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第41回ホープフルS回顧~涙の好位差し、盤石のキタサン教科書配合

2024-12-30 14:40:26 | 血統予想

中山11RホープフルS
◎6.クロワデュノール
○12.マジックサンズ
▲16.ジュタ
△15.ピコチャンブラック
×3.ジェットマグナム
×18.マスカレードボール
この世代はバレークイーンの当たり年のようで、ホープフルSにはジェットマグナム、ピコチャンブラック、マジックサンズと、バレークイーン牝系が3頭も出てくる。マジックサンズはそのバレークイーンの重厚さが表現されていて、中山内2000はピッタリのイメージ。ここも勝ち負けだろう。ピコチャンブラックも母がアンライバルドの全妹だから東京1800より中山2000がベターなのはたしかで、今度はマスカレードボール逆転の絵も描ける。とはいえ、血統予想でいくならばクロワデュノールの◎は譲れないところで、母父ケープクロスがダンジグ系のマイラーで、自身はサーアイヴァーやバステッドやワードンのクロスというのはキタサンブラック産駒の教科書的な成功パターンの配合。テスコボーイ≒ウインドミルガールのニアリークロス5×5も評価できる。イクイノックスと似た輪郭の配合で、イクイのように中山の多頭数にも対応できるタイプだろう。
いずれにしてもここらは上位人気。多頭数のホープフルはよく荒れるから、ちょっと印の薄いところで取り上げたいのは▲ジュタ。母シャンパンエニワンはガルフストリームパークオークス(米G2・ダ8.5F)勝ち馬で、母父ストリートセンスはケンタッキーダービー馬。さすが高馬という馬っぷりのよさで、トニービンとストリートクライのニックスをもち、ドゥラメンテ産駒でもわりとパワーで走るタイプだけに中山2000も合っているとみた。ドゥラエレーデのようにアッと言わせるか。

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例によってNETKEIBAの全頭解説より1~3着を

クロワデュノール
アースライズの半弟で、母ライジングクロスはパークヒルS(芝G2・芝約13F)勝ち。母父Cape CrossはロッキンジS(英G1・芝8F)勝ち馬でロジユニヴァースの母父でもある。父キタサンブラックは年度代表馬でイクイノックス、ソールオリエンス、ウィルソンテソーロなどを出し成功。母母のところだけNorthern Dancerが入らず、母父がマイラーというのはキタサン産駒の走るパターンだ。東スポ杯は+24キロでも叩き合いで地力をみせつけた。中山でも有力。(距離◎スピード○底力◎コース○)



ジョバンニ
セキトバイーストやマテンロウアレスの半弟で、母ベアフットレディはネルグウィンS(英G3・芝7F)勝ち馬。母父Footstepsinthesandは英2000ギニーに勝ったStorm Cat系。父エピファネイアはエフフォーリア、デアリングタクト、ダノンデサイル、ステレンボッシュなどを出す長距離砲。エリキングを差せず2着がつづくが、母系の奥に粘着力ある血が多く、新馬勝ちのように前で受けたほうがいいかも。オリオールの薄いクロスで馬群はイマイチか。(距離◎スピード○底力◎コース○)



ファウストラーゼン
ペイシャフェリシタの甥で、ペイシャフラワーのイトコで、母ペイシャフェリスはアネモネSなどJRA4勝。父モズアスコットは安田記念とフェブラリーSに勝ち、初年度からモズナナスター、リリーフィールド、ベアバッキューンなどを出している。父も母もマイラーだったが、本馬は母父スペシャルウィークの影響で伸びのある体型で、2戦目に芝2000で勝ち上がった。ベストは大箱1800とみたい。パワー型で馬場が渋るのも時計がかかるのもプラス。(距離○スピード○底力○コース○)



今年のホープフルSは前後半61.4-59.1、このようにスロー後傾のホープフルといえば、最近ではドゥラエレーデ(2-2-2)とトップナイフ(1-1-1)の22年、ダノンザキッド(3-5-3)とオーソクレース(3-3-2)の20年、サートゥルナーリア(2-3-4)とアドマイヤジャスタ(2-2-2)の18年で、まあそらだいたい前残りになります

それだけに向正で16番手から一気に進出してファウストラーゼンを先頭に立たせた杉原は好プレーで、母父スペシャルウィークだけになおさら好プレーというべきで、配合どおりモズアスコットをNijinsky的胴長にしNever Bend的立ち肩にしたような馬で大箱1800あたりがベストっぽいんですが、あそこでハナに立ったことが大きかったと思います

