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強欲は身を滅ぼすという見本のような展開を楽しめる「悪の法則 ’13」劇場公開2013年11月

2014-04-11 17:10:11 | 映画

                  
 メキシコの麻薬カルテルにつけ狙われるととにかく恐ろしい世界だ。問題を起こすと弁解の余地はまったくない。死が唯一の解決策だ。それを操る女がいる。

 カウンセラーと呼ばれる男(マイケル・ファスベンダー)が欲を出した。弁護士稼業でいいものを麻薬の取引に一枚噛んだのが底なしの恐怖に襲われる。

 恋人ローラ(ペネロペ・クルス)と白いシーツの中で、彼女が求める「触って! もっと下のほう」の欲に留めておればいいものを、もう一つの欲、物欲にも手を出してしまった。

 手広く商売をするライナー(ハビエル・バルデム)、テンガロン・ハットのカウ・ボーイスタイルのウェストリー(ブラッド・ピット)とタッグを組んだ。ライナーの恋人マルキナ(キャメロン・ディアス)が影のように付きまとう。

 その恐ろしい世界は、殺人方法にある。銃で撃ち殺すのは当然として、ボリートという方法がある。これはモーターのついた合金製のワイヤーが首を締め付け切断する。ワイヤーを切る術はない。1分以内に死亡するという恐ろしいものだ。

 これでウェストリーは、歩道でのた打ち回る。個性派俳優の出演と独特のBGMが最後まで飽きることはなかった。キャメロン・ディアスは好きな女優ではないが、この悪女役にはぴったりな感じだった。
            
            
            
            
監督
リドリー・スコット1937年11月イギリス、サウスシールズ生まれ。’79「エイリアン」’91「テルマ&ルイーズ」などの作品がある。

キャスト
マイケル・ファスベンダー1977年4月ドイツ、ハイデルベルク生まれ。
ペネロペ・クルス1974年4月スペイン、マドリード生まれ。
キャメロン・ディアス1972年8月カリフォルニア州サンディエゴ生まれ。
バビエル・バルデム1969年3月スペイン、カナリア諸島ラスパルマス生まれ。’07「ノーカントリー」でアカデミー助演男優賞受賞。
ブラッド・ピット1963年12月オクラホマ州生まれ。
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自称IQ200の中年男の皮肉で幸せな人生?「人生万歳!」劇場公開2010年12月

2014-04-06 17:42:50 | 映画

                  
 これもウディ・アレン監督による。知能指数が200もあってノーベル物理学賞にノミネートされた過去を持つ中年男ボリス(ラリー・デヴィッド)は、ひとりよがりで人を小馬鹿にした嫌なやつ。

 それがニューオーリンズから家出してきて空腹で死にそうだという小娘メロディ(エヴァン・レイチェル・ウッド)を泊めてやったのが縁となって結婚。ボリス、おそらく60歳近いだろう。メロディ21歳でかなりの年の差婚。

 世間の一般的な20代、年齢差2~3歳、男が年上での結婚が理想と思われているにしてはあまりにも隔たりが大きい。

 ある日、母マリエッタ(パトリシア・クラークソン)がどう手を回したのかメロディを訪ねてくる。夫、メロディの父親はマリエッタの友人と駆け落ち。家業が破綻。ニューオーリンズの屋敷も処分してメロディのところへ転がり込んだのがわかる。

 このマリエッタ、娘の相手があまりにも年老いているのを見かね、たまたま「あなたの娘さんですか? 美人ですね」という青年に出会い一瞬のひらめきはメロディにこの青年を押し付けることに……陰謀はことのほか順調に進みメロディがボリスに打ち明ける。

 ボリスもIQ200を持っているから早晩こういう事態は避けられないと考えていた。なにしろメロディの相手は、バイアグラを使う必要のない男だから。それでもボリスの失意は激しく窓から飛び降りる。これが二度目だった。

 幸運なことに下を歩いていた占い師の女性の上に落ちて一命を取り留めた。女性も軽い怪我で済んだ。いったい何階の窓から飛び降りたんだろう。多分一階だろう。これが縁でお似合いの夫婦となる。要するに人生万歳だ。幸せな伴侶を得たボリスは、IQ200の嫌なやつではなくなっていた。女好きなウディ・アレン流の結末。
            
            
 ちなみにIQ228の世界一高い人としてギネス・ブックに登録されているのは、アメリカのマリリン・ボス・サバントという女性。1946年8月11日ミズーリ州セントルイス生まれのコラムニスト、作家、講師、劇作家とウィキペディアにある。

