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海外テレビドラマ ミニ・シリーズ「衝突 Collision」

2018-12-19 17:42:04 | 海外テレビ・ドラマ

          
 イギリスの警察が舞台の5話からなるミニ・シリーズ・ドラマ。A12号線エセックス付近で起きた多重衝突事故が発生。8台の車が絡む事故で2人が死亡、1人が危篤、6人が怪我。警察が心配したのは、この事故の直前にスピード違反車を追跡していたパトカーが原因ではないかということ。追跡されていたのは、黒人のカップルが乗るBMWで、女性の父が人種差別だと息巻いている。

 イギリスはマイル表示の速度だが、高速道路の制限速度をキロでいうと時速112キロ、幹線道路で48キロ。イギリスは交通違反にはかなり厳しいらしい。だから監視カメラやネズミ捕りは日常的。

 この交通事故の調査を引き受けたのがジョン・トリン(ダグラス・ヘンシュオール)。暗に示唆されるのが、パトカーが原因であってもそこのところはうまくやれ。どこの国も同じで警察のメンツにかかわるらしい。

 ジョンは、この事故を取り仕切ったアン(ケイト・アシュフィールド)に事情を聞く。事故現場に行く車の中、何か表情が硬い。この二人、過去に何かあったようだ。

 フラッシュバックで死者や怪我人のそれぞれの人の過去も、それに事故原因の調査とともにジョンとアンの過去が浮かび上がる。人間の営みは千差万別、それに誰でも一つは悩みを抱えている。それを銃撃戦やカーチェイスの派手な場面のない静かで淡々としていて、イギリスの風景とともに印象に残るドラマだった。

 出演の俳優たちがびっくりする程のハンサムや美人でないのが親近感も湧いてくる。近しい人が語ってくれる物語のようだ。

 しかし、ふっと思ったのは黒人女性の父親が人種差別だという背景を考えてみるに、イギリス社会もアメリカと同様、差別があるのかもしれない。また、イギリスは階級制度が残る国といわれている。

 このドラマの中で会社社長も巻き込まれ怪我をする。A12号線沿いのダイナーに担ぎ込まれる。そこに働くジェーン(ルーシー・グリフィス)が救急隊員の求めに応じて社長の腕を支える。脱臼した腕がもとに戻る。それが出会いでデートを重ねる。ジェーンから見れば行ったこともない高級レストランでの食事。高価な腕時計のプレゼント。二人で海外旅行にという誘い。若いジェーンの夢は、フランスやイタリアの旅で願ってもない機会。

 ユーロスターの出発のロビーで待っていると、中年女性がつかつかとジェーンの前に座った。「あなたジェーン? 私は妻であの人の悪い癖の後始末をするの。あの人は、労働者階級の若い女性に目がない。真剣な交際はしないから諦めなさい」

 労働者階級だよ。日本では会話の中で労働者階級などという言葉は入らないが、イギリスでは厳然と存在する。黒人女性の父親の気持ちも分からないでもないかな。2009年制作 2018年アマゾン・プライムで放映
  
       
企画
アンソニー・ホロヴィッツ1955年4月イギリス、ロンドン生まれ。

キャスト
ダグラス・ヘンシュオール1965年11月イギリス、スコットランド、グラスゴー生まれ。
ケイト・アシュフィールド1972年5月イギリス生まれ。
ルーシー・グリフィス1986年10月イギリス生まれ。
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