モズアスコットもこれでファーストシーズンリーディングではサートゥルナーリア、ナダル、アドマイヤマーズに次ぐ4位、ファウストラーゼンが芝中距離、モズナナスターとリリーフィールドが芝短距離、そしてベアバッキューンが南関ダートとFrankel系らしいオールラウンドぶりで、そして下記エントリでも書きましたがヘネシーってほんとに日本向きのStorm Catですよね

第41回マイルCS回顧~名牝系、緊張→緩和で6歳に大輪
https://blog.goo.ne.jp/nas-quillo/e/abe1100519e9aecb0d799514d09c029f

ジョバンニは地力は確かですがAureoleの薄いクロスをもつエピファネイア産駒で、これまで少頭数のレースしか走ってないのにフルゲートの最内枠を引いてしまい、これは松山難しくなったかと思ったんですが内々を捌いてきたのにはちょっとビックリ

ベアフットレディの仔は、父デクラレーションオブウォーのセキトバイーストも父ダイワメジャーのマテンロウアレスも地力を秘めるんですがちょっと速い脚に欠けるので2着が多くて、これで産駒のJRA成績はトータル[7-22-15-54]となりました(^ ^;)

ジュタはさすがはセレクトの高馬やという抜群の馬っぷりで、私のTLではレース直前になって「ジュタで足りませんかね?」という声が続々と湧き上がってきて、みんなパドック見てジュタを買いたくなったようです(^ ^;)

ペースが上がった3~4角でクロワを追いかけるときに苦しかったので、まあ中山よりは東京の馬なんかなとは思いましたが、大跳びデュラエレーデというイメージですかね、奥のある素材やとは思いますがなんかそのうちダートに行きそうな気もするんですよね(^ ^;)

マジックサンズはスタート後にゴチャゴチャッと接触したときに馬がエキサイトしてしまい、ペースが遅かっただけになだめきれないまま3角まで行ってしまった感じで、ピコチャンブラックは4角で勝ち馬に外から交わされてから急に手応えがなくなったように見え、揉まれるケイバは初めてでしたからね

ファウストラーゼンが行ったのに乗じてスッとポジションを上げたのが本命馬クロワデュノールで、あそこで3番手に押し上げたことでもう負けようがない展開に

若手のホープと言われた北村友一ももう38歳ですか、大変な大怪我から復帰してしばらくは、さすがに以前のようには乗れなくなってしまったのか…と感じた人も多かったでしょうが、今年はあの難しいダノンマッキンリーでファルコンSを差し切ったのを皮切りに、クロワデュノール、シュヴァリエローズ、トータルクラリティ、ビッグシーザーとのコンビで重賞計7勝

今日の騎乗もクロノジェネシスやアルアインで手堅い好位差しで勝っていたころをほうふつさせるもので、そういや斉藤崇史厩舎&サンデーレーシング&ノーザンファームといえばクロノジェネシスと同じチームですか、地道に乗りつづけていればクロワデュノールみたいな馬がまた回ってくるんやなあ…と涙の勝利騎手インタビューを見ながら

前にも書きましたが、クロワデュノールとイクイノックスは配合的な共通点が多く、キタサンブラック産駒として教科書的好配合といえます

・母父(Cape Cross、キングヘイロー)がマイラー質でここを経由してHalo≒Sir Ivorのニアリークロスをもつ(ので中山内回りに対応する機動力兼備)
・キタサンブラックの凄い底力の源泉は下記エントリで書いたように「BustedとTulyarとWordenによる、BlandfordとWild RiskとSolarioとPretty Pollyの組み合わせの増幅」にあり、クロワはそれをBusted5×5とWorden7×7で引き継ぎ、イクイはWorden≒Le Fabuleux7×6で引き継いだ
https://blog.goo.ne.jp/nas-quillo/e/369ba708674e5d2a9924a042f049b705
・下記エントリではテスコボーイ≒Windmill Girlのニアリークロスについて考察しておきましたが、イクイの母母ブランシェリーはトニービン×Nureyevなので、母母のところでテスコボーイのナスペリオンを活かしているのも両者共通します
https://blog.goo.ne.jp/nas-quillo/e/657b10e9be03c70961369bffa048d229

個人的にはトモのバネ感がわりとテスコボーイっぽいなと思ってるんですが、イクイほどWild Risk&ナスペリオンなナタ斬れという雰囲気ではなく、好位から抜け出して長く脚を使うというのがクロワデュノールのストロングポイントじゃないかと思うし、そしてこの血統でこのチームならば成長曲線はまだまだ斜め上じゃないかとも思います


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1 コメント

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Unknown (Unknown)
2024-12-31 06:45:41
坂井瑠星はジュタについて「キレない馬なので中山向き」と言ってますね
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