監督
ウディ・アレン1935年12月ニューヨーク生まれ。

キャスト
ラリー・デヴィッド1947年7月ニューヨーク市ブルックリン生まれ。
エヴァン・レイチェル・ウッド1987年1月ノースカロライナ州生まれ。
パトリシア・クラークソン1959年12月ルイジアナ州ニューオーリンズ生まれ。
エド・ペグリー・Jr1949年9月ロサンジェルス生まれ。
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女ならイケメン・イタリア男と男なら魅惑的なイタリア女と…という雰囲気の「ローマでアモーレ’12」

2014-04-03 17:29:03 | 映画

                  
 こんな夢は二度と戻らない 僕が手と顔を青く塗ると 不意の一陣の風に運ばれて 果てしない大空へと 飛び立っていたよ 飛べよ 歌えよ 「ボラーレ」の軽快なリズムがローマへと誘う。

 ヨーロッパ旅行が大好きな人たちにとって、イタリアも魅力的な国の一つなのだろう。日本でもイタリア料理が一般的になったし、わたしの感覚からは、お隣の韓国よりも近しい感じがする。韓国料理を食べたことがないせいかもしれない。

 いずれにしても男も女も韓国とは比較にならない。かっこいいのがイタリア。そうは言っても日本の男がもてるとも思えないが、女はイタリア男も興味津々のはずだ。願わくば、イタリア男に遊ばれるのだけは避けて欲しいね。

 というわけで、アメリカ娘ヘイリー(アリソン・ピル)もイタリアのイケメン男ミケランジェロ(フラヴィオ・パレンティ)にぞっこんとなり、結婚に漕ぎつける。アメリカから両親(ウディ・アレンとジュディ・ディヴィス)を呼び寄せてイケメン男両親と対面。事はこのまま収まらずあらぬ方向へと展開する。

 また、田舎から出てきた新婚夫婦の夫にコールガール(ペネロペ・クルス)が絡んだり、新妻がホテルの美容院が予約で満杯なところ外の美容院を紹介されるが道に迷う。それがとんでもない事態に発展するが……。

 恋人と同棲するジャック(ジェシー・アイゼンバーグ)は、恋人の友人モニカ(エレン・ペイジ)がアメリカからやってくる。ごちゃごちゃ言わなくても想像はつくよね。

 もう一つは、ある日突然有名人になったら。レオポルド(ロベルト・ベニーニ)がある日の朝、突然多くのパパラッチに追いかけられる。そしてある日、突然見向きもされなくなる。一時は静かな時を過ごせて元の生活が戻ったと思ったが、町を歩くと誰も知らん振り。有名人病に冒された彼は注目を集めたいために道路の真ん中で服を脱ぎ始める。 と、現代の悲しい姿が浮き彫りになる。ローマでは恋の炎が燃えるばかりでなく、普通の生活もある。この話が一番示唆に富む話に思える。劇場で公開されたのは、2013年6月。
「ボラーレ」をどうぞ!

       
            

            
            
監督
ウディ・アレン1935年12月ニューヨーク生まれ。

キャスト
ウディ・アレン 
アレック・ボールドウィン1958年4月ニューヨーク州ロングアイランド生まれ。
ロベルト・ベニーニ1952年10月イタリア、トスカーナ生まれ。
ペネロペ・クルス1974年4月スペイン、マドリード生まれ。
ジュディ・ディヴィス1955年4月オールトラリア、バース生まれ。
ジェシー・アイゼンバーグ1983年8月カリフォルニア州サクラメント生まれ。
エレン・ペイジ1987年2月生まれ。
アリソン・ピル1985年11月カナダ、オンタリオ州トロント生まれ。
フラヴィオ・パレンティパリ生まれ・
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2000字の恋愛小説「一緒に死んで、 お願い!」

2014-04-01 16:49:57 | 小説

 インクジェット・プリンターは各課にあるが、レーザー・プリンターは総務課にあって課長の許可がないと使えない。理由は簡単。インクジェットよりレーザーのほうがかなり経費がかかるからだ。

 その窓口に当たるのが、ちょっとキュートな女の子で名前を楓順子(かえで じゅんこ)と言った。まだ二十歳の順子は、溢れる若さに加え会社支給のスーツの制服の胸の出っ張りが極端に大きくそれを見るたびにめまいを覚えるくらい息苦しい。

