自己肯定観2(第147回)
(前回から続く)貧困が社会問題化する今、「頼る」という社会性をどのように育てるのか、その在り様が問われている。その際重要なことは、「他者への信頼」と「自己肯定観」だろう。助けてくれる人がいるという「他者への信頼」、そして、「自分は助けてもらう価値のある人間である」という「自己肯定観」だ。その視点からすると、この映画の母親は、どちらも欠けている人物として描かれている。子どもへの愛情は間違いなくあった。でも、「自立」した大人にはなれていなかった。
大事だと感じるのは、「自己肯定観」は「完璧な自分を求める」こととは違う、ということだ。そうでないと、「自己肯定観」は「自立(と共生)」に結びつかない。「自己肯定観」というのは、できる自分もできない自分も認められるということであり、「優越感」とは異なるのだ。
「自己肯定観」がちょっぴり低めで「優越感」丸出しの腹ペコだからこそ、まめたには「自立」した大人になってほしいと願っている。腹ペコの手の届く範囲なんて、社会のほんの一部かもしれないけれど、「自立した大人」を育てる社会の担い手になりたいと思っている。(結)
残り3回の「腹ペコ日記」。イラストが少しづつ変化していますが最後は…公式裏ブログ「波風食堂、準備中です」更新しました。