝系が秘める底力の血が、Tulyar≒Worden≒Busted6×6・7・8によってみごとに融合した配合という見方もでき、ダービー馬ロジユニヴァースの底力もBustedとWordenによってもたらされたのだと

パンジャタワーはSadler's Wells≒Nureyevの3/4同血クロス4×5ももつので、Nantallah≒Russ-Marieのラインも活かされているというね、見れば見るほどシンコウエルメスとホワイトウォーターアフェアとソニンクの名血が輝いて眩しくなる

┌○
│└△┌Busted
│ └△
キタサンブラック(Busted≒Worden≒Tulyar4×6・6)
│  ┌○┌Tulyar
└△┌○└△
 └△  ┌Worden
  └△┌○
   └△
┌○
│└△
│ └△
│  └△┌Tulyar
│   └△
パンジャタワー(Tulyar≒Worden≒Busted6×6・7・8)
│ ┌○
│ │└△
│ │ └△
│ │  └△┌Worden
│ │   └△
│┌○
││└△┌Busted
││ └△
└△
 └△
  └△
   └△
    └△┌Busted
     └△

キタサンブラックのBusted≒Worden≒TulyarのトライアングルをWorden≒Le Fabuleuxのニアリークロスで継続したのがイクイノックスですが、パンジャタワーの次に活躍しているタワーオブロンドン産駒、レイピアの母アンナトルテはLe Fabuleux≒Worden4×7・7をもっています(レイピア自身はSadler's Wells≒Nureyev4×4)

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