 それでも営業本部の国光敬二にとって、一番行きたい場所が総務課なのだ。吉田総務課長は、極端に節約癖があってレーザー・プリンターを出来るだけ使わせないように使用許可申請書にいちゃもんをつける。

 総務課長のくせを熟知している順子に相談すればすべて問題なく許可される。去年の12月中旬、申請書とともに板チョコ5枚の入った袋を手渡した。ちらりと目を留めた順子は、上目遣いに敬二を眺め可愛い口元から白い歯を見せてウィンクを送ってきた。

 そして言ったのは、「パーティ券を買って欲しいんだけど……」
「パーティ券?」と敬二。
「ええ、私の女友達が商社に勤めているのね。クリスマス・イヴに社員労働組合のパーティがあるの。そのパーティ券よ」
「なるほど、いくらなの?」
「一枚、1万円よ。飲み放題食べ放題でね」
「社外の人も参加するんだね。どうして?」
「何というのかなあ。同じ会社だと話題も内向きだしね。別の業種の人と話すことで視野も広がる利点があるといってるけど」
 敬二にとってそんなことはどうでもよかった。パーティ券購入も頼まれてほいほいと受けるのも何か軽い感じがしたまでだ。

 ところがそのパーティに参加して思わぬ収穫があった。つまり楓順子の女友達、川喜多留美を紹介されたことだった。幸運はついてまわった。その川喜多留美とその日のうちにホテルで一夜を共に過ごした。

 国光には妻と子供が1人いて翌日、帰宅したときの弁解に苦労した。電話1本していなのが負い目になった。国光はずるいところがあって、日ごろからちょくちょく無断で外泊することもあった。その時は飲みすぎて電話に気が回らなかったと弁解した。それは意識的な行動で妻に慣れてもらうのが目的だった。今回も営業本部の飲み会で泊まったと言った。国光の妻は、またかという顔で「そう」と言っただけだった。

 あれから2ヶ月が経過しようとしていた。今日は7度目のデートで映画を観てシティ・ホテル内のイタリアンの店で白ワインの入ったグラスをもてあそんでいた。川喜多留美の表情が冴えない。今日はくちかずが少ない。いつもは明るい表情でよく笑って楽天的で可愛い留美はどこにもなかった。
「留美、どうかしたの? いつもと違うよ」国光が言った。
「うん? ええ、まあ。昨日考えていたの。敬二さん私のことをどう思っているのかしら? と」

「決まってるじゃないか、好きだということを」
「そうなの? だって今まで一言も好きとか愛しているとか言ってくれなかったじゃない? 本当はどうなのかって」
「言葉にしなかったのは悪かったよ、留美。愛しているよ。心から」
「本当? だったら結婚して」
「うッ、そうしたいのはやまやまだけど、留美も知っての通り妻と離婚しなきゃならないよね」「勿論、離婚して!」国光の顔が心もち青ざめたように見えた。それを見た留美は「ここのホテルの部屋?」国光はホテルのディユースを予約していた。

 東京駅を含めた丸の内界隈は、ここ数年で観光地化した。洒落たレストランやカフェが増えOLやサラリーマン、それに観光客で賑わいを見せている。

 楓順子と川喜多留美は、スペイン料理の店で祝杯を挙げていた。
「で、結果はどうだったの?」順子が留美に聞いた。
「手切金500万円だった。ああ、そうそう順子の口座に送金しておいたわよ」
「ありがとう」留美が受け取った金額の10%が順子の取り分と決められていた。
「それから、決め手のセリフはなんだったのかなあ?」と順子。
「離婚できなかったら、一緒に死んで! 死なないなら奥様に私が話すわよ」
「うわー、怖い!」「国光さんもよくお金を出したわよね」
「そう、もともと男は臆病なのよ。世間体を気にする人種だしね。それに今回は奥様の実家がお金があるみたいで、そこから出たらしいわ」
「国光さんももう浮気が出来ないよね」
「いや、ほとぼりが冷めると、浮気の虫がうごめくんじゃない。男って懲りないのよ。全く」
「でも、その懲りない男がいるからからこそ、私たちの仕事が成り立つんじゃない?」
「そう、言えてる。じゃあ、その男たちに乾杯!」
 二人は大笑いをした。その声は周囲の人の目を引いた。留美は、グラスを揚げて眺めている人に挨拶をした。